どのようなサービスや商品を販売するにしても、マーケティングはビジネスに欠かせない要素のひとつです。
実際にマーケティング戦略をうまく構築し、実践することができればその成果は目に見えて現れることでしょう。
ソーシャルメディアを活用するのか、インフルエンサーを活用するのか…
マーケティングの手法には様々な形態がありますが、その中でも効果は絶大にも関わらず、見落とされがちな手法があります。
それが、「クチコミマーケティング」なのです。
今記事では基礎的なクチコミマーケティングの概要からクチコミマーケティングを実施するにあたって抑えるべきポイントまで、幅広くご紹介いたします。
では、始めていきましょう!
CONTENTS
クチコミマーケティングとは?
クチコミマーケティング(World-Of-Mouthマーケティング)とは、消費者が企業の製品やサービスに自ら興味を持ち、彼らの日常的な会話にそれらの情報が反映されることを言います。
クチコミマーケティングは、消費者の体験に基づく無料の広告であり、基本的には消費者が期待した以上の何かを体験した時に生まれることがほとんどです。
あなたにこんな経験はありませんか?
どこかのレストラン、もしくは買い物をしていて自分が予想していた以上の心のこもった素敵なおもてなしを受けたとします。
すると、人は自然に「こんな体験したことない!」「他の誰かに伝えたい!」と、思いますよね。
これがクチコミマーケティングの全てなのです。
また、「口コミ広告」とも呼ばれるクチコミマーケティングには、バズを狙うマーケティング、バイラルマーケティング、ブログマーケティング、エモーショナルマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングなどがあります。
〈キーポイント〉
・クチコミマーケティングは、消費者が友人や家族、親しい間柄の人に企業の製品やサービスについて話すことによって起こります。
・消費者の92%が従来のメディアよりも友人を信頼していることから、クチコミマーケティングは最も強力な広告形態のひとつであると言えます。
・企業やブランドは消費者が期待する以上のサービスや製品を提供することを意識し、顧客体験を高めることでクチコミマーケティングを促進することができる。
クチコミマーケティングを深く理解しましょう
クチコミマーケティングは、消費者から企業のサービスや製品について自然にクチコミされるのとは異なり、企業がプロモーションやPRなど何らかの影響を与えた結果、クチコミが発生することを言います。
(別名「シーディング(=種まき)」と呼ばれます。)
また、クチコミマーケティングはうまく機能すると、その後のクチコミが連鎖的に発生する傾向があります。
では、企業はどのようにしてクチコミを発生させることに勤めれば良いのでしょうか?
最も良い方法は、常にサービスの質を保ち、消費者が予想できる期待を上回るでしょう。
最も具体的な例としてはディズニーランドが挙げられます。
「夢の国」と呼ばれるディズニーランドでは、常に顧客の期待以上のサービスが提供されていることから、ディズニーランドを訪れる人を虜にしてしまうのです。
その他にも、もしあなたの企業が製品などを提供している場合はインフルエンサーを雇ったり、
消費者の間でその商品が会話のきっかけになるような話題のネタを提供するなどして会話を促さなければなりません。
このようなソーシャルメディアを利用したカスタマーサービスは、シームレスな情報の共有とプロモーションを可能にします。
企業が注意しなければいけないことは「嘘のクチコミ」を集めないようにすることです。
例えば、商品を有名なインフルエンサーや有名人に宣伝してもらう際に「提供」「プロモーション」ということを伏せたまま商品を紹介してもらうと、
それはステルスマーケティングになってしまいます。
また、自分で書いた嘘のクチコミやお金でクチコミを沢山集めてしまうと、それは全て捏造したクチコミになってしまうのです。
このような問題に関して、Word of Mouth Marketing Association (WOMMA)は、業界の倫理規定を作成しました。
最良の口コミマーケティング戦略は、
「信頼性があり、社会的で、再現性があり、測定可能で、尊敬に値する」もので、不誠実な行為は許されるべきでないのです。
クチコミマーケティングの専門家であるAndy Sernovitz氏は、Word of Mouth Marketing Association の倫理規定を、問題を回避するための3つの重要なルールに落とし込んでいます。
そのルールとは、
・誰を代表しているかを言うこと(常にブランドと宣伝者の関係を開示すること)
・自分が信じていることだけを言う(意見を正直に言う)
・自分が誰であるかについて嘘をつかない(自分の身元について正直であること)
クチコミを生み出すには?
