広告と聞いて、あなたが最初に思うかべるものは何でしょうか?
もしかすると、それは幼い頃に見たテレビのCMかもしれないし、最近よく見るYoutubeの広告かもしれません。
消費者の立場からすると、広告は面白かったり、感動したり、ちょっとしたインパクトを与えられるエンターテインメントのようなものかもしれません。
しかし、実際に広告を作る側に回ると広告の世界を理解するのは少し難しく感じるかもしれません。
「広告」という概念はわかっていたとしても、それらがいったいそれが何を意味するのか、
そしてどうすれば人々に影響を与えることのできる広告が制作できるのか、考えることは山ほどあるでしょう。
プリント広告からデジタル広告まで、広告は時代とともに変化してきました。
しかし、広告の必要性は変わっていません。
本記事では質の高い広告を作るために基礎知識からテクニックをご紹介いたします。
広告とは何か?
広告とは、ある商品やサービスを宣伝するためにデザインやメッセージを制作し、消費者に「購入する為の動機づけ」を促すコミュニケーションの一種であり、宣伝の形のことを言います。
広告は、マーケティングの最も古いタイプのひとつであり、購入、販売、または他の何かを行うために、そのオーディエンスの行動に影響を与えることを目指しています。
広告の中でも「優れた広告」と呼ばれるものは、消費者に対する影響力があったり、人々の記憶に残りやすく、時には衝撃的なインパクトがあるようなものであったりします。
広告の仕組みとは?
広告の原理は至ってシンプルです。
消費者に販売する商品やサービスに興味を持ってもらうことです。
興味を持たせた後、それまで買おうと思っていなかった人にも、買ってもらえるように説得することが広告の目的なのです。
広告は、心理学を利用して商品やサービスに対する人々の考え方や感じ方に影響を与えることで機能します。
また、それらの目的は広告キャンペーンに応じて変化します。
それらを把握することは広告の制作にも、制作を依頼する際にも欠かせないことですので、ここで確認しておきましょう。
・ブランドの認知度向上
・潜在顧客を顧客にする
・新製品・既存製品の販売促進
・新製品や新サービスを市場に導入したい場合
・競合商品との差別化
また、広告はテレビや新聞だけではなくインターネットからビルの看板まで、さまざまな方法で実施することができます。
TVCM、ビルボード、ブランドのTシャツ、ソーシャルメディアなど。
メディアは異なったとしても何かを宣伝するとするならば、それはすべて広告としてカウントされます。
広告主とは?
広告主とは、商品やサービスの広告を担当する企業の人々です。
彼らは、ブランドの商品やサービスに関するメッセージを促進し、そのブランドに対する一般の人々の好みを構築します。
「広告主」は、看板、雑誌、ウェブサイト、モバイルアプリケーションなどの広告に費用を支払っている事業者を指すこともあります。
広告主は、広告のビジネスを考える上で非常に重要な存在ですので、広告主から「広告を出す価値がない」「この広告は効果がない」と判断されたら、
広告を担当している会社は大変なことになります。
広告主はすべてマーケターですが、マーケターがすべて広告主というわけではありません。
では、広告とマーケティングの違いについて、もう少し掘り下げて考えてみましょう。
広告とマーケティングの違いとは
マーケティングとは、企業がどのようにブランドの認知度を高め、顧客に購買意欲を持たせるかという全体像を示すものである一方、
広告では、このような大きな目標に向かって「メッセージ」を発信することがメインとなります。
広告はマーケティングの一部であり、顧客とのコミュニケーションの総称なのです。
ですので、広告はマーケティングの一要素に過ぎないのです。
企業の包括的なマーケティング戦略には、通常、広告プランが含まれます。
広告の部分は、顧客に行動を起こしてもらうための説得力のあるメッセージを作成し、それらを公開する為の具体的なプロセスにズームインしています。
広告の歴史
広告は、通貨と貿易を除けば、最も古いビジネスの分野のひとつと言っても過言ではないかもしれません。
何かしらの製品やサービスが生まれると、商人はそれを知らせる必要性があることに気づいたのでした。
正確には、古代エジプトの印刷広告で、逃亡した奴隷の捕獲と返還を宣伝したものが「広告」の誕生でした。
ちなみに、この広告には奴隷の持ち主の店(敷物業)も書かれており、本来は自分の店先も宣伝するものだったのです。
奴隷は捕まりませんでしたが、絨毯の持ち主は広告という全く新しい方法で集客する方法を発見したのでした。
さて、話は4,000年前にさかのぼります。
過去5世紀にわたる広告の歴史を簡単に見ていきましょう。
