デジタル化が加速する現代、デジタルマーケティング戦略で一歩先を行く為にはデジタルマーケティングの基礎を理解しているだけでは不十分です。
デジタルの世界は刻々と変化しており、ターゲットとなる人々も同様に変化し続けています。
そのため、マーケティング施策を成功に導く為には常にトレンドを把握し、自分のブランドにうまく適応させなければなりません。
そしてマーケティング界のトレンドも他のファッションやテクノロジー、ポップカルチャーの世界と同じようにすぐに移り変わります。
しかし、過去のトレンドを分析し、現在進行中の変化に注意を払うことで、マーケターは必ず動きの流れを読み取れるようになってくるはずです。
2021年はパンデミックの影響で予想していなかった変化に対応しなければならないことも多くありましたが、2022年は少しずつ外出も増え、落ち着きを取り戻してゆくでしょう。
来る2022年に備え、今記事ではデジタルマーケティングに欠かせないトレンドを詳しくご紹介いたします。
CONTENTS
インタラクティブなコンテンツ
ソーシャルメディアが消費者とブランドを新たなレベルで、さらに深く結びつけることのできるプラットフォームとして進化するにつれ、
ブランドとの関係を持つことが何を意味するかと言う考え方も進化しています。
消費者はパーソナルなレベルでの交流をブランドに求めています。そしてそれらの体験は従来のテキストや動画でのコミュニケーションを超えたものなのです。
インタラクティブなコンテンツはここ数年でマーケティング業界の中でも急速に成長しているトレンドのひとつであり、2022年もその傾向が続くと予想されています。
インタラクティブなコミュニケーションは、オーディエンスが体験の一部となるようなクリエイティブで没入感のあるものです。
それらを体験することで、消費者は本当の意味でブランドとのつながりを感じることができるようになるのです。
ソーシャルメディアが消費者とブランドを新たなレベルで、さらに深く結びつその代表的な例としては、次のようなものが挙げられますが、必ずしもこれらに限定されるものではありません。
インタラクティブなソーシャルメディアコンテンツが消費者とブランドをさらに深く結びつける代表例として以下のようなものが挙げられます。
・360度のバーチャルリアリティ映像や3D画像
・インタラクティブ動画
・AR技術が活用された没入型体験サービス
・投票、クイズ、アンケート
このようにインタラクティブなコンテンツを活用することで、消費者は自らの意思でブランドと関わりを持つようになり、結果的にエンゲージメントを高めることができるのです。
そして、インタラクティブコンテンツの良いポイントは消費者の記憶に残りやすく、コンバージョン率をあげることにも繋がります。
カンバセーショナル マーケティング(会話型マーケティング)
ブランドと消費者がよりパーソナルな関係を築くために、マーケティングをはじめとするさまざまなコミュニケーション手段に会話型のアプローチを採用する企業が増えています。
現代の消費者は、企業に連絡を取りたいとき、返事が来るまで何日も何時間も待つことを望んでおらず、
あらゆるマーケターがこの「カンバセーショナル マーケティング」に注目しています。
調査によると、現代の消費者の82%は、質問や問い合わせたい事柄がある場合、企業からの早い回答を求めています。
たとえそれが夜中の2時であろうと、朝の6時であろうと。
企業が問い合わせを受け付けていないであろう変な時間帯であっても、探しているものを探しているときにすぐに欲しいのです。
これはデジタルが主流になった現代だからこその現象かもしれません。
消費者は常に速いペースで変わる情報や、サービスに慣れてしまっているためカスタマーサービスについても速さを求めているのです。
もし、欲しい情報がすぐに手に入らないのならば、他へ行ってしまうかもしれません。
カンバセーショナル マーケティングでは、対話を重視したコミュニケーションスタイルを活用することで、
顧客のエンゲージメントを高め、リードを獲得し、彼らが求めるものを提供することができるのです。
以下のようなものがカンバセーショナル マーケティングで活用される手法です。
・パーソナライズされたEメール
・チャットボットやバーチャルな販売員
・動画などのパーソナライズされたメディア
カンバセーショナル マーケティングの優れた点は、ほぼすべてのチャネルで利用できることです。
そして、これまで以上に簡単に深い関係を顧客と築くことができるのです。
2022年は顧客が求める時間帯に、求める情報をすぐに手渡すことのできるカンバセーショナルなマーケティングを始めましょう。
音声検索
音声検索
インターネットで検索をする際に、ブラウザやアプリに文字をタイプして質問を入力するのではなく、AlexaやGoogleアシスタントに口頭で質問をしたことはありませんか?
