【マーケター必見】B2Bマーケティング ビギナーズガイド

マーケティングというと、消費者向けのB2Cマーケティングを思い浮かべることがほとんどかもしれません。

しかし、マーケティングはターゲットが企業やビジネスパーソンというようなB2Bマーケティングも存在します。

しかし、多くの記事やeBookなどではB2Cマーケティング向けの内容が多いのではないでしょうか?

今記事ではB2Bマーケティング戦略をどのように作成し、どのような戦術を使用すべきかをご紹介するだけでなく、B2Bマーケティングの成功事例をいくつか紹介します。

B2Bマーケティングとは?

B2Bマーケティングとは?

B2Bマーケティングとは、Business to Business Marketingの略で、企業や組織に向けて何か製品やサービスを宣伝することを言います。

B2Bマーケティングは、自分自身のためではなく、組織を代表して、あるいは組織のために購買を行う個人のニーズ、

関心、課題を対象としているので顧客が「一般消費者」ではなく組織もしくは企業となるのです。

B2CマーケティングとB2Bマーケティングの違いとは?

B2CマーケティングとB2Bマーケティングの違いとは?

B2Cマーケティングとは、Business to Consumer Marketingの略で、個人(個人で使うものを購入する人)に対して商品やサービスを宣伝することを指します。

例えば、ユニクロで服を買ったり、アップルストアでiPhoneを買ったりすることも個人的な購買行動ですね。

しかし、企業が会社の経理管理に使うクラウドサービスやシステムセキュリティーなどのサービスはB2B向けの商品になってきます。

このように、B2BとB2Cのマーケティングは相反するもののように思えますが、相互に排他的ではありません。

多くのビジネスが、他のビジネスや消費者に物やサービスを販売しています。

例えば、地元のケーキ屋さんは、よく歩いて来る、近くに住んでいるであろうお客さんにケーキを売りながら、

ビジネスイベントでは企業が来場者に配るように焼き菓子を大量に提供することもあります。

このようなビジネスは、両方のタイプのマーケティングを行わなければならないのです。

しかし、「B2Bマーケティング」という言葉に惑わされる必要はありません。

B2Bマーケティングにおいても、B2Cマーケティングにおいても、ビジネスは基本的に「人」に対するマーケティングやセールスを行うことになります。

では、B2CマーケティングとB2Cマーケティングを比較する上でどのような部分に意識を向ければ良いのでしょうか?

その大きな違いは、B2Cマーケティングでは意思決定者が1人、つまり1人の消費者が意思決定をするということです。

しかし、B2Bマーケティングでは、通常多くの意思決定者(チーム、部門長、CEOなど)が関与します。

つまり、購入の意思決定をするまでに、B2Cマーケティングの顧客よりも より多くの時間、教育が必要となってくるのです。

まずは、このことを理解することがB2Bマーケティングを理解する上で一番大切となってくるので、最初にここを押さえておきましょう。

B2Bマーケティング戦略の作り方

B2Bマーケティング戦略の作り方

Googleで「B2Bマーケティング」と検索すると、使える「戦略」のリストが表示されるかもしれません。

しかし、実際のところそれらは戦略ではありません。「戦術」なのです。

あらゆるB2Bマーケティングの戦術を壁に投げつけ、どれかが定着することを願うのは無理な話です。

それはものすごく非効率的で、時間とリソースの無駄遣いになりかねません。

ですので、まずはB2B戦略を組むための基礎的な知識を学習し、それに合わせて使用する戦術を決定しましょう。

  1. ターゲットとする顧客を決める

ターゲットとする顧客を選ぶには、まずは以下の6つの質問を自問自答してみることから始めましょう。

・あなたの製品は、その層が求めているものと合致していますか?

・あなたの製品は、そのセグメントの求めるものと合致していますか?また、そのセグメントの市場シェアを拡大することが、あなたに最も大きな価値をもたらしますか?

・そのセグメントのシェアを拡大するための営業・マーケティングリソースはありますか?

・そのセグメントのシェアを拡大することは、どの程度困難ですか?

・そのセグメントは、他のセグメントに影響を与えますか?もしそうなら、どのように影響しますか?

・新しいセグメントに焦点を移した場合、どのようなトレードオフが考えられますか?

理想的なターゲットセグメントは、利用可能なリソースがあれば、最も収益性の高いセグメントなのです。

B2Bマーケティングでは、貴社の製品やサービスを利用している顧客が実際の商品を購入する担当者であるとは限らないということも覚えておいてください。

例えば、SEO担当者は御社のツールセットを使用しているかもしれませんが、最終的な意思決定者はマーケティングの責任者かもしれませんし、CFOであるかもしれません。

ターゲットとするセグメントの業界における購買プロセスの仕組みを把握するために、市場調査を行うようにしましょう。

  1. 製品・サービスのポジショニング

ポジショニング・コンサルタントのエイプリル・ダンフォード社によると、ポジショニングとは「定義された市場が大いに関心を寄せる何かについて、

自分がいかにベストであるかを意図的に定義する行為」であるという。

ポジショニングが良ければ、顧客はあなたの製品・サービスが何なのか、なぜ特別なのか、なぜ彼らにとって重要なのかを簡単に理解することができます。

これは、顧客があなたを価値のある製品を提供しているブランドであると評価するのに欠かせない情報です。

ですので、この点を明確に定義しないままに市場に参入してしまうと、顧客はあなたの製品・サービスやブランドを誤って理解し、

あなたが思ってもいないポジションにブランドが位置してしまう自体を作り出してしまうことにもつながります。

また、良いポジショニングは、競合との差別化につながります。

場合によっては、ターゲットとなる市場が競合他社をどのように認識しているかにまで影響を与えることができるかもしれません。

では、どのように製品・サービスをポジショニングすればよいのでしょうか?

