【マーケター必見】Cookieレス時代に向けて、デジタルマーケターはどう向き合うべき?

Googleが発表したChromeブラウザーでのサードパーティCookie廃止のニュースは多くのデジタルマーケターにとって大きなニュースだったことでしょう。

Cookieのは広告リターゲティングやデジタルマーケティングでは欠かせない技術であり、

現代のデジタル社会ではCookieは欠かせない存在でした。

今記事では、Cookieレス時代へ向けてデジタル業界の流れに遅れないために、業界の動きを理解し、

現状を踏まえた上で今後の動きを先読みできるようCookieについて基礎から解説いたします。

Cookieレス時代に向けて、デジタルマーケターはどのように対応すべきなのか?

一緒に考えていきましょう!

Cookieとは?

Cookieとは?

そもそもCookieとは?

そもそも、Cookieとは一体何のことなのでょうか?

Cookieとはウェブサイトにアクセスしたユーザーの様々な情報を保存する仕組みのことを言います。

では、Cookieはユーザーのどのような情報を保存するのでしょうか?

・あなたがそのウェブサイトにどれだけ居たか(ウェブサイト滞在時間)

・どのリンクをクリックしたか

・ログインする際にどのような設定をしたか(言語やオプション機能)

・どのページを訪れたか

・買い物かごに入れている商品(ECサイトの場合) etc

「え!こんなに私の情報を収集していたなんて…いいよって言った覚えないんだけど…」

そう思われた方、このような文言を見たことがありますか?

「Cookieを承認しますか?」

そうなんです。これらの情報を集めることの許可を尋ねていたのがこちらの私たちがネットサーフィンをしている時によく見かける文言だったんです。

例えば

・Amazonで随分前に購入を検討して、結局購入までに至らなかった商品が買い物かごに入っている。

・最近、新しい家具を買おうと色々な家具サイトを見ていたら、バナー広告で家具の広告が沢山出てくるようになった。

これらは私たちがさまざまさウェブサイト上でCookieを利用しているがゆえに起こっているのでした。

Cookieの種類

では、もう少しだけCookieについて詳しく見ていきましょう。

Cookieには2つ、種類があります。

・1st party Cookie:ファーストパーティーCookie

・3rd party Cookie:サードパーティーCookie

まずはファーストパーティCookieについてご説明いたします。

ファーストパーティーCookieとは?

ファーストパーティーCookieとは、ユーザーが訪れたウェブサイトのドメインから直接発行されるCookieのことを言います。

例えば、ファーストパーティークッキーが与えられることで、

ユーザーは一度入力したユーザー情報(パスワードや名前など)を再入力する必要なく、そのうぇぶサイトにログインをすることが可能となります。

では、サードパーティーCookieはファーストパーティCookieとどのような点が異なるのでしょうか?

サードパーティーCookieとは?

サードパーティーCookieとは、ユーザーが訪れたウェブサイト以外のドメインから発行されるCookieのことを言います。

複数のブラウザやウェブサイトを横断してCookieを発行する事ができるため、ユーザーの行動を分析してデジタル広告を配信することができる”ターゲティング広告”で活用されています。

ですので、冒頭にあった

・Amazonで随分前に購入を検討して、結局購入までに至らなかった商品が買い物かごに入っている。

・最近、新しい家具を買おうと色々な家具サイトを見ていたら、バナー広告で家具の広告が沢山出てくるようになった。

これらはどっちのCookieが使用されているかもう、わかりますよね。

Amazonで自分の情報が記憶されている状態は、ファーストパーティーCookieを使用しており、

自分の興味関心があるものがデジタル広告として頻繁に表示されるのはサードパーティーCookieが使用されているからなのです。

なぜ、Cookieレスが起こるのか?

なぜ、Cookieレスが起こるのか?

広告主やマーケター側からすれば、顧客の興味関心や動向が数値やデータで分かるものは、絶対に手放したくないものです。

しかし、一般消費者からすればどうでしょうか?

