2021海外マーケティングトレンド総復習 ブランドが生き残るための施策とは?

2020年から引き続き、2021年も私たちの生活はデジタル中心へと徐々にシフトを続けてきました。

それは働き方だけでなく、娯楽や余暇の時間の使い方も大きな影響を与え、

結果としてソーシャルメディアやデジタルで生まれるコンテンツにも新たなトレンドが続々と誕生したのでした。

今記事では、2021年に流行した海外のデジタルマーケティングを事例とともに総復習!

来年、もしくは明日から使えるデジタルマーケティングや広告施策のヒントが見つかるかもしれません。

ライブ配信で一体感が生まれる?

ライブ配信で一体感が生まれる?

2020年に引き続き、外出や行動が大幅に制限された2021年。

たくさんの人々が集まるイベントへの参加や、長期の旅行へ出かける予定もない日々の中で、人々はどこで、どのように余暇や休日を楽しんだのしょうか?

答えは私たちの手に握られた小さなデバイスの中にあります。

そう、それはデジタルの世界です。

有名ソーシャルメディアプラットフォームの調査によると、Facebookでは、ロックダウン期間中にライブ配信の視聴率が50%も急増し、

Instagramでは70%もの増加が見られたのでした。

また、TikTokの利用は2020年に激増し、2021年もこの増加傾向が続く可能性が高いと考えられています。

外出が規制される中で、多くの消費者は自分のお気に入りのインフルエンサーや有名人のライブ配信やブランドのライブ配信をソーシャルメディアで楽しんだのでした。

インフルエンサーのライブ配信のような、人によって「その瞬間」が生み出されるコンテンツは、

物理的に離れていても「今、起こっている」発言や言動をリアルに感じれることで、配信者と視聴者の間で一体感が生まれ、

繋がりや信頼を生み出すことにつながるのでした。

また、ライブ配信が人気なのは海外だけではありません。日本でも様々な企業がこぞってデジタルで完結できるライブ配信型イベントを実施しています。

ライブ配信で一体感が生まれる?​​

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ライブ配信で一体感が生まれる?

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消費者はブランドに人格を求める?

消費者はブランドに人格を求める?

消費者が少しでもブランドに対して「怪しい」「不誠実」などといった、マイナスの感情を抱いてしまうと、そこで彼らとのつながりは簡単に断たれてしまいます。

信頼できないもの、信じられないものに、お金や時間を使いたいと思う人は居ませんよね?

そのブランドの商品を購入するということは、少なくとも買い手側である消費者が、

そのブランドに自らの価値観を重ね合わせた時に「共感できる」もしくは「インスパイアされる」といったプラスの感情を感じた時に起こります。

なりたい自分に近づけるからその服を買う。

目標とするライフスタイルを実現するために、その家具を買う。

このように、自分自身の価値観や哲学をそのブランドと照らし合わせて商品の購入を検討する傾向は一般消費者だけでなく、GenZ世代では特に顕著に見られています。

Wunderman Thompsonグローバルで実施されたWomen Indexの調査によると、

“自分と共通の哲学を持っているファッションブランドをより買う傾向が高い”

という質問に対して、Yesと答えたミレニアル世代が65%だったのに対し、GenZ世代は71%という数字が出たのでした。

GenZ世代はブランドにただ商品だけを求めるのではなく、人格を見出すことでそのブランドが好きな「理由」を自身の中で明確に把握しようとしているのです。

また、彼らはそのブランドのメッセージや企業の掲げる目的意識を理解することで、自分自身の価値観や社会問題に対するスタンスを再確認しているのではないでしょうか。

ブランドや企業に心理レベルのつながりを求める消費者が増えていく中で、彼らと良好な関係性を築くために、ブランドは何をするべきなのでしょうか?

Deloitte社のレポートによると、消費者と真のつながりを築くためには、ブランドや企業自身が

「自分たちがなぜ存在するのか(存在意義)、誰に為のサービス/ブランドなのか(=目的)を深く理解する必要がある」と言われています。

では、そのような深いつながりを構築する上で欠かせないことと?