ステップ1

あなたの最高の顧客が誰であるかを理解する。

ステップ2

ポジショニング・チームを結成し、チームや部署を越えてポジショニングの語彙を揃える。

ステップ3

競合他社をリストアップする。

ステップ4

自社の製品/サービスをユニークにする属性や特徴を把握する。

ステップ5

これらの属性や特徴の真価を見極めましょう。それらの特徴や価値は顧客のために何をもたらすのかを明確にする。

ステップ6

あなたのユニークなバリュー・プロポジションに最も関心を持つターゲット・マーケットを見つけよう。

また、このポジショニングステップや工程は、全チームで共有できるように常時データ化もしくは文章化しておきましょう。

また、複数の顧客セグメントをターゲットにしている場合は、それぞれの顧客セグメントに対して異なるポジショニングを作成するようにしましょう。

  1. 明確な戦略目標を設定する

戦略を確実に機能させるためには、「どこに向かうべきか」を知る必要があります。

それが目標設定の重要なポイントなのです。ターゲットとするセグメントごとに1つか2つ設定し、SMARTの基準に合わせてください。

Spesific:具体的 – 望ましい結果を明確に述べ、誰が、何を、いつ、いくらで、などといった質問に答える。

Mesurable:測定可能 – 主要業績評価指標(KPI)で進捗を確認できること。

達成可能な目標 – 目標は大胆に、しかし現実的に、現在の成長をベンチマークとする。

Reratable:関連性 – 各目標がマーケティングおよびビジネス戦略全体と整合性があることを確認する。

Timely:タイムリー – 目標を達成するための期間を設定します。

例えば…

2022年末までに、オーガニックトラフィックを30万から70万に増やす。

このように、具体的な数字と期間を決めた目標を設定するようにすることで、戦略を逆算することも可能となってきます。

  1. 使用する戦術を決定する

戦略をしっかり構築することができて初めて、どのような戦術を使うかを検討し始めることができます。

ここではOn Deck社のマーケティング・ディレクターであるDavid Fallarme氏のメンタル・モデルを使って、戦術について考えていきましょう。

現実世界でも、基本的に動物を狩るためには、それらの動物を狩るのに適切な狩猟道具を使う必要があります。

ですので、まずはあなたが狩ろうとしている動物はどのタイプの動物なのかを明確にしましょう。一般的には、次のいずれかです。


画像出典:https://www.themarketingstudent.com/go-to-market/

 

ゾウ – 年間数十万ドルの価値

シカ- 年間数万ドルの価値

ウサギ – 年間数千ドルの価値

ネズミ – 年間数百ドルの価値

ハエ – 年間数ドルの価値

あなたの狩りたい動物(ターゲット顧客)はどれでしょうか?

