5つのソーシャルメディアキャンペーン成功事例から学ぶ、バズるキャンペーンの組み立て方

現在、毎日ソーシャルメディアを利用する人々の数は35億人にのぼります。

友人や恋人と繋がるInstagrmaに、仕事関係の人と繋がるLinkedin、自分の好きなアーティストの呟きを眺めるTwitter…ソーシャルメディアは常に忙しい場所であり、

人々を繋げてくれる場所なのです。

ある調査によると消費者の73%が、購買決定の際にブランドのソーシャルメディアでの投稿やメッセージに影響を受けたことがあると答えていることからも、

ソーシャルメディアがどれほど潜在顧客に影響を及ぼすかも見てとれますね。

ソーシャルメディアはデジタルの世界にある分、使い方によって可能性は無限大に広がるのですが、逆に何をどうすれば良いのか…頭を抱えているマーケターもいるかもしれません。

そこで今回はソーシャルメディアキャンペーンの成功事例をご紹介するだけでなく、

そこから使えるアイデアを得ていただけるよう、各キャンペーンの「ポイント」を詳しくご紹介いたします。

ソーシャルメディアキャンペーンとは?

ソーシャルメディアキャンペーンとは?

ソーシャルメディアキャンペーンとは、何らかのソーシャルメディアを用いて、戦略的に計画された施策を特定のオーディエンスを対象として実施する、

ソーシャルメディアプラットフォームを活用したキャンペーンのことを言います。

多くのブランドは、ソーシャルメディアキャンペーンを行うために、以下のようなプラットフォームを使用しています。

Facebook

Instagram

YouTube

Twitter

TikTok

LinkedIn

Pinterest

Reddit

日本ではReddit、Pintrestはあまり活用事例がありませんが、LinkedinはB2Bビジネスのマーケティングに活用されています。

さらに、ほとんどのブランドは、ソーシャルメディアキャンペーンを実施するにあたり、複数のチャンネルを同時に使用しています。

それでは、7つのソーシャルメディアキャンペーンの事例と、それぞれの優れているポイントをご紹介いたします。

Apple:Shot on iPhone(iPhoneで撮ってみよう)

ソーシャルメディアキャンペーンとは?

アップルは、スマートフォンの販売促進を目的としたソーシャルメディアマーケティングキャンペーン「Shot on iPhone」を実施。

このキャンペーンでは、オンラインおよびオフラインの広告に、スマートフォンで撮影されたオリジナルコンテンツを使用されていました。

Apple:Shot on iPhone(iPhoneで撮ってみよう)

画像引用:https://www.instagram.com/apple/

今回のキャンペーンでは、AppleがInstagramのUGC(=User Generated Contents)を活用したことが多くのエンゲージメントを生み出した要因だったと考えられています。

UGC(=User Generated Contents)とは?

UGCとは、ユーザーが自ら無報酬で作成し、ソーシャルメディア上に公開されるコンテンツのことです。

これらの投稿者は、お客様、フォロワー、もしくはブランドファンであり、画像、動画、ブログへの記事などをソーシャルメディアに投稿しオリジナルコンテンツでブランドを宣伝します。

この事例でAppleは、ハッシュタグ「#shotoniphone」を作成し、Instagrma上でのソーシャルメディアキャンペーンを実施しました。

現在、このハッシュタグを付けた投稿はInstagram上に1,290万件の投稿があります。

考えてみてください、Appleは一切 費用を投入して写真の投稿をオーディエンスにお願いしている訳でないにかかわらず、これほどの画像が投稿されているのです。

Appleはこのソーシャルメディアキャンペーンの成功に伴い、その後も「#iphoneography」、「#iphotography」、「#iphonephoto」、「#shotoniphone12pro」など。Appleブランドに関連したハッシュタグを積極的に使用し、キャンペーンを実施しています。

-ポイント:UGCの投稿を促す

ポイント:UGCの投稿を促す

今日、AppleやAirbnbのような大企業からスモールビジネスオーナーまで。

あらゆる企業がマーケティング戦略の一環としてUGCを活用しています。

その理由は明確です!

UGCは、最小限のリソースでターゲットオーディエンスを惹きつけることができるだけでなく、

実際のユーザーのリアルな声を反映できることから、多くのオーディエンスが「信頼感」を感じれる、優れたコンテンツを生み出す方法なのです。

また、UGCは典型的な広告のようなコミュニケーションではないため、1人のユーザーが自然な形で自分のフォロワーに宣伝してくれれば、

彼らのフォロワーは違和感なく、商品のことを知ったり 覚えたりすることにつながりやすいのです。

では、UGCを活用する1番の利点は何でしょうか?

ある調査によると、一般ユーザーが投稿したUGCをブランド側がシェアすると、通常の企業がしている投稿に比べてエンゲージメントが28%も増加するのです。

利点はそれだけではありません。

UGCを利用した広告は、一般的な広告に比べて、クリック率が4倍に伸び、クリック単価が50%低下するのです。

では、UGCを活用したソーシャルキャンペーンはどのように始めればよいのでしょうか?

