国内から海外に向けて商品を販売するECサイトを越境ECサイトといいます。
日本でも近年、越境ECサイトを使って海外向けに事業展開するショップが増えています。
多くの企業で越境ECサイト作成の際に採用しているのが「Shopify(ショッピファイ)」です。
今回はShopifyで越境ECサイトを作成するときにおすすめのShopifyアプリをご紹介します。
越境ECサイトを作成するポイントや注意点も説明するので、これから越境ECサイト作成にチャレンジする方はぜひ参考にしてください。
CONTENTS
Shopifyの越境ECサイト作成に役立つアプリ5選
海外の人が自社のサイトを訪問したとき、日本語や日本の通貨しか対応していないと、サイトから離れてしまう可能性が高いでしょう。
せっかく商品に興味を持っていても、説明や魅力が正確に伝わらない可能性もあります。
越境ECサイトは海外のターゲットに向けて発信するため、以下の4つのポイントが重要です。
・多言語対応
・多通貨対応
・海外配送
・豊富な決済方法
Shopifyではアプリを活用することで、上記の越境ECサイトのポイントを解決できます。
越境ECサイト作成に役立つアプリをご紹介します。
langify
※画像引用:langify
料金 | 月額17.50米ドル |
トライアル期間 | 7日間 |
アプリの機能 | 多言語対応 |
越境ECサイトでは、サイトを訪れた人の母国語で表示される機能が欠かせません。
langifyを利用すると、多言語に対応したショップの作成が可能です。
サイトを訪れた人の優先言語が自動でリダイレクト(自動的に転送する)され、母国語に切り替えられます。
手動での言語切り替えも可能で、メタタグの翻訳といったSEOも行ってくれるのが魅力です。
ただし自動翻訳機能は付いていないため、翻訳は手動で行うか、次に紹介する「Langshop」など、別のアプリの使用が必要です。
設定画面はシンプルで使いやすく、1,300件以上のレビューがある人気アプリです。
LangShop
※画像引用:LangShop
料金 | プランは全部で3種類
・無料 ・標準(月額34米ドルまたは年額340米ドル) ・アドバンス(月額68米ドルまたは年額680米ドル) |
無料トライアル期間 | 14日間 |
アプリの機能 | 多言語翻訳/多通貨対応 |
LangShopは400件以上のレビュー数がある人気アプリで、241言語の翻訳が可能です。
アプリで希望の言語を追加すると、簡単に自動で翻訳が行われます。
多言語SEOも対応しており、翻訳言語ごとのURL生成や、メタタグやメタディスクリプションタグの検出・翻訳を行います。
さらに同アプリは80以上の通貨に対応しており、言語ごとに通貨の設定も可能です。
サイト訪問者は自国の通貨にレート換算する必要がなく、商品の価格を把握しながら買い物できます。
プランは3種類あり、翻訳できる言語数や受けられるサポートが変わります。日本語でサポートを受けることも可能です。
Weglot
※画像引用:Weglot
料金 | プランは全部で5種類
・無料 ・Starter(年額99ユーロ) ・Business(年額190ユーロ) ・Pro(年額490ユーロ) ・Advanced(年額1,990ユーロ) |
無料トライアル期間 | 10日間 |
アプリの機能 | 多言語翻訳 |
Weglotはウェブサイトを多言語化する翻訳プラグインで、50,000件以上のウェブサイトで採用された実績があります。
ShopifyのWeglotアプリも1,200件以上のレビューがあり、人気です。
Shopifyの全テーマと全アプリに対応しており、100言語以上の自動翻訳が可能です。
多言語SEOも対応しており、翻訳ページごとのURL生成や、メタタグやメタディスクリプションタグの検出・翻訳を行います。
プランは全部で5種類あり、プランごとに翻訳できる言語数や単語数が変わります。
Best Currency Convert
※画像引用:Best Currency Convert
料金 | 無料プラン有り
有料プランは月額9.95米ドル |
無料トライアル期間 | 30日間 |
アプリの機能 | 多通貨対応 |
Best Currency Convertは、7,900件以上のレビューがある、人気の多通貨変換アプリです。