もし、あなたが一度でも試したことがあるのなら、音声検索がもたらす利便性をすでにご存じのはずです。
最近の音声検索は、単に人気があるだけではありません。ほとんどすべての人が自分の探している情報を見つける方法として、音声検機能を活用するようになってきているのです。
現状では、毎月10億回以上の音声検索が行われており、インターネット検索の全体の20%以上が音声検索で行われているのです。
さらに、全体の半数弱の人が毎日音声検索を利用しており、半数強の人が自分の住んでいる地域のビジネス情報を探すために音声検索を利用したことがあると回答しています。
例えば、「近くのおすすめのレストランを教えて」だったり、「5分以内で行けるスーパーを教えて」だったり…。
このことは、あなたのマーケティングキャンペーンにとって何を意味するでしょうか?
それは、音声検索に対応できるコンテンツを準備しておく必要性が出てきたということです。
従来ならばテキストでの検索を予測した上でSEO対策などを行ってきていたかもしれません。
しかし、音声検索となると検索方法が少し異なってきます。
このように、AlexaやGoogleアシスタントが選んでくれるようなコンテンツを作るためにも、戦略的に音声による検索クリエに対応したコンテンツを作りましょう。
このような変化をマーケティングキャンペーンに取り入れる方法を、2022年に向けて今から考えてみてはいかがでしょうか。
ハイブリッドな集まりとイベント
ハイブリッドな集まりとイベント
コロナが始まったばっかりの頃、パーティや対面式のイベントができなくなることに人々は大きなショックを受けました。
多くのブランドや企業がイベントの舞台をバーチャルに切り替え、ほとんどのイベントがオンラインで行われることが当たり前となりつつありました。
しかし、ワクチンの普及に伴い、人々が徐々に日常生活を取り戻しつつある今、マーケターは厳しい選択を迫られています。
一部の消費者は、元の生活に戻り、人と人とが再び集まることに喜びを感じていましたが、そうでない消費者も居ます。
彼らはパンデミックの影響で、バーチャルイベントに慣れただけでなく、バーチャルイベントに心地良さや快適さを感じ、
パンデミックが収束した後も継続してオンラインイベントに参加したいと感じている層なのかもしれません。
つまり、マーケティング担当者は、2つの異なるオーディエンスを満足させなければならないのです。
だからこそ、2022年は両方の長所を兼ね備えたハイブリッド型イベントが大流行すると予想されているのです。
例えば、ブランドが行うイベントはライブイベントとしてオフラインイベント会場を設置するだけでなく、
遠くから参加したい人用にバーチャルな要素も盛り込むようにするなどして、参加方法に幅を持たせないといけません。
また、バーチャルな形でイベントに参加するにしても、ライブストリーミングだけでなく、VRやARといった最新の没入型テクノロジーの活用も検討したほうが良いかもしれません。
ソーシャルメディアのストーリー機能
ソーシャルメディアのストーリー機能
ソーシャルメディアのストーリー機能は、数年前にSnapchatが初めて導入して以来、常に注目を集めています。
Instagram、Facebookなどの主要なプラットフォームでもストーリー機能が採用されています。
現時点では、ストーリー機能は単なるデジタルマーケティングのトレンドではないと言って良いでしょう。
ストーリー機能は、従来のソーシャルメディアへの投稿とは異なり、24時間しか公開されません。
そのため、個人でも企業でもリアルタイム投稿を発信できるだけでなく、オーディエンスがつながりを感じやすいソーシャルメディア機能でもあります。
トップブランドがストーリー機能を活用してオーディエンスにアピールする効果的な方法としては、以下のようなものが上げられます。
・リアルタイムのイベント実況動画
・ロケーションタグなを使って、特定の地域のオーディエンスにリーチ
・CTAメッセージで、タイムリーなオファーを提供