もし、あなたがeコマースサイトを運営している場合は、フォロワーが商品を紹介する投稿に特定のハッシュタグをつけてもらうように促し、

そのハッシュタグ1つであなたのブランドの商品の使用感が潜在顧客に伝わるようにすることもできます。

また、商品を販売していない場合は、ブランドの価値観や、ターゲット層が楽しんでいることをテーマにしたハッシュタグを作ることを検討してみてください。

大切なポイントは、ユーザーが作成したUGCを活用することで、ブランドと顧客の間に信頼を築き、顧客を大切にしていることを示すことができるのです。

もし、あなたのブランドがソーシャルキャンペーンのアイデアに悩んでいる場合は、ぜひUGCを活用したキャンペーンに挑戦してみてください。

費用が必要ない分、さまざまな切り口でキャンペーンに挑戦できるはずです。

Dove:プロジェクト#ShowUs(#私たちに見せて)

Dove:プロジェクト#ShowUs(#私たちに見せて)

Doveはこの20年間、人間の自然な美しさや、ポジティブなボディイメージなどといった、

常にインクルーシブでブレない価値観を軸に、優れたソーシャルメディアキャンペーンを展開してきました。

Doveのキャンペーンの中でも、16年前の2004年に開始された#RealBeautyキャンペーンは他のどの企業のキャンペーンとも一線を画するものでした。

Real Beautyキャンペーンは全世界で人々の注目を集め、さまざまな形で展開され、最終的には企業独自のミッションへと発展してきたのでした。

そんなDoveの最新のソーシャルメディアキャンペーンは、「#ShowUSプロジェクト」というキャンペーンです。

世界では約70%もの女性が、メディアや広告で自分自身の存在を表現されていないと感じているということが調査で判明したことを受け、Doveは、Girlgaze、Getty Images、そして世界中の女性と提携し、美の固定観念を打ち砕くためのフォトライブラリーを作成しました。

Dove:プロジェクト#ShowUs(#私たちに見せて)

DoveもAppleと同様、UGCの力を最大限に活用するソーシャルキャンペーンを実施したのでした。

フォトライブラリには5,000枚の画像が、Instagmramでは約65万回以上のハッシュタグの使用があり、

このキャンペーンはインターネット上でセンセーションを巻き起こしたのでした。

Dove:プロジェクト#ShowUs(#私たちに見せて)2

Doveの価値観は、このキャンペーンに大きな影響力を与え、目新しさやトレンドが氾濫する世界で長続きすることに成功しました。

Doveの価値観やメッセージは常にブレることがありません。

トレンドやオーディエンスの好みに寄ることなく、Doveにしか言えないメッセージを発信し続けることで、ファンを増やし続けているのです。

-ポイント:自分の価値観を表現する

Doveのように、価値観をオーディエンスと共有することで彼らと真の信頼関係を築くことに成功しているのです。

現代の多くの消費者は、商品そのものの価値だけをみるのではなく、そのブランドが自分と同じ価値観を持つことを重視しています。

なので、常にブランドのミッションや掲げているビジョンに沿ったトピックでソーシャルメディアキャンペーンを行うことを恐れず、積極的に行ってください。

もちろん、細心の注意を払うことは必要です。

政治的な発言や物議を醸すような意見は、すべての分野で評価されるとは限りません。

事実、71%の消費者はソーシャルメディアでブランドが政治に関与することを少し迷惑に感じているのです。

しかし、価値観を共有することは人との間に強固なつながりを生み出し、マーケティングを成功させるためには効果的な方法です。

どのような価値観であっても、必ずその価値観はあなたのブランドが「常に」心がけていること、

その場限りの発言にならないよう、毎日の投稿の中でもしっかりとブランド独自のメッセージを発信するように心がけてくださいね。

MoonPie:スーパーボウルでのCM

MoonPie:スーパーボウルでのCM

皆さんはMoon Pieというお菓子の名前を聞いたことがありますか?

日本でいうエンゼルパイのような商品であるスナックブランド「MoonPie」は、彼ら独自のブランドのトーンを使用してソーシャルメディアでオーディエンスとの繋がりを深めていたのでした。

MoonPie:スーパーボウルでのCM

「私はこれでアーティストだわ(笑)」

MoonPieの特徴は楽しくて皮肉的なメッセージトーンです。

このように新商品の情報だけでなく、まるで普通の一般ユーザーが日常でつぶやくような内容をツイートすることで、オーディエンスは企業との距離を近く感じるのです。

-ポイント:独自のブランド・ボイスを開発する

ユニークなブランドボイスは、ソーシャルメディアを使った楽しいキャンペーンには欠かせない要素なのです。

あなたのブランドには何かしら個性がありますか?

その個性をソーシャルメディアで表現できていますか?