サイト訪問者が自国の通貨を選択すると、ショップの商品価格を訪問者の通貨に合わせてレート変換し、表示します。
1日に2回通貨レートを自動更新するので、最新の価格を表示できます。
無料プランと有料プランの2種類があり、無料版は5つの通貨、有料版は160種類以上の通貨に対応可能です。
Ship&Cot
※画像引用:Ship&Co
料金 | 従量課金制で送り状1件発行につき税込み33円
月額100件ごとに税込み2,090円のプランもある |
無料トライアル期間 | 14日間 |
アプリの機能 | 配送管理 |
Ship&Coはクラウド型アプリで、越境ECサイトに対応した出荷作業を簡略化できるシステムです。
注文された商品のサイズや重量を入力すると、配送業者ごとに配送料金の一覧が表示されます。
料金を簡単に比較できるので、ショップ運営者は海外配送でも最適な配送方法を選択できるでしょう。
同アプリを利用すると、手間がかかる送り状、納品書、インボイス(適格請求書保存方式)をスピーディーに発行できます。
送り状発行とともに追跡情報も自動同期されるので、貨物の配達状況が確認できて安心です。
運送会社は以下の中から選択できます。
国内配送…ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、西濃運輸
海外配送…FedEx、UPS、DHL、SF Express、国際郵便(EMSなど)、オーストラリア郵便
決済はPayPalを標準利用できる!
越境ECサイト作成でポイントとなる「多言語対応」「多通貨対応」「海外配送」は、Shopifyのアプリを活用して解決できます。
4つ目のポイントである「豊富な決済方法」は、Shopifyで「PayPal」が標準利用できます。
「PayPal」は世界最大規模のオンライン決済サービスで、200以上の国と地域、100通貨以上で対応可能です。
さらにShopifyの決済サービス「Shopify Payment」を利用すれば、クレジットカード決済やVISA、Apple Payなども選択できるようになります。
アプリだけに頼らない!越境ECを成功させるポイント・注意点
越境ECサイト作成に役立つShopifyのアプリですが、アプリだけを頼るのでは事業が成功しないでしょう。
越境ECサイトを成功させるポイント・注意点を説明します。
ターゲットとなる国を決めて需要を調査する
まずは自社の商品の魅力を分析し、どの国に向けて販売するのかターゲットを決めます。
日本で好まれているものでも、国が違えば同じように売れるとは限りません。
国によってライフスタイルやトレンド、価値観などが違うためです。
ターゲットとする国の言語や通貨、リードタイム(注文してから届くまでの日数・時間)、
税率だけではなく、嗜好(しこう)やニーズ、販売する商品の競合など、市場調査を行いましょう。
需要を参考に、販売する商品や価格、好まれるECサイトのデザインなどを検討します。
国ごとの輸入規制品や許可、関税を調べる
国によっては法律で販売や輸出入に規制があるケースがあります。
自社の商品が発送先の国で販売可能な品目か調べましょう。
例えばシンガポールでは、チューイングガムや電子タバコ、ピストル型のライターなどは、輸入禁止品目です。
また輸入の際に許可が必要なケースもあります。アメリカの場合は、食料品、化粧品、医薬品などの販売をする際、FDA(アメリカ食品医薬品局)に登録しなければなりません。
さらに国外へ商品を発送する際に必ず発生するのが、関税です。
国や配送物によって関税の額は異なります。想定以上に高額になるケースもあるため、事前に調べておきましょう。
国ごとの詳しい関税率は以下のサイトで調べることができます。
まとめ
Shopifyで作ったサイトで越境ECを成功させるには、自社商品のターゲット像を明確にして、
そのターゲット像が欲するであろう言語・決済・通貨を最低限用意する必要があります。
そのためには、Shopifyの越境EC用のアプリを活用すれば、効率よくサイトを越境EC向けに改善できます。
ただし、アプリに頼るのではなく、ターゲットに近い人に直接アドバイスをもらったり、
Web制作会社に相談することで、自社サイトの越境EC戦略をより綿密に設計することは忘れてはいけません。