今やビデオコンテンツはマーケティング戦略に欠かせないツールとなり、国内外問わず多くの企業がビデオマーケティングに取り組んでいます。
しかし、海外市場での成功は独自の課題があったり、地域によって最適なアプローチが異なることも。
そこで本記事では、国際的な展開を成功させている企業の海外ビデオマーケティング事例や、効果的な戦略・手法を深掘りします。
これらの事例を参考に、あなたのビジネスも海外市場で成功を目指しましょう！
CONTENTS
アメリカのスタートアップ企業モデル: ウェビナーの活用
アメリカのスタートアップ企業では、ウェビナーの活用がますます重要になってきています。
ウェビナーは、ライブや録画されたオンラインセミナーで、顧客やパートナーとのコミュニケーションや製品のデモンストレーションに役立ちます。
ここでは、アメリカのスタートアップ企業モデルにおけるウェビナーの活用方法について、具体例を交えながらご紹介します。
ウェビナーの活用方法
ウェビナーの活用方法はさまざまですが、本記事では以下の３つの活用方法に焦点を当てます。
- 顧客への製品紹介
- コンテンツマーケティング
- 社内研修・教育
顧客への製品紹介
アメリカのスタートアップ企業では、ウェビナーを活用して製品を顧客に紹介することが一般的です。
例えば、Zoom は、オンライン会議サービスを提供するスタートアップ企業で、ウェビナーを活用して製品の魅力を伝えています。
ウェビナーでは、製品の使い方や機能の紹介を行い、質疑応答の時間を設けることで、顧客の疑問や不安を解消しましょう。
コンテンツマーケティング
ウェビナーは、コンテンツマーケティング戦略の一環としても有効です。
例えば、HubSpotはマーケティング、セールス、カスタマーサービスのソフトウェアを提供するスタートアップ企業で、ウェビナーを活用したコンテンツマーケティングを展開しています。
ウェビナーでエキスパートやインフルエンサーを招き、業界のトレンドや最新情報を提供することで、ブランドの信頼性と認知度を高めましょう。
社内研修・教育
スタートアップ企業では、社内研修・教育の一環としてウェビナーを活用することもあります。
Slackはチームコミュニケーションツールを提供するスタートアップ企業で、ウェビナーを活用して、従業員に製品知識や業界の最新トピックスを継続的に提供しています。
ウェビナーを活用することで、時間や場所の制約がなく、従業員同士の情報共有がスムーズに行えます。
まとめると、アメリカのスタートアップ企業モデルでは、ウェビナーの活用が重要な要素となっており、顧客への製品紹介やコンテンツマーケティング、社内研修・教育に活用されています。
ウェビナーを効果的に活用することで、顧客との関係やブランド認知度を向上させ、企業の成長につなげましょう。
ヨーロッパで話題の新製品ローンチ: 360度動画で魅せるプロモーション
近年、ヨーロッパを中心に新製品ローンチイベントやプロモーションでは、360度動画を活用した斬新な方法が話題を集めています。
360度動画を利用することで、より直感的でインタラクティブな体験が可能になり、消費者の関心を引き付けることができます。
ここでは、ヨーロッパで実際に話題となった360度動画で魅せるプロモーション事例を紹介します。
事例1：アディダスのサッカースパイク「X16」
スパイクの特徴を独自感覚で体験できる動画
サッカースパイクブランドとして有名なアディダスは、新製品「X16」のローンチイベントで360度動画を導入しました。
動画では、プロサッカー選手が実際にX16を履いてプレイを行う様子を、360度動画で捉えることで、利用者はプレイヤーの視点や動きをリアルに体験できます。
これにより、X16の性能やデザインの魅力をより直感的に伝えることができました。
事例2：ポルシェ ケイマンGT4
運転席からの高速ドライブ体験
高級スポーツカーメーカーであるポルシェは、新型ケイマンGT4のプロモーションで360度動画を活用しました。
車の運転席から撮影した360度動画を用いることで、ユーザーは運転手の視点でケイマンGT4の高速ドライブを体験できます。
これにより、車の性能や走行時のスリルを効果的に伝えることができました。
事例3：ジャック・ブラック インタラクティブムービー
ブーツの新商品体験型アドベンチャー
英国の大手コスメブランド「ジャック・ブラック」は、新しいブーツのローンチイベントにおいて、360度動画を用いたインタラクティブムービーを展開しました。
参加者は360度動画を視聴しながら、ブーツをはいている主人公とともに冒険の旅に出て、選択肢を選ぶことでストーリーが進行します。
その過程でブーツの特徴や開発コンセプトを体験することができました。
これらの事例からもわかるように、ヨーロッパでは360度動画を用いた新製品ローンチやプロモーションが盛り上がっています。