以下の3つのポイントをご紹介いたします。これらのポイントは特にGenZ世代から信頼を得るには必要不可欠だとされています。

・消費者に対して誇張表現や恐怖訴求を使わない。リアルかつ、等身大を表現した広告やマーケティングキャンペーンを作る。

→消費者に対して常に誠実であることを前提に、広告コミュニケーションにおいても、彼らを「顧客」である以前に「ひとりの人間」として捉えた、

心の通ったコミュニケーションが求められています。

・消費者があなたのブランドや企業にすぐに問い合わせができるよう、ウェブサイトやソーシャルメディアアカウントに必ず連絡先を記載。

→消費者は何か起こった際に、すぐに連絡ができないことに不信感を抱きます。

そういった事態を避けるためにも、彼らが思った時に企業に連絡できる体制を企業側が整えることは信頼関係を構築する上で重要な要素です。

・インフルエンサー・マーケティングを活用する場合は、信頼できる(=オーディエンスと関係がしっかり、構築されている)小規模なインフルエンサーを使う。

→自分らしさを大切にするGenZ世代は「みんなのアイドル」よりも、「自分だけが知っているアイドル」に価値を置いています。

ニッチだと思われるインフルエンサーやマーケットにこそ強固なコミュニティーが存在しているケースが多く、

それらをうまく活用することで商品やブランドに対する強い信頼を得ることができるでしょう。

今後、消費者と真のつながりを構築するためも、マーケターは自社のブランドが消費者の考えをいかに理解しているということをどう示すか、

その方法を考え、ブランドが起こすムーブメントに参加してもらうよう、そして彼らがそのムーブメントの一員だと感じられるように働きかけなければなりません。

では、次に消費者の信頼を得るために使えるトレンドマーケティング手法をご紹介いたします。

UGCによる顧客体験向上

UGCによる顧客体験向上

ソーシャルメディアが広告やマーケティングの中心となってきた現代。UGCという言葉を耳にする機会が多くなったかもしれません。

では、UGCとは一体何を意味するのでしょうか?

UGCとは、User Generated Contentの略で、消費者/ユーザーが自ら作ったコンテンツのことを言います。

従来ならば、広告や情報の提供はその商品の制作元であるブランドや企業が行いますが、

UGCはユーザーが自らその商品、ブランドに関する情報を発信します。

例えば、Googleマップ上の飲食店のレビュー や、Amazonの商品レビュー、企業クチコミ、

TwitterやInstagramなどでのブランドや製品について言及などもUGCのひとつとされます。

では、なぜ今 UGCが注目を集め、顧客体験の向上につながっているのでしょうか?

例えば、私たちが見知らぬ土地に旅行に行った際、どこのレストランのご飯が美味しいか地元の人に聞いたりしますよね。

もしくはスマホさえあれば、マップ上で星の数や良いクチコミが多いお店を選びがちなのではないでしょうか?

その理由は至ってシンプルです。

誰も自分が選ぶものでハズレを引きたくないからではないでしょうか?

この感情は、私たちがお金を出して商品を購入する際に毎回起こっている感情なのです。

「せっかく、自分のお金を出して購入するんだから、良いものを。」

そういった思いが示すこと、それは消費者は常に安心できる証拠や他者からの助言を求め、その言葉に真実性を求めている、ということではないでしょうか?

その消費者の欲求を満たしてくれているのがUGCなのです。

UGCは実際のユーザー/消費者からの声が反映されているものがほとんどです。

そして、彼ら(=消費者)が生み出すコンテンツには他の消費者に大きな心理的影響を与えているのです。

例えば…

・ユーザー間で独自のコミュニティを構築し、強化してくれる。

・ユーザーが自らコンテンツを生み出すことで、そのブランドに親近感がわき、参加している側は気分が高揚する。

・ユーザーが自らコンテンツを生み出すことで、他のユーザーから見たときにその情報に対する信頼性が高いと感じてもらえる。

このような効果が見込めるUGCマーケティングですが、

結局はユーザーからソーシャル上で「面白い」「シェアしたい」と思わせる何かがないと、彼らの参加を促すことはできません。

ですので、マーケターや広告を仕掛ける側はこれらUGCの有用性を理解した上で、

消費者が自らそのキャンペーンに参加したくなるような「きっかけ」を与えることが、UGCマーケティングをブーストする鍵だと言えるのではないでしょうか。

UGCによる顧客体験向上

UGCによる顧客体験向上2

コカ・コーラ社のUGCマーケティングでは、個人の名前が入っているコーラを販売することで、

自分の名前を見つけた沢山のユーザーがそのコーラと共に自分の写真をソーシャルメディアに投稿しました。

有名人が一方的に商品をおすすめしていた広告から、消費者自身が自然とお気に入りの商品をおすすめする構図にマーケティングや広告キャンペーンが変化したことで、

ユーザーが誰かに「シェア」したくなるブランドキャンペーンが今後、成功を納めることになるでしょう。

UGCに関する詳しい記事はこちらから。

【マーケター必見!】UGCを活用したマーケティング事例5選

サステイナビリティへの配慮

サステイナビリティへの配慮

サスティナビリティーという言葉は現在、どの業界でもホットなワードかつ重要なトピックですが、その流れは企業だけでなく消費者側が支持するブランドを選ぶ際にも重要な指標のひとつとなりつつあります。

実際に海外では、81%の消費者が企業は環境改善に貢献すべきだと強く感じているというリサーチ結果が出ています。

しかし、「消費者からの支持を得たいから」 といった理由だけで企業やブランドがサスティナビリティーについて言及しても、消費者の心が動くことはありません。

なぜかというと、消費者は常にそのブランドが発信するメッセージに「理由」を求めているからです。

なぜ、サスティナブルな選択をするのか?

なぜ、あなたの企業/ブランドからそのメッセージを発信する理由があるのか?