自分の個人情報そのものがシェアされているわけではなかったとしても、オンライン上での自らの行動が記録されていると聞くといい気分にはなりませんよね。

そして今、問題になっているのはサードパーティーCookieの使用についてなのです。

サードパーティーCookieの使用はユーザーの個人を特定することが目的ではないのですが、

事実、ユーザーのオンライン上での動きを収集する結果、そのユーザーの興味、関心、近々 買おうとしているものは何なのか…など、

個人情報に限りなく近い情報を収集できてしまいます。

そして、多くのユーザーがサードパーティーCookieによって自らのオンライン上での動きがトラッキングされていることを把握していないため、

知らぬ間に自分のSNSの広告が最近見たサイトに関連することで埋め尽くされていたりすることに、

嫌悪感を覚え、個人情報の取り扱いについて今一度、見つめ直された結果がCookie廃止に至った原因でもあるのです。

そして大切なことがひとつ!それは、Cookieレスという言葉が指すCookieはサードパーティーCookieのことです。

しかし、サードパーティーCookieは現代において、ほとんどのデジタル広告施策で活用されています。

実際にサードパーティーCookieが廃止されると、どれくらいデジタルマーケティングに影響を及ぼすのでしょうか?

デジタルマーケティングにおけるCookieの重要性

デジタルマーケティングにおけるCookieの重要性

Cookieの概念と役割についてはもうバッチリですね!

では、次にデジタルマーケティングにおいてCookieはどれほど重要なのかを見ていきましょう。

サードパーティーCookieのデータはデジタルマーケティング施策に欠かせないものです。
それら行動ターゲティング広告やコンバージョントラッキング、リマーケティングとサイトリターゲティングなどに活用されています。

実際にデジタル広告を作るにしても、ターゲットの年代選択、ターゲットの興味・関心を選択することは、施策の成功を左右する大きな要因でもあります。

また、サードパーティーCookieが使用できないとなると、パーソナライズされた広告を消費者に表示するアルゴリズムも使用できなくなります。

そのため、消費者に適した広告を表示させることが難しくなり、彼らにとって全く興味のない広告が表示される回数が増してしまうかもしれません。

Cookieレス時代でマーケターに求められること、それは顧客データをしっかりと保護しつつ、確実に成果をもたらすマーケティング施策を考えることかもしれません。

海外における規制の現状

海外における規制の現状

アメリカ

米国カリフォルニア州では、2020年1月に米カリフォルニア州消費者プライバシー法(California Consumer Privacy Act:CCPAと呼ぶ)が執行されました。

CCPAでは、カリフォルニアに住む消費者の権利を以下のように定めています。

1.企業は消費者によるリクエストがあれば自らが集める情報とその目的、および共有するサードパーティーを開示する必要がある。

2.企業は消費者によるリクエストがあればデータを削除しなくてはいけない。

3.消費者は自分のデータを販売しないよう求めることができ、企業側はそれに対し料金やサービス内容の変更によって報復してはならない。

4.企業はデータ収集のため金銭的なインセンティブを提供しても良い。

5.カリフォルニア州当局は違反した企業に対し罰金を科すことができる。

出典:https://data.wingarc.com/ccpa-2020-11972

EU

2018年5月にEU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPRと呼ぶ)が施行されており、EUはGDPRを以下のように定めています。

・IPアドレスやCookieのようなオンライン識別子も個人情報とみなされる。

・企業は個人情報を取得する場合、自らの身元や連絡先、処理の目的、第三者提供の有無、保管期間などについてユーザーに明記し、同意を得なければならない。

・大量の個人情報を扱う企業はデータ保護オフィサーを任命しなければならない。

・個人情報を使用する目的を達成するために必要な期間以上に個人情報を保持してはならない。

出典:https://service.plan-b.co.jp/blog/marketing/11567/

海外では2018年のEUを皮切りに続々とサードパーティーCookieの使用に対する法律やルールを定めてきました。

実際に各国におけるサードパーティーCookieに対する企業の対応状況を見ると、アメリカでは企業の約30%、

EUでは企業の約80%がCookieの使用に対する同意取得をウェブサイト上に表示させることをマストとし、国と企業の両者が積極的に対策を進めています。

しかし、日本では改正法の成立などが始まっているものの、企業で見ると未だに全体の約5%しかCookie対応ができていないのです。

Cookieレスとどう向き合うべき?

Cookieレスとどう向き合うべき?

Cookieレス時代はもう目前まで来ています。

大きな変化は怒る前にしっかりと準備しておくことで、チャンスにもなります。

では、このきたる大きな変化へ向けてマーケターはどのような心構えでいるべきなのでしょうか?