2022年はより多くのブランドが全てのプラットフォームにおいて、ストーリ機能などを活用して、
よりリアルタイムな繋がりを生み出すコンテンツを制作する方法を模索するでしょう。
ファーストパーティークッキー
消費者が自分の個人情報の使われ方に関心を持つようになり、現在進行形でマーケティング担当者が消費者の個人情報を使ってできることに大幅な制限がかかりつつあります。
特に来年、2022年にサードパーティクッキーの使用が規制されることはマーケティング業界では大きな節目でもあり、変化の時でもあります。
これまで、サードパーティクッキーは、現在最も広く利用されているマーケティング戦略や広告の多くを支えてきました。
サードパーティクッキーのおかげで、膨大な量のデータを収集することができ、
そのデータを使ってパーソナライズした広告を打ったり、継続的なマーケティングキャンペーンをより正確に行うことができていたのです。
しかし、サードパーティクッキーからファーストパーティークッキーへの切り替えが必然となり、マーケティング担当者は自社で収集したデータしか使用ができなくなってしまいます。
その結果、企業は今の段階からどのようにデータを収集し、それらをどのように使用するかの目処を立てておかなければならないのです。
例えば、
・顧客のデータをどのように利用するかについて、透明性を保つ。
・複数のマーケティングチャネルを活用することで、顧客から収集できる有益なデータを最大限に収集、活用する。
・丁寧で親しみやすい方法で、顧客やウェブ訪問者にデータ収集への参加を促す。
・ウェブ訪問者や顧客が、自分のデータの収集や使用方法を変更できるようにし、常に自分が主導権を握っているように感じられるようにする。
環境に配慮したマーケティング
環境に配慮したマーケティング
持続可能性(サスティナビリティ)は、現代の消費者、特に若い消費者にとってますます重要な要素になってきています。
調査によると、ミレニアル世代の75%が持続可能性を考慮して製造された製品に喜んでお金を払うという結果が出ているのです。
これは、現在の社会的トレンドに遅れずに対応したいと考えているブランドにとっては大きなニュースであり、
若年層にアピールする為には欠かせないマーケティング戦略のひとつでもあります。
また、2022年以降 業界内で大きな競争力を得るための素晴らしい方法でもあります。
あなたの企業やブランドの製品やサービスが語ることのできる、既存または潜在的な持続可能性を、次のような方法で消費者にアピールしましょう。
・サスティナビリティに配慮していることを表すメッセージを発信。
・印刷物を全て環境対応紙に切り替える。
・ソーシャルメディアを通して、自らのブランドがどのような形でサステナブルな活動を行っているかを発信する。
GenZなどの比較的若い層はこれらの社会的問題にブランドがどのようなアクションを起こしているかにとても敏感です。
だからこそ、小さなことでも、何かしら社会に良いことを行っているブランドは好印象を持たれやすくもあります。
あなたの企業に何ができるか、まずは考えることから始めていきましょう。
クリエイターとのコラボレーション
クリエイター経済は以前から成長していましたが、パンデミックの影響で2020年、2021年は今までで一番新規参入が多かった年だったかもしれません。
そしてクリエイター経済は今後、2022年に向けてさらに拡大すると考えられています。
現代の消費者は、ブランドなどの大きな組織よりもソーシャルメディアでフォローしているインフルエンサーに親近感を抱いています。
また、彼らはインフルエンサーへの忠誠心も強く、お気に入りのインフルエンサーの紹介する商品や提案するライフスタイルには注目する傾向が強く見られます。
ブランドや商品に合った、適切なインフルエンサーとコラボレーションすることで、購買意欲の高い新しいオーディエンスにアクセスすることができるのです。