1472年:ロンドンの教会のドアに最初のポスター広告が貼られる。
1650年:初の新聞広告「盗まれた馬12頭に報酬を」が掲載される。
1704年: ボストン新聞が、読者に広告を掲載するよう呼びかける。
1870年:広告コピーのパワーズスタイルが誕生。
このスタイルはパンチが効いていることがポイントでした。
短く、ポイントが明確で、真実を語っており、そして説得力があるものでした。
パワーズは、消費者がなぜあなたの製品やサービスを買うべきなのかに焦点を当てるべきであると言い、このメッセージは今日でも十分通用するものであると考えられています。
1880年:この時代にハガキは、顧客にアプローチするための最もホットな方法のひとつとなった。
1902年:ユニリーバが、J・ウォルター・トンプソンにライフブイ・ソープの広告を依頼し、「広告史上最長のクライアントとエージェンシーの関係」を構築したのでした。
1902年:Mellins Foodは、25機の飛行船で広告を出し、この手法は後に定番となりますが、この方法をとった最初のブランドとなりました。
1904年:キャンベル・キッズが誕生し、広告の焦点を単発、単一広告からキャンペーン広告へと変化させるきっかけとなりました。
1922年:ラジオ広告が誕生し、企業は10分間を100ドルで購入できるようになりました。
2年後、ブランドはラジオ番組全体のスポンサーとなり、投資額を増やすようになりました。
このコンセプトは、後に “スポンサードコンテンツ “として知られるようになります。
1925年:広告主は、製品やサービスによって顧客がどんな喜びを感じるかに焦点を当て、より「感情」に訴えかけるようなコミュニケーションを制作するようになりました。
この古いフォードの広告は、まさにそれを象徴しています。
1975年:ビデオデッキが発売され、消費者は番組を映像を録画するようになり、その結果、広告はスキップされがちなものになってきたのでした。
1990年:コンピュータが普及し、家庭でもネットが利用できるようになり、500万以上の家庭がインターネットに接続するようになります。
1994年:初のスパムメールキャンペーンが開始される。バナー広告も登場。
1995年:ヤフーやアルタビスタなどの検索エンジンが誕生。1997年にAsk Jeeves、1998年にGoogleがそれぞれ続く。
2005年」YouTubeとFacebook(大学生の間でのみ)がスタート。
2008年:ブランドは、潜在顧客に対してオンラインで存在感を示すことの重要性に気づき始める。
2012年:オンラインビデオの視聴者数が約1億7000万人に。
2013年:PinterestやInstagramなどのサイトがソーシャルメディアが続々と登場し、そこにも広告が掲載できるように。
2020年」ソーシャルメディア、ポッドキャスト、ペイ・パー・クリック(PPC)など、デジタルプラットフォーム上での広告が急増。
広告のターゲティングやリターゲティングにおいて、顧客データがより大きな役割を果たすようになりました。
また、モバイル端末の普及に伴い、モバイル広告やSMSマーケティングがオフライン広告よりも活発化するように。
歴史は、広告が買い物習慣や消費者がどこでどのように時間を過ごすかと同じように、広告の概念も常に変化し続けると言うことを教えてくれるのです。
約140年前は、はがきが最新の広告形態でしたが、今日のブランドはFacebook Messenger用にチャットボットを構築し、
マーケティングと販売のプラットフォームに人工知能を統合するなどして、さらにテクノロジーの力を活用するようになっているのでした。
広告の世界では、物事が尋常ではないスピードで進みます。
次に、広告手法がどのように変化し、マーケターや広告主が今日何を使っているのかを見ていきましょう。
広告の手法について
広告には、さまざまな手法が存在します。
ここでは、さまざまな広告の種類と特徴についてご紹介いたします。
-プリント広告
ポスター、チラシなど、印刷されたプロモーションのことを一般的に「プリント広告」と呼びます。
また、新聞や雑誌の広告もプリント広告の一種です。
プリント広告をどのようにデザインし、消費するかは時代とともに変化してきましたが、特にデジタル広告が進化する中で、
プリント広告はメッセージが強く伝わる傾向にあると考えられています。
また、プリント広告はデジタルメディアと異なり、明確に追跡・分析することができません。
-ビルボードと公共交通機関の広告
看板広告は、プリント広告をはるかに超える大きなスケールであることがほとんどです。
看板広告や公共交通広告は、その大きさゆえに、デザイン、配置、コストなどが一般的なプリント広告とは異なります。