今後もさらに多くの企業がこのトレンドに乗り、新しいプロモーション手法を提案していくことでしょう。
国内企業も常に最新のプロモーション手法に耳を傾け、差別化を図ることが重要です。
アジアにおけるインフルエンサーマーケティング: ローカルインフルエンサーとのコラボレーション
アジアでのインフルエンサーマーケティングは急速に広がっており、特にローカルインフルエンサーとのコラボレーションが効果的な手段となっています。
ローカルインフルエンサーとは、自国の市場や文化に精通し、フォロワーと強い関係性を持ち、信頼性の高い人物です。
彼らと働くことで、ブランドや商品のリーチやエンゲージメントが向上し、成長を加速させることができます。
ここでは、アジアにおけるインフルエンサーマーケティングの事例を紹介し、ローカルインフルエンサーとのコラボレーションがどのように成果を生むのかを検証します。
インドネシアのファッションブランドの事例
インドネシアのインフルエンサーとのコラボレーション
インドネシアのファッションブランド「Cotton Ink」というブランドが、ローカルインフルエンサーとのコラボレーションにより、ブランドの認知度と販売を大幅に向上させることに成功した事例があります。
Cotton Inkは、インフルエンサーが主催するイベントでのブランドプロモーションや、共同制作商品の販売など、積極的にインフルエンサーと取り組んでいます。
また、インフルエンサーがデザインした商品を発売したことでファンからの反響が大きく、ブランドが一気に注目されるようになりました。
成果と教訓
この事例から、ローカルインフルエンサーとのコラボレーションは、ブランドや商品の価値をアピールし、販売や認知度の向上に繋がることがわかります。
また、インフルエンサーが主催するイベントでのプロモーションや、共同制作商品を販売することで、フォロワーとのエンゲージメントが高まり、効果が生まれます。
韓国のコスメブランドの事例
韓国のインフルエンサーとのコラボレーション
韓国のファッションブランドである「Glow Recipe」というブランドが、韓国のインフルエンサーや美容愛好家とのコラボレーションにより、アジアを中心にその人気を広げています。
Glow Recipeは、韓国の美容愛好家やインフルエンサーとコラボレーションし、共同でプロダクトを開発しています。
また、韓国のテレビ番組やSNSで紹介されることで、多くのフォロワーにリーチし、ブランドの認知度が向上しています。
成果と教訓
この事例から、ローカルインフルエンサーとのコラボレーションは、ブランドや商品の価値をアピールし、販売や認知度の向上に繋がることがわかります。
また、インフルエンサーや美容愛好家と共同で商品を開発することで、フォロワーとのエンゲージメントが高まり、効果が生まれます。
まとめ
アジアにおけるインフルエンサーマーケティングでは、ローカルインフルエンサーとのコラボレーションが効果を生みます。
インドネシアや韓国のファッションブランドの事例では、ブランド認知度向上や販売促進が実現されています。
また、エンゲージメント向上や成果生み出すためには、インフルエンサー主催イベントのプロモーションや共同制作商品の販売が有効だと言えます。
南米市場でのストーリーテリングに力を入れた広告戦略
南米市場は、独自の文化や消費者の嗜好が詰まった地域であり、そこで広告戦略を展開するには、彼らが共感できるストーリーテリングが重要です。
以下では南米市場でのストーリーテリングに力を入れた広告戦略を見ていきましょう。
地域特性を活かしたストーリーテリング
南米市場で活躍する複数の企業が行っている地域特性を活かしたストーリーテリングの方法について、具体的な例を交えながら説明します。
伝統的な祭事や文化を題材にした広告
南米は様々な国々が持つ伝統的な祭事や文化が豊かなため、それらを題材にしたストーリーテリングを行うことで消費者との共感を呼び起こします。
例えば、アルゼンチンのブライダルブランドであるFalinkaが、同国のタンゴダンスをモチーフにした広告を展開したことで、視聴者から高評価を受けました。
ローカルスポーツやスターの起用
サッカーをはじめとするスポーツが盛んな南米市場では、地元チームや選手を起用することで高い共感性を持つ広告が生まれます。
例として、ブラジルのサッカー選手ネイマールがCM出演したナイキの広告は、彼がストリートサッカーのような環境でプレイする姿を描いており、多くのファンから喝采を受けました。
SNSプラットフォームを使ったストーリーテリング
南米市場では、YouTubeやInstagramなどのSNSプラットフォームが消費者とのコミュニケーション手段として一層重要になっています。
これらのプラットフォームを活用したストーリーテリングも、効果的な広告戦略の一つと言えます。
インフルエンサーを活用したプロモーション