クチコミマーケティングの基礎がわかってきたところで、次はクチコミそのものの生み出し方についてご紹介いたします。
・あなたのブランドや製品に合った小さなプレゼントで、現在の顧客に感謝の気持ちを伝える。
→どんな人でもプレゼントを贈られることが嫌いな人はいないように、顧客も同じなのです。
顧客が予想していないタイミングで、彼らの期待を超えるプレゼントを贈ることで彼らを感動させ、それらをクチコミに繋げることができるのです。
また、プレゼントを贈ることはクチコミ以外の効果も期待できます。
例えば、ある顧客はそのプレゼントに関する投稿をソーシャルメディアにアップするかもしれませんし、ある顧客はそのプレゼントを日常的に使用するかもしれません。
このように、顧客がそれらを他の人の目に映る場所に拡散してくれることが期待できるのも、プレゼントを贈る強さのひとつなのです。
・人々が共有したくなるような、役に立つ、面白い、話題になるようなコンテンツを作成する。
→クチコミに必要なこと、それは消費者に「誰かに共有したい!」と思ってもらうことです。
その為には実際に彼らの役に立つ、もしくは純粋に面白いと思ってもらわなければなりません。
・ウェブサイトに共有ボタンを設置し、コンテンツを簡単に共有できるようにする。
→素敵なコンテンツを作ったらそれらを共有しやすいようにウェブサイトに工夫を加えましょう。
もし、あなたが制作したコンテンツが素敵なものだとしてもシェアするまでの行程がわかりにくいとシェアにつながらないかもしれません。
・顧客が情報を友人と共有するためのインセンティブを設ける。
→クチコミを共有した際に、お得なクーポンや次回使えるクーポンを顧客に与えることで彼らは進んでクチコミを投稿するようになるでしょう。
もちろん特典が無くてもクチコミを書いてくれる顧客も居ると思いますが、何かしらのベネフィットがある方が彼らは進んで投稿するようになるのです。
・紹介された新規顧客にも、ちょっとした特典をプレゼントする
→クチコミを書いてくれた顧客だけでなく、新しく紹介された新規顧客にも何かしら特典があるようにしましょう。
そうすることで、クチコミを書いたり情報を拡散する側もこれらの情報を紹介しやすくなります。
クチコミマーケティングをもっと促進させるには?
もちろん、これらの戦術は人々が話題にする「理由」を提供するビジネスを構築しなければうまくいきません。
では、それを実現するにはどうすればいいのでしょうか?
ここではいくつかのアイデアをご紹介いたします。
名前を覚えてもらう
→顧客一人ひとりがブランドにとって特別で大切な存在であると感じてもらえれば、彼らはあなたの名前を覚えるだけでなく、その経験を他の人に話してくれる可能性が高まります。
期待以上のものを提供する
→例えば、商品を購入するたびにちょっとしたプレゼントを用意したり、「せっかくだから」とサービスをグレードアップしたり、ランチを利用した人に無料のデザートを提供するなどしても良いかもしれません。
良いサプライズは、人々の話題になります。
アクティビティを企画する
→店内でのワークショップやトランクショー、有名人のイベントなど、顧客を招待してイベントを行っても良いかもしれません。
このように特別な体験を生み出すことで顧客がお店に来ることを楽しみにし、ソーシャルメディアでそのことを話したくなるようにします。
口コミマーケティングは、見込み客や顧客を喜ばせること、そして、同じような考えの顧客を引きつけるようなインセンティブを与えることが重要なのです。
クチコミ広告の知られざるパワーとは?