それが明確になったら、ここから、どのような猟具が必要かを決めていきます。それらは大きく分けて3種類あります。

ヤリ – 営業やビジネス開発など、「人」が直接関わるスキルが必要なもの。企業顧客をターゲットとするビジネス向け。

網(ネット) – コンテンツ・マーケティングのように、一度に多くの潜在的なターゲットを引き寄せることのできるもの。中小企業をターゲットにしたビジネス向け。

種(シード) – 製品やサービスによって種をまき、顧客基盤が自力で成長する。

例としては、口コミなどが挙げられる。中小企業や消費者をターゲットにしたビジネス向け。

戦術のポイントはそれだけではありません。

あなたが実際に使う戦術は、ターゲット顧客が「情報を消費する方法」と一致しなければなりません。

例えば、あなたのサービスを使用しているであろう潜在顧客がポッドキャストを使用していないのなら、ポッドキャストで宣伝をしても効果は0です。

あなたのターゲットがどこで情報を得ているのか、そして彼らはどのような形の情報を望んでいるのか。

それらを明確に把握した上で戦術を選ぶようにしましょう。

B2Bマーケティング戦術

B2Bマーケティング戦術

ここでは、B2Bマーケティングを実施するにあたってよく使用され、あなたのマーケティング戦略でも使用検討に値する戦術をいくつかご紹介します。

  1. SEO主導のコンテンツマーケティング

これは、私たちがAhrefsで使用している主要な戦術です。簡単に言うと、ターゲットとなるお客様が検索しているトピックを中心にコンテンツを作成します。

コンテンツマーケティングは潜在顧客が検索しているトピックを中心にコンテンツを制作するマーケティング方法のことを言います。

そこで重要になってくるのがSEOなのです。

SEOとはsearch engine Optimizationの略で、検索されたワードに対して自身のコンテンツを表示させやすくするための手法のことを言います。

  1. メールマーケティング

メールマーケティングの前提はシンプルで、潜在顧客の連絡先を収集し、ブランドメッセージをメールで送ることです。

まず、ターゲットとなる顧客の連絡先を集めましょう。

顧客情報を集めるために、無料のeBookを制作したり、テンプレートもしくは無料学習コースを提供しても良いかもしれません。

  1. アカウントベースドマーケティング

アカウントベースドマーケティング(ABM)とは、B2Bマーケティングの一種で、マーケティングとセールスを連携させ、特定のターゲットアカウントにリーチすることに重点を置いたマーケティングである。

ABMでは、ターゲットとなるアカウントをマーケット・オブ・ワンと考え、リードの数よりもアカウントの質を重視するのです。

  1. デジタル広告

デジタル広告は、Facebook、Twitter、YouTubeなどのプラットフォームにお金を払い、そのプラットフォームから自社サイトへトラフィックを誘導するという分かりやすいものです。

直接的で、測定可能で、スケールすることが期待できます。

リードジェネレーション、コンテンツプロモーションなど、あらゆるマーケティングキャンペーンに利用することができます。

有料広告を利用することで、潜在的な顧客に対して、あなたのブランドが提供しているサービスや製品がいかにターゲット顧客に適切であるかを説明することができれば、

そのデジタル広告の効果は期待できるかもしれません。

  1. パブリック・リレーションズ(PR)

著名で権威ある出版物やウェブサイトに掲載されることで、ブランド認知度の向上、信頼性の構築、紹介トラフィックの促進、

ターゲットオーディエンスのエンゲージメントを得ることができます。

  1. イベントや展示会の開催

やはり、人は人に会うことで心が動かされるのではないでしょうか?

マーケティング戦術でも、直接会うことに勝るものはないと言っても過言ではありません。

そのため、特に大企業に向けて何か製品やサービスを販売する場合、イベントの開催は生産的なマーケティング・チャネルになりえます。

イベントを開催することは、あなたのブランドを大きく押し上げることになるが、必ずしもそうする必要はないのです。

ひとつのブランドとして、他のイベントに参加することにも大いに価値があるのです。

例えば、あなたがテクノロジー関係の会社のCEOなのでしたら他のテックイベントにゲストスピーカーとして出ても良いかもしれません。

必要な専門知識や経験があれば、専門家としてパネルやスピーカーとして登場することも会社のためのマーケティング戦術のひとつとして考えられるでしょう。

  1. ソーシャルメディアを活用する

ソーシャルメディアの活用は、B2Cマーケティングに比べるとB2Bマーケティングにはそぐわないように思われるかもしれませんが、

B2Bマーケティングも結局は「人と人とのマーケティング」であることを忘れてはいけません。

意思決定者の肩書きや立場に関係なく、彼らはソーシャルメディアを日常的に使っているかもしれません。

もちろん、それらのターゲットが多くいる場所を狙い撃ちする必要はあります。特にB2BならLinkedinやTwitterが効果的なプラットフォームになりうるかもしれません。

B2Bマーケティング事例

B2Bマーケティング事例

こちらでは、B2Bマーケティングの成功事例をご紹介いたします。

  1. HubSpot – インバウンドマーケティング

HubSpotのマーケティング手法は至ってシンプルです。

・ターゲット顧客が検索するキーワードで上位に表示されるコンテンツを作成。

・メールの登録を促進するためのコンテンツアップグレードを提供する。

・営業チームがこれらのリードに接触するように設計。

現在、HubSpot のブログは、月間 770 万件のオーガニック検索訪問を生み出していると推定されます。

  1. MeetEdgar – ポッドキャストへの出演

MeetEdgarは2014年に設立されたソーシャルメディアオートメーションツールです。

2019年には、ARRが$2Mを超えたことをシェアしています。

その主な戦略は、ポッドキャストでの出演なのです。

創業者のLaura Roederは、ターゲットオーディエンスである起業家やマーケターがポッドキャストを聴いているという情報をもとに、

そこで関連するポッドキャストに出演することで、自社のプロモーションを行い、これらのサイトからのリンクを獲得することができるように戦略を組み立てたのでした。

結果が数字に出ているということは、その仮説は効果があったということですね。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はB2Bマーケティング戦略からそれを実現するために活用できる具体的な戦術、事例までをご紹介いたしました。

B2Bマーケティングは一見、B2Cマーケティングと比べると選択肢が少ないように思うかもしれませんが、実はできることが多いのです。

もちろん、コミュニケーション方法や戦術の種類に少しの差はあるかもしれませんが、B2CもB2Bもどちらも「人」を相手にすることには変わりはありません。

今回ご紹介したB2Bマーケティングのポイントをぜひ、あなたのマーケティング戦略でもご活用くださいね!

 

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著者紹介

代表取締役CEO
1985年生まれ。岩手県出身。
SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。