いよいよ11月26日の金曜日は、ブラックフライデーです。
まだ、日本では「ブラックフライデー」という言葉自体に馴染みがない方が多いかもしれませんが、多くのマーケターにとって欠かせない年に一度のビックイベントとなり始めています。
今記事では海外のブラックフライデーにちなんだマーケティングキャンペーン成功例から、今後、日本のブラックフライデーでも使えるような施策の数々をご紹介いたします。
ブラックフライデーとは?
-ブラックフライデーの起源
ブラックフライデーはアメリカで始まった人気のバーゲンセールイベントです。
アメリカでは11月の4週目の木曜日が感謝祭(サンクスギビングデー)という祝日があり、
その翌日の金曜日からクリスマスに向けた大型商戦のスタートということで、「ブラックフライデー」が開始となります。
ブラックフライデーは1960年代に始まったとされていて、当初はどのお店でもバーゲンを実施してしまうことで街中に人が溢れかえり、事故や犯罪が急激に増えていたのでした。
その結果、警官の人々の仕事が増えて困ってしまうという意味での「暗黒」、まさに「真っ黒な金曜日」だったのです。
このような理由が原因で「ブラックフライデー」という言葉が使われ始めたのでした。
ただ現在では、どのお店でも売り上げが大幅に上がるという意味での「ブラック」=黒字 という意味のポジティブなイメージで「ブラックフライデー」と言われているのです。
日本におけるブラックフライデー
海外では大いに盛り上がるブラックフライデーですが、日本ではどうでしょうか?
日本では、基本的に12月の年末にバーゲンセールを始めるお店が多いのですが、実は11月はバーゲン商戦直前のため、年間の売上が低いとされているのです。
ですので、日本では売り上げの低い月をカバーする為にも、ブラックフライデーセールを実施する商業施設やお店が増加している理由でもあります。
日本でブラックフライデーを最初に始めたのは、アメリカを本社に置く、おもちゃの専門店トイザらスが2014年に始めたのが最初でした。
画像引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/f5a3f832955e6d5f3d801a4b410105c9d05c8aed
その後にイオンやAmazonが続き、現在では様々な企業がブラックフライデーを取り入れ、様々な施策を打ち出しています。
また、株式会社 凸版印刷と、グループ会社の株株式会社 ONE COMPATHが発表した『ブラックフライデーに関する意識調査』の結果によると、
日本市場において、ブラックフライデーの認知度は3年連続で75%を超えているということがわかりました。
画像出典:https://www.tsuhannews.jp/shopblogs/detail/67887
また、クリスマスやバレンタインと異なり、ブラックフライデーは「自分のために買い物をしたい」と答えた消費者の割合では、87.4%という数字が出ているのです。
この結果を踏まえると、ブラックフライデーに合わせて「セルフケアグッズ」や「年末まで頑張った自分にご褒美」といったコミュニケーションで広告を出すと、
多くの人々の心に刺さるかもしれません。
画像出典:https://www.ryutsuu.biz/promotion/k111616.html
ブラックフライデーのマーケティングキャンペーン戦略とは?
ブラックフライデーのマーケティングキャンペーンを成功させるにはどうすればよいのでしょうか?
まずは事例を見ていく前に、基本的なブラックフライデーのマーケティングキャンペーンに使える黄金ルールを見ていきましょう!
どれも中小企業が利用して大成功を収めたものばかりなので、きっとあなたのビジネスにも何かしら、大きなメリットがあるはずです。
では、早速見ていきましょう!
–始まる前にお得な情報、商品をちょい見せ!
時に人は「全てが見えている」ものよりも、「少しだけ見えている」ものの方に興味がそそられるのではないでしょうか?
これを英語でSneak Peek(スニーク ピーク)と言います。
全てのセールス情報や商品が公開される前に、ちょっとだけ内容を見られる機会を消費者に与えることでそれを見た消費者は「全てを見たい!」「気になる!」という気持ちになるのです。
例えば、ニュースレターやメールマガジンに登録している人限定で割引になる商品をお知らせしたり、
Youtube動画やソーシャルメディアチャンネルで目玉商品になりうるものの割引価格を少し、公開しても良いかもしれません。
ポイントは「全てを見せないこと」です。
-限定商品or新商品を発表する
人は新しくて、フレッシュなものが大好きです。
だからこそ、もしあなたが新商品を発表しようとしているなら何もない「普通の金曜日」を選ぶのではなく、
特別な「ブラックフライデー」という特別な機会を利用してみるのはどうでしょうか?
新商品というだけでも特別なのですが、ブラックフライデーということで消費者のワクワク感はいつもの倍になっているはずです。
そうすることで、今まで一度しか買ってくれなかった人でも、新商品に興味を持って買ってくれたり、
新しい商品やトレンドにあまり敏感でない層にも情報が届きやすい状況を作り出すことができるのです。
では、さらに消費者の心をワクワクさせるにはどうすれば良いでしょうか?
新製品を発表する方法は大きく分けて2つあります。
ひとつは発売日の数日前に新商品を発表する方法です。
ブラックフライデーの前に、発表してしまうことで当日の売り上げが上がることが見込めるかもしれません。
2つ目は、ブラックフライデー当日に商品を追加する方法です。
例えば、カウントダウンタイマーを設定してそうすれば、よりエキサイティングになります。
「何が発表されるんだろう?」「どんな商品なんだろう?」こんな考えが消費者の頭の中で、
カウントダウンの日数が小さくなっていく程に強まっていけば高確率で彼らは当日、新商品の情報をチェックするでしょう。
限定イベントにプラスアルファで限定の何かをつけることは、確実に消費者を惹きつける賢いマーケティング戦術です。
-ブラックフライデーは損して得取れ!