マーケターは2022年のマーケティング戦略にインフルエンサーやクリエイターを起用するだけでなく、来年のクリエイター文化がどのように変化していくのかを把握しておくことも大切です。
ヒューマンファーストのデータ体験
消費者が好む体験では、パーソナライゼーションが依然として重要であり、2022年もそのトレンドは変わらないでしょう。
パーソナライズされたEメール、製品、コンテンツの選択などは、顧客が「ブランドが自分のために特別な対応をしてくれている!」と感じるだけでなく、
購入したブランドと親密で個人的な関係を築いているという感覚を強めるのに役立ちます。
しかし、顧客が「役に立っている」と感じるパーソナライゼーションと、一線を越えて「あれ…?」と不気味さを感じるパーソナライゼーションは紙一重です。
つまり、自分のデータがどのように使われるかについて、消費者の感情を考慮したヒューマンファーストのデータ体験が、2022年には大きな意味を持つことになるでしょう。
マーケターは、次のような方法で消費者を第一に考えているということを示すことができます。
・なぜ特定の広告が表示されるのか、なぜ特定のレコメンデーションを受けるのかなど、顧客に対してできる限りの透明性を確保する。
・企業とのデータ共有のあり方について、消費者に発言権を与える。
2022年以降、最も賢明なマーケティング担当者は、顧客データを最大限に活用したキャンペーンを展開し、消費者の体験を向上させ、コンバージョン率を高めていくでしょう。
しかし、その際には、顧客の好みや、機密情報に関する個人的な境界線を尊重することも忘れてはいけません。
消費者は常に安心して取引できるブランドを求めており、彼らにロイヤルカスタマーになってもらうためには、あなたの企業に対してもそのように感じてもらう必要があります。
そのためには、プライバシーはもちろんですが、ウェブサイトやショッピングインターフェースのセキュリティも重要です。
新しいサイトを訪れた消費者は、そのサイトが安全そうかどうかを数秒で判断します。少しでも不安要素があると、サイトから離れて別の場所に行ってしまうでしょう。
そのようなことを防ぐ為にも、信頼できるセキュリティシールを誰もが見られる場所に表示するようにしましょう。クリーンなデザインと迅速なロードタイムは、ウェブ訪問者の信頼感を高めるのにも役立ちます。
多様性と代表性
多様性と代表性
包括性(インクルーシビティ)は、もはや人事だけの問題ではありません。現代の消費者は、ますますブランドに社会的な意識の高さを求めています。
彼らはメディアや広告の中で、自分自身や自分の大切な人だけでなく、人類の幅広いスペクトルに属する人々が表現されていることを期待しています。
Adobe社が行った最近の調査によると、61%の人が広告において多様性は重要だと感じていると答えています。
また、38%の人が、多様性のある広告を出しているブランドはより信頼できると答えています。
しかし、1億2,000万人を超えるアメリカの消費者は、自分のような人が広告に登場することはほとんどないと答えています。
2022年に向けて企業の舵取りをする際に注目すべき多様性に関する要素は以下の通りです。
・さまざまなタイプの人、国籍の人、異なる価値観を表現する。
・ターゲットとする顧客の平均的な文化的背景と、その顧客に合わせたメッセージやイメージをどのように提供するか。
・商品のサイズや形の種類の豊富さ(レディース用/メンズ用などではなく、ジェンダーレスにするetc)
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は2022年に知っておきたいデジタルマーケティングのトレンド10をご紹介いたしました。
デジタルの世界では日々、さまざまなものが目まぐるしく変化を遂げていますが、チャンスも同等に広がっています。
2022年はハイブリッド型のイベントの開催やファーストパーティクッキーの使用など、大きな変化が予想されます。
今回ご紹介したデジタルマーケティングトレンドを活用し、変化をチャンスに変える準備を始めましょう!