- 信頼とブランドの知名度アップ
実際に買い物客の75%が何かを購入する際にオンラインレビューや、他の消費者によって共有されているコンテンツを通じて商品を評価し、発見しています。
これほど多くの人が他の人の称賛を参考にしているということは、クチコミマーケティングの重要性がよくわかりますよね。
会話の量が、認知度を高めるためにどのような影響を与えるかを考えてみましょう。
ソーシャルメディアでは、肯定的な言及が多ければ多いほど良いということは明らかです。
- 本物志向で顧客に有意義な影響を与える
クチコミマーケティングは「レビュー」が全てではないことを心に留めておきましょう。
むしろ、現代ではソーシャルメディア上でオススメされたり、間接的に褒められたりすることの方が大きな力を持つかもしれません。
バザーボイスが最近行った調査によると、日常的に目にしているソーシャルメディアユーザーからの推薦(36%)が消費者にとって最も有意義であり、インフルエンサーや専門家をも圧倒的に上回っていることが判明しました。
- 長期的なブランドロイヤリティの獲得
顧客との関係を築き、ブランドへの忠誠心を高めるにはオーディエンス同士の会話を促進することが非常に重要です。
多くのeコマースブランドが、UGC(ユーザー生成コンテンツ)やハッシュタグキャンペーンに積極的に取り組み、顧客に写真やレビューの共有を求めるのには理由があります。
それはファンがファンを生み出すことほど、経済的かつ効果的なことはないからなのです。
レビューがクチコミ広告に与える影響とは?
クチコミ広告は様々な方法で構築することができます。
しかし、最良の方法のひとつは「肯定的な顧客のレビューを獲得すること」です。
さらに、良いレビューはあなたのブランドの社会的証明を構築し、オンライン上の評判を高めるのにも役立ちます。
また、顧客からのレビューは、他のチャネルやプラットフォームへの展開も可能にします。
例えば、誰かが食べログにあなたのレストランに関するレビューを書いたとします。
そのレビューは、他のチャネルでもシェアしても良いかもしれません。
例えば、顧客からのレビューを一部Webサイトの「お客様の声」に掲載したり、ソーシャルメディアで紹介しても良いかもしれません。
その他のクチコミマーケティングに関連する用語
主要なビジネス戦略として、クチコミマーケティングは他の多くのマーケティングコンセプトと一緒に見られることがあります。
ここでは、一般的によく目にする他のマーケティング方法についていくつかご紹介いたします。
バズマーケティング
→バズマーケティングとは、主に広告やインフルエンサーに自社ブランドに関する話題を広めてもらう方法です。
ビデオやミームなど、注目を集める手法を使って、特定の製品やキャンペーンを中心にバイラルな成長を遂げ、オンライン上で話題を集めることに重点を置いています。
バイラルマーケティング
→バイラルマーケティングとは、既存のネットワークを利用して、人から人へ情報を素早く拡散させるマーケティング手法のことを言います。
オンラインやソーシャルメディアを利用し、思わず人に伝えたくなるような魅力的なコンテンツを提供することが多く見られます。
ブログマーケティング
→ブログマーケティングとは、インフルエンサーやブランドアンバサダーがブログで情報を発信し、口コミで広めていく方法のことを言います。
戦略的な広告や提供としてのコンテンツ投稿によって、ブロガーが作成したコンテンツはすぐにフォロワーに伝わり、フォロワーはそれを友人にシェアするのです。
適切なブログを制作することで、ブランドはかなりの量のクチコミマーケティングを生み出すことができるのです。
ソーシャルメディア・マーケティング
→ ハッシュタグと迅速なシェアのおかげで、ソーシャルメディア上で作成されたコンテンツは、元のグループのフォロワー以外の人々にも到達することができるのです。
そして、これまで見てきたように共有されたコンテンツは、人々が知っていて信頼している人からのものであれば、より高い価値を持つようになるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はクチコミマーケティングの全てをご紹介いたしました。
ソーシャルメディアが発達する現代において、どの消費者も他者の意見を参考にして購買行動をおこないます。
そんな中で大切なクチコミをどのように生み出すのか?そして、それらを有効活用するにはどうすべきなのか?
様々なブランドがUGCを生み出す為に色々な角度から施策を行っています。
そんな中、少しでも目立つ為にもあなたのブランド、企業にしかできないクチコミマーケティングを実施してみてくださいね。