そのメッセージの背景にあるエモーショナルな姿勢が見えて初めて、消費者はブランドに共感し、支持することを始めるのです。

例として、IKEAのメッセージを見てみましょう。

サステイナビリティへの配慮

“できるだけ多くの人々によりサステナブルに暮らすためのインスピレーションを提供し、そうした暮らしを簡単に手ごろなコストで実現できるようにしたい”

これが、IKEAがサスティナブルな活動に取り組む理由(=なぜ?)の部分ですね。

TOYOTAは、サスティナビリティに対し以下のような姿勢を、彼ら自身の哲学として提唱しています。

サステイナビリティへの配慮

“私たちのミッションは「幸せを量産する」ことです。人の暮らしと社会をより良くするために、

時代を先取りし、研究と創造に励む。未来の便利と幸福を技術で手繰り寄せ、それらを手に届くかたちで、あらゆる人に還元することを目指します。”

サスティナビリティーという概念は、「社会で話題になっている」からこそ、消費者の心にその話題に対する何かしらの感情が存在することで、

企業がアクションを取りやすく、つながりを得やすいトピックでもあるといえます。

あなたの企業、ブランドは環境についてどう考えますか?そして、なぜ、そう考えるのでしょうか?

2022年に向けて、サスティナビリティーについて、独自のメッセージや姿勢を一度見つめ直しても良いのかもしれません。

インクルーシビティの重要性

インクルーシビティの重要性

皆さんは、インクルーシビティという言葉をご存知でしょうか?

inclusivity/インクルーシビティという言葉は、包括性などと訳され、多様性を尊重し受け入れる姿勢などを指します

inclusion/インクルージョンと表現されることも多く、近年マーケティングでは、

様々な人種や体形の人をプロモーションに起用し「ありのままでいい」というような個々人を肯定するようなメッセージを発信することで、

ブランドを身近に感じてもらうことを狙った企業が多く見られます。

アクセンチュア社の調査によると、インクルーシビティは購買行動にも影響を与えており、

41%の消費者は”個人のアイデンティティや多様性に関する自分の考えを反映していない、

価値観に沿わないブランドから離れることを選択、

29%は十分な多様性/インクルージョンを示していない場合はそのブランドから商品を購入することをやめると回答したという調査結果が出ています。

個々人の多様性を認めていないのではないか?と思われるブランドや、多様性についての社会的な会話に参加していないと思われるブランドは、

今後多くの消費者が購買に疑問を抱く原因になりうるかもしれません。

あなたの企業、ブランドだからこそ言えるメッセージは必ずあるはずです。

前述で、企業やブランドが自分たちの立ち位置、社会へのメッセージを明確にすることで消費者からの共感は得やすくなるとあったように、

多様性/インクルーシビティに関する姿勢は今後、消費者の購買決定に大きく影響する要素になってくるでしょう。

音声・画像検索が激増?

音声・画像検索が激増?

「アレクサ、Youtubeでキラキラ星を流して」

4歳の姪っ子がそう言った時、私は本当に驚いたことを今でも覚えています。

そして、そうやって検索しているのは私の姪っ子だけでなく、友人の子供もだということを知った時、世代間による「検索方法の変化」を感じたのでした。

多くの世代がデバイスを使って何かを検索する時、文字を入力して検索していたのが一般的だったのが、もしかするともう過去の話になるのかもしれません。

Googleの調査レポートによると、オンラインの世界人口の27%がモバイルで音声検索を利用していることがわかりました。

また、世界のスマートスピーカーの販売台数は2020年に1億5,000万台となり、過去最高を記録しました。

また、PwCの調査では、25〜49歳の65%が1日に1回以上、音声対応機器に話しかけているという調査結果が出たのでした。

数字でもわかるように、私たちが予想する以上に音声検索が当たり前に使用されるようになってきているです。

音声検索がSEOに影響を及ぼす?

音声検索がSEOに影響を及ぼす?

また、音声検索はSEOに大きな影響をもたらすと考えられています。

実際に、音声検索はSEOにどう影響するのでしょうか?

例えば、私たちがGoogleに検索キーワードを入力する方法は、音声アシスタントに話しかける方法とはまったく異なります。

例えば、のレストランを探している場合、検索方法は次のようになりますよね。

入力:”近く レストラン おすすめ”

音声:”この地域で美味しいレストランは?”

このように、私たちが文字を入力して検索するときは、キーワードを中心とした検索を行うことが多いですが、音声検索ではより会話に近い形での検索が行われます。

そのため、SEOはユーザーが問いかけるであろう、言葉をしっかりと抑えておかないといけません。

まとめ

まとめ

2020年、2021年はどの企業・ブランド、そして消費者にとってもチャレンジが多い年となりました。

しかし、このチャレンジの連続が消費者にとって価値観を見直す機会になったり、

これまで試したことがなかった商品や体験を求めるようになったケースも多いのではないでしょうか。

ニューノーマル時代に環境や需要の変化を敏感に察知し、新たな施策に挑み続けることが、今後どの企業、ブランドにも求められるはずです。

今記事で学んだ海外トレンドをうまく活用することで、消費者とデジタルで近くつながることができるかもしれません。

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著者紹介

代表取締役CEO
1985年生まれ。岩手県出身。
SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。