南米のインフルエンサーは、フォロワーとの強いつながりを持つため、その情報発信力が広告効果を向上させます。
例えば、コロンビアのファッションブランドMaajiでは、同国出身のインフルエンサーであるカルラ・ダニエラを起用し、彼女の日常を切り取ったストーリーテリングが評価されました。
ユーザーアクションで発信力を上げる
SNSプラットフォームでは、ユーザーが思わずシェアやいいねをしたくなるようなストーリーテリングが求められます。
アルゼンチンの車輌共有サービスPoolmyrideが行った、「あなたの車に乗せたい友達は？」というクエスチョンを投稿するキャンペーンがその例です。
友達や家族をタグ付けしてシェアすることで、自然な拡散が生まれ、効果的なプロモーションが実現しました。
これらのストーリーテリングを取り入れた広告戦略は、南米市場で成功を収めた企業が行っているポイントです。
地域特性やSNSプラットフォームをうまく活用し、共感を持たれるストーリーを描くことで、南米市場でも高い成果を得られるでしょう。
グローバル展開を目指す企業のためのビデオマーケティング戦略の策定
グローバル市場に展開を目指している企業にとって、ビデオマーケティングは非常に効果的で影響力のある手段です。
言葉や文化の違いがあるため、視覚情報を用いたビデオマーケティングで情報伝達や商品・サービスの魅力を効率的に伝えることができます。
ここでは、海外市場への展開を目指す企業が効果的なビデオマーケティング戦略を策定するための具体的な方法を紹介していきます。
1. ローカル市場の調査と理解
a. 市場動向の把握
まず、各地域の市場動向や消費者ニーズを把握することが大切です。国や地域によって文化や価値観が異なるため、一般的な手法やメッセージが通用しないことがあります。
競合他社やリーディングカンパニーの戦略を調査し、どのような動画が受け入れられているかを理解しましょう。
例えば、日本のアニメが世界的に有名であることを利用し、アニメーションを用いたビデオマーケティングを展開する方法があります。
b. 文化や言語への適応
地域文化や言語に適応したビデオコンテンツを作成することが大切です。例えば、英語圏であれば英語音声や字幕を用意し、より多くの人に伝わる内容を心掛けましょう。また、宗教や習慣に配慮したコンテンツを作成することで、視聴者に不快感や違和感を与えず、好感度を上げることができます。
2. 目標設定とKPIの選定
a. ビジネス目標の明確化
ビデオマーケティング戦略の策定において、最終的なビジネス目標を明確にしましょう。
企業全体の売上向上やブランディングの強化、ユーザー獲得・活性化など、役割や目的に応じた目標設定が重要です。
b. KPIの設定
ビデオマーケティングの効果を測定・評価するために、KPI（Key Performance Indicator）を設定しましょう。
再生回数やシェア数、コンバージョン率など、ビジネス目標に応じて適切なKPIを選定し、定期的にモニタリングして効果検証を行います。
3. 効果的なビデオコンテンツの制作
a. ストーリーテリング
視覚情報に強い人間の性質を理解し、視聴者に訴求力のあるストーリーを伝えることが効果的なビデオマーケティングのポイントとなります。
いかに魅力的なストーリーを伝え、感情を揺さぶるかが鍵です。
例えば、アップル社の「Think Different」キャンペーンやダヴ社の「Real Beauty」キャンペーンを参考にすると良いでしょう。
b. クリエイティブな要素
独創的でインパクトのあるビデオコンテンツは、視聴者の記憶に残りやすく、話題性も高まります。
技術的な工夫や演出・演技といったクリエイティブな要素を取り入れることで、視聴者が自然と共有・拡散したくなるポイントを作りましょう。
4. ビデオマーケティングの最適化
a. 配信プラットフォームの選定
適切な配信プラットフォームを選定することで、ターゲットとなる視聴者に効果的にビデオコンテンツを届けることができます。
YouTubeやFacebookなどのSNSプラットフォームを活用して、最大限にリーチを高めましょう。
b. 効果検証と改善
ビデオマーケティングの効果を定期的にモニタリングし、適切な改善策を実施します。
KPIの達成状況や視聴者の反応をもとに、コンテンツの改良やプロモーションの見直しを行いましょう。
グローバル市場に成功するためのビデオマーケティング戦略は、地域の調査から始め、目標設定やコンテンツ制作、適切な配信プラットフォームの選定まで、様々なステップが含まれます。
効果的な戦略を策定し、継続的な改善を行うことで、海外市場での成功を目指しましょう。
著者紹介
鈴木伸二
代表取締役CEO
1985年生まれ。岩手県出身。
SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。