多くの消費者が心を動かされてしまう文字、それは「お得」「今だけ」「数量限定」の3つです。
この3つが組み合わさる先にあるものは…?
それは、顧客の幸せと企業の幸せなのです。
これはどんなキャンペーンでも使える手法ですが、ブラックフライデーのような大量の消費が見込まれるイベントでは、
多少の投資を先にしてしまった方が、後で得ることのできる得が大きいかもしれません。
「損して得取れ」という言葉はブラックフライデーのための言葉かもしれません…。
例えば、メルマガを送った顧客の中で、限定先着100名様にブラックフライデー当日に使える25%オフの割引クーポンをプレゼントしたり、
ブラックフライデー当日には早割の効果をより高めるために、「限定」や「ほぼ完売」などの言葉を様々な場所へ散りばめて、希少性を演出しましょう。
人は希少性の要素が加わると、リスクを取りやすい傾向にあるので、ブラックフライデーはそれらの言葉によってどんどん、お財布の紐が緩んでしまうのかもしれませんね。
ブラックフライデーマーケティングキャンペーン10選
では、ここからは海外で成功を収めたブラックフライデーのマーケティングキャンペーン事例をご紹介していきます。
-ウォルマート/TikTokを活用したハッシュタグチャレンジキャンペーン
動画リンク:https://youtu.be/GWeVn2ZTp9Y
ソーシャルメディアを活用したインタラクティブマーケティングはどの企業も実践を試みるものの、その中で目立つことは至難の業です。
Walmartの実施したブラックフライデーのTikTokキャンペーンは、ブラックフライデーのセールを、ゲーム感覚で楽しめる魅力的な体験に変えてしまったのでした。
このキャンペーンでは、買い物ができるTikTokフィルターを使って、
お客様が仮想のお得な商品を「アンラップ(=ラッピングを剥がすこと)」し、ブラックフライデー的なワクワクするサプライズを体験できるフィルターを制作したのです。
TikTokユーザーは「#Unwrapthedeals」というハッシュタグを使って、自分のチャレンジを投稿し、
その結果を他のユーザーにシェア、また他のユーザーやインフルエンサーのチャレンジ結果を見ることができます。
また、このキャンペーンの凄いポイントはただ、遊んで楽しいフィルターを制作するだけにとどまらず、
気に入った商品があれば、実際にウォルマートのウェブサイトの商品ページに直接アクセスして購入することができるように構成されていたのです。
こんなにワクワクできる、面白いフィルターだったら、商品を最初は買う気がなくとも必ず試してみたくなりますよね。
結果的にこのキャンペーンは驚異的な成功を収め、ハッシュタグの閲覧数は55億回を超え、
エンゲージメント率は18.4%と、TikTokはッシュタグチャレンジのベンチマークをすべて更新したのでした。
-パタゴニア /他社が行ってないコミュニケーションでファンを増やす
動画リンク:https://youtu.be/UAZ8Ts9CC6I
パタゴニアwebサイト(Buy Less, Demand more):https://www.patagonia.jp/buy-less-demand-more/
アウトドアウェア&ギアブランドのパタゴニアは、すべての活動において価値観に基づいた挑戦的なアプローチをとることでよく知られていますが、
2020年のブラックフライデーキャンペーンで彼らがとったのは、衝撃的なアプローチでした。
パタゴニアは地球や環境のこと、人々をことを本気で考えてビジネスに取り組んでいる企業です。
だからこそ、「大量消費」が行われるブラックフライデーに他社が行っているコミュニケーションの真逆を行いました。
「Buy Less, Demand More」
買うことは減らし、求めることは増やす
これは「買い控え」を促すコピーであり、ブラックフライデーの根本的な消費者行動の真逆を言っています。
動画の中でパタゴニアは「本当に必要なものなのか」「使い続けることができるか」そのようなことを何かを「買う」前に自分に問いかけて欲しい、
なぜなら大量消費の裏には森林や環境の破壊や違法な労働形態が潜んでいることばかりだから、というメッセージを語りました。
また、このメッセージは最初から最後まで読むことも、逆に読むこともできます。
頭から読めば、世界の現状を嘆いたものであり、逆に読めば、行動を促すものになるのです。
この広告は、ニューヨーク・タイムズ紙に全面広告を掲載して宣伝され、従来のブラックフライデーのマーケティングとは180度異なるものでしたが、間違いなく人々の注目を集めました。
-CHANEL/ブラックフライデー限定の特別コレクションの発売
ブランドに独自性や高級感がある場合は、割引の代わりに限定のコレクションを発売しても良いかもしれません。
ブランド自体がステータスシンボルであるブランドだと、大袈裟なセールや値引きをしてしまうと、ブランドから連想される高級感が損なわれてしまうかもしれません。
そんな場合はブラックフライデーの期間にしかゲットできないという「限定感」にフォーカスすることで、消費者の期待を裏切らず、新しい顧客を獲得できる機械の創出にもなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はマーケターが知っておくべき、ブラックフライデーに使えるマーケティング戦略&海外のブラックフライデーキャンペーン事例をご紹介いたしました。
ブラックフライデーは日本でも確実にイベントとして存在感を増してきています。
ぜひ、あなたのブランドのブラックフライデーマーケティング戦略に今記事で紹介した事例や戦略を活用してみてくださいね。