Sprout Social社の調査によると、消費者はソーシャルメディア上で誠実で親しみやすく、親切なブランドパーソナリティを示すブランドを好むという結果が出ています。

自分のブランドボイスがどのようなものかわからない場合は、会社の価値観とターゲットオーディエンスが求めているものが交わるポイントを探してみましょう。

ソーシャルメディアごとにトーンを使い分けることは大切ですが、どのソーシャルメディアで、

いつでも「あなたのブランドボイス」を消費者がすぐに感じられるように、メッセージのトーンを統一するようにしましょう。

Casper:Sleep Channel(スリープチャンネル)

Casper:Sleep Channel(スリープチャンネル)

マットレス専門店「Casper」は、ターゲットに向けて より良い睡眠をサポートするミュージックプレイリストを提供するソーシャルメディアキャンペーンを実施しました。

CasperのFacebookページでは、このプレイリストを「まるで魔法のように、あなたを眠りを誘う音楽やベッドタイムストーリーをお届けします」と紹介しています。

このキャンペーンはFacebookだけでなく、Instagram、Twitterなどのソーシャルメディアでもプレイリストを宣伝するだけでなく、

実際に曲から制作し、Spotifyでプレイリストにして それらをオーディエンスと共有したのでした。

Casper:Sleep Channel(スリープチャンネル)

-ポイント: 他社がやっていないことに挑戦する

FacebookやInstagramではオーディエンスにメッセージを届けるためのブランドメッセージで溢れかえっています。

また、多くのブランドがSpotifyのプレイリストやポッドキャストを活用して、既存の音楽を選択しプレイリストを作成しています。

しかし、Casperが他社と異なった点はオリジナルの曲を制作し、そしてそれらをSpotifyのようなチャンネルでプレイリストとして公開したということでした。

コンテンツに溢れかえっている現代だからこそ、「オリジナル」を作るブランドや企業は少なくなってきています。

あなたのブランド「しか」できないオリジナルをソーシャルメディアでオーディエンスに楽しんでもらうアイデアを考えてみましょう。

P&G:DistanceDance(ディスタンス ダンス)

Casper:Sleep Channel(スリープチャンネル)

パンデミックが続いていた中、消費財メーカーのP&Gは、安全に距離を取りながら楽しむことができ、

尚且つ人とのつながりを感じることのできる方法として、「ダンス」で繋がる ソーシャルメディアキャンペーンを実施しました。

P&Gは、TikTokの大人気インフルエンサーであるCharli D’ Amelio氏とコラボレーションし、「#DistanceDance」キャンペーンを開始。 

キャンペーン自体は「#DistanceDance」というハッシュタグを付けてTikTokに動画を投稿するという、シンプルなものでした。

しかし、人々はパンデミックの影響で家にいざるを得なかったため、ダンスチャレンジなどは彼らの時間を使って楽しめるアクティビティーとして評価されたのでした。

その結果、TikTok上には数百万本の動画が投稿され、最初の1週間で80億回以上の再生回数と190万本以上の動画を記録しました。

そして現在、このハッシュタグはTikTokで177億回の再生回数を記録しています。

P&G:DistanceDance(ディスタンス ダンス)

動画:https://youtu.be/_CdZDaO5-tQ

-ポイント:社会的責任を重視する

P&Gは消費者向け健康に関わる商品を幅広く提供しているため、コロナ禍で人々の健康危機が続く中、社会的責任を果たすことは当然のことだったのかもしれません。

家にいなければいけないというストレスフルな状況を、ダンスというアクティビティーを通してポジティブに乗り切ることを提案できたことがP&Gのアイデアが輝いたポイントでしょう。

結果としてP&Gは、「#DistanceDance」キャンペーンにより、CSR戦略を他のマーケティング活動やブランド認知度向上活動と意図的に連携させ、完璧に機能させることができたのでした。

また、TikTokで一番といっても過言でないほど有名かつ人気のインフルエンサーとコラボしたことで、シンプルなアイデアだったにもかかわらず、短期間で多くのオーディエンスを巻き込んでしまうキャンペーンへと進化させたのでした。

P&G:DistanceDance(ディスタンス ダンス)2

画像出典:https://www.insider.com/charli-damelio-distance-dance-on-tik-tok-to-drive-donations-2020-3

「誰でも参加ができる」「楽しい」「社会的意義がある」

この3つが揃っているキャンペーンは必ず、ソーシャルメディアでは話題になること間違いなしです。

あなたのブランドのソーシャルメディアキャンペーンはこれらが揃っていますか?

もし、参加に何かしらの条件を設けるなら、それらも一般オーディエンスが満たしやすい条件に変更することを検討してみてもいいかもしれませんね。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は海外のソーシャルメディアキャンペーン成功事例を元に、ソーシャルメディアキャンペーンのキーポイントをご紹介いたしました。

ソーシャルメディアは使い方次第でローリスク、ハイリターンでキャンペーンを実施することができます。

ぜひ、今回紹介したポイントを活用して、あなたのブランドにしかできないソーシャルメディアマーケティング、キャンペーンを実施してみて下さいね!

 

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著者紹介

代表取締役CEO
1985年生まれ。岩手県出身。
SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。