GoogleのサードパーティーCookie廃止について

Googleは2023年でGoogle ChromeのサードパーティーCookie使用を規制すると発表。

現在公開されている発表によると、2022年後半から段階的に規制を進め、2023年後半までにGoogle ChromeにおけるサードパーティーCookieが完全に排除される予定です。

Cookieレス時代で大きく変わること

Cookieレスが進んだ時、一番大きな影響を受けるのはデジタルマーケターであることは間違いありません。

例えば、ウェブサイトを訪問したユーザーを再度ターゲティングして広告を表示するリターゲティング広告はサードパーティーCookieが使用できなくなることで、

施策として機能しなくなります。

なぜかというと、デジタル広告を運用する際、そのほとんどがサードパーティクッキーを利用していることが多いからです。

また、第三者が運営するウェブサイトを訪問したユーザーのオンライン上での動きから、ユーザーをでもグラフィックで分類する、

彼らの興味関心などを収集・推測そしてそれらのデータを利用していた オーディエンスターゲティングも難しくなってきます。

ファーストパーティーCookieの重要性

Cookieレス時代で注目を集めるもの、それがファーストパーティーデータなのです。

ファーストパーティーデータは、ユーザー側から与えられるユーザーの生きた情報であり、

ポイントとなってくるのは、どのようにしてファーストパーティーデータを集めるかということなのです。

サードパーティCookieに依存せず、顧客のファーストパーティーデータを集めるには、CRMやCDPの導入を検討してみることも大切なポイントです。

CRMやCDPの両方に強い企業で言うとSalesforceがあげられますが、CDPに特化した企業ですとTreasuredataが現在、日本では多くの企業に利用されています。

また、サードパーティーCookieよりも信頼性の高いファーストパーティデータをきちんとデータとしてつなぎ合わせることで、

今まで見えていなかった顧客データを360°視点でより正確に把握することにもつながるのです。

これは、本当の意味でのパーソナライズされた顧客体験の創造を作り上げてゆくのに欠かせないステップなのではないでしょうか。

ひとつ注意しないといけないことがあります。それは、ファーストパーティーデータは生ものです。

アメリカの企業が行った調査によると、ブランドが保有するファーストパーティデータのうち、平均して毎年30%が陳腐化するというのです。

顧客自身の名前はそう簡単には変更されないですが、顧客の登録情報であるメールアドレスや電話番号、住所は簡単に変更されてしまう可能性がありますよね。

それらの情報が更新されないまま、マーケティング施策に活用されてしまうと顧客はあなたのブランドに不信感を抱く可能性があります。

そのためにも顧客データは頻繁にアップデートされたものが自社に蓄積されるよう”ファーストパーティデータを収集する方法”についても、

クリエイティブな案が必要になってくるかもしれません。

コンテキストターゲティングを広告に活用しよう

マーケターの伝統的な戦術である、コンテキストターゲティング。

コンテキストターゲティングは、広告を関連するコンテンツの横に配置します。

ユーザーが閲覧しているコンテンツや文脈、画像を元に広告が配信されるため、よりユーザーに親和性のある広告を配信することができます。

例えば、ユーザーAは最近、ボディメイクに興味があり体の鍛え方に関する記事を読んでいるとします。

この時点でこのユーザーAの興味は「筋トレ」「スポーツジム」「プロテイン」など、何かしらボディメイクに関することだという予想はつきますよね。

それらのキーワードを予想した上で、その記事内にスポーツジムやプロテインなどの広告を配信するのが、このコンテキストターゲティングです。

これは、消費者の閲覧履歴からターゲットを絞り、リターゲティングするのではなく、検索エンジンマーケティングにおけるキーワードによるターゲティングにすごく似ています。

より、一人ひとりのユーザーの興味関心に合った広告が配信できるのです。

まとめ

まとめ

マーケターの「真の力」が問われる時代へ

これまでのデジタルマーケティングは凄まじいスピードで進化してゆくテクノロジーや機能面に対してマーケター側がそれらの知識をインプットして、追いついてゆくことが基本でした。

もちろん、今後もテクノロジーの進化のスピードが落ちることは考えられないですし、常にキャッチアップが必要になることには代わりはありません。

しかし、今後求められるものは顧客に本当に刺さるものを創り出す力、そしてそれらを創るための強力なインサイトを発見できる力なのです。

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著者紹介

代表取締役CEO
1985年生まれ。岩手県出身。
SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。