たとえば、看板は、視聴者が車や電車で通過しながら、メッセージを目にする時間を持てるように、一般的に短く、インパクトがある単語を使用して設計されています。
また、これらの広告はブランドの認知のために使用されることがほとんどです。
-テレビコマーシャル
テレビコマーシャルは、テレビ番組やネットワーク番組の視聴者を獲得しようとする企業や組織が開発し、費用を負担する短い広告です。
テレビ広告はテレビの発明以来存在し、その後ストリーミングテレビの誕生で大きく変化しました。
プリント広告や一部のデジタル広告でできないこととして、テレビ広告では広いリーチ(数百万人)を達成することができ、
さまざまな層の視聴者にメッセージを届けることができました。
一方、テレビ広告は高価で、視聴者から避けられ、他のチャンネルほど正確にターゲットを絞ることが困難です。
-ラジオ
ラジオ広告は、ラジオチャンネルで音楽や他の番組の間に放送される音声広告スポットを指します。
この方法は、商業ラジオが最初に放映された1920年にさかのぼります。
ラジオ広告は、特に地方や地域の広告に威力を発揮します。
-イベント広告
イベント(対面式とバーチャルの両方)は、ブランドや製品を宣伝しながらオーディエンスとつながる絶好の機会です。
現在では対面式のイベントの開催が難しいことから、バーチャルを活用したイベントも盛んに行われています。
イベント広告のもうひとつの形態は、イベントのスポンサーになったり、カンファレンスやトレードショーでブースを購入したりすることです。
これは、自社でイベントを開催するよりも安価ですが、オーディエンスの関心を引き、ブランドを宣伝することができます。
-ダイレクトメール
ダイレクトメール広告は一般的にDMと呼ばれ、ハガキやパンフレット、カタログなどをターゲットの家に直接郵送するものです。
ダイレクトメールの広告戦略は、このリストの他のものよりもパーソナルなコミュニケーションになりますが、紙を使用することから高価になりがちです。
-デジタル広告
今日現在、インターネットを利用している人の数は40億人を超えています。
また、この数字は2005年に比べて300%も増加しており、今もなおインターネットの利用は急増しており、その勢いは止まりません。
あなたがオンラインで広告を出していない場合、あなたは曲線の後ろにいることになってしまうでしょう。
インターネットはあなたに世界の人口の半分以上への直接アクセスを提供するだけでなく、広告を出すために非常に多くの異なる広告の種類とチャネルを提供しています。
マーケティング担当者は、現在、複数の予算と複数の方法で、複数の前線でターゲットオーディエンスに到達するための柔軟性を持っています。
また、広告戦略の実行を支援するツールも数多く存在します。
ここでは、オンライン広告の最も一般的な方法を紹介します。
-検索連動型広告
Google、Yahoo、Bingなど、すべての検索エンジンには独自の有料広告があります。
これはペイ・パー・クリック、またはPPCと呼ばれ、キーワードに入札し、検索結果の上部または左右に広告を配置するものです。
誰かが検索エンジンでクエリを実行すると、広告主はオーガニック検索結果の上に広告を表示する能力を持っています。
これが、PPCが非常に強力である理由です。
-ソーシャルメディア広告
ソーシャルメディアプラットフォームは、コンテンツの価値を知っているからこそ、投稿のスポンサーやブーストのオプションを提供しているのです。
ソーシャルメディア広告は、あなたのメッセージをターゲットオーディエンスの前に表示し、彼らの関心を引き、クリックスルーし、購入するよう促します。
また、InstagramやYoutubeなどのソーシャルメディアプラットフォームは、利用者数が多いことからリーチ数も大きく狙うことが可能です。
もし、あなたがソーシャルメディアを活用して広告を展開していないなら、いくつかのソーシャルメディア広告を実行することを検討してみてください。
これらは、あなたの製品やサービスを宣伝するだけでなく、あなたのソーシャルメディアのページをさらに多くの人の目に映し、あなたのフォローを成長させるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は広告の歴史から手法まで、幅広くご紹介いたしました。
その時代のトレンドによって広告の形は変化を遂げていきますが、重要な本質は変わらないままです。
メッセージやビジュアルを通して、ターゲットである消費者に実際に商品の良さを伝えること、それが広告の最大の目的であり、使命なのです。
今回ご紹介した広告手法や歴史を踏まえて、あなたにしかできない広告コミュニケーションを創造してみてくださいね。