ソーシャルメディア界のダークホースとして頭角を現してきたTikTokですが、2022年は今まで以上に人気が集まることでしょう。
TikTokだけではありませんが、YoutubeやInstagramなどのソーシャルメディアでは「アルゴリズム」という高度なパーソナライズを実現する機能が搭載されており、
そのおかげでユーザーはソーシャルメディアを楽しんで活用できるようになっています。
また、アルゴリズム自体は頻繁に変更されるため、それらを完全に攻略することは難しいのですが、
ある程度の情報は公開されているため、知っているのと知らないのとではコンテンツ制作に大きな差が生まれてしまうかもしれません。
本記事では2022年は、TikTokのアルゴリズムがどのように機能するかについて、ブランドが知っておくべきことをすべてをご紹介いたします。
CONTENTS
TikTokのアルゴリズムとは?
一般的にソーシャルメディアで使用されているアルゴリズムは似ているものです。
ソーシャルメディアで利用されるアルゴリズムは、例えるなら問題を解決する小さなデータのパズルのようなもので、
プラットフォーム上のコンテンツをまる抱えし、その中から次を「予測」するための答えを導き出す計算式のことを言います。
言い換えれば、コンテンツの関連性に基づいて、ユーザーのフィードの投稿を並べ替える方法なのです。
そして、TikTokではこのようなアルゴリズムを活用して、ユーザーのFor Youページに表示されるビデオを決定し、おすすめしているのです。
基本的にアルゴリズムはそのユーザーひとり一人に合ったコンテンツを選び、表示させているので、
あなたとあなたの友人のTikTokでおすすめされている動画が全く一緒のものという可能性は極めて低いのです。
このように、表示されるビデオはあなたが見た動画の好みや検索などによって変化しています。
TikTokは、TikTok For Youページのアルゴリズムを次のように定義しています。
“あなたの興味に合わせてキュレーションされたビデオが見れるから、あなたが好きなコンテンツやクリエイターを簡単に見つけることができます。”
TikTokのアルゴリズムの仕組みはどうなっているのか?
基本的にどのソーシャルメディアプラットフォームでも、アルゴリズムの仕組みについては秘密にしているところがほとんどです。
なぜかというと、このアルゴリズムを駆使したパーソナライゼーションの実現は各ソーシャルメディアの独自性を高めるためのオリジナルな技術であるため、
基本的には他社に真似されることや攻略されてしまうことを恐れているのです。
アルゴリズムの機能は、ソーシャルネットワークが私たちを惹きつけ、注意を引き続けるためのキーポイントなのです。
また、アルゴリズムが少しでも攻略されてしまうと、完璧な「一人ひとりのユーザーに合ったパーソナライズ」ではなく、
その人に相応しくない動画ばかりがおすすめされてしまう、偽装されたパーソナライズになってしまうのです。
そのような面もあり、多くのソーシャルメディアプラットフォームがアルゴリズム機能については慎重に情報を扱ってきたのですが、
多くのユーザーがその内部構造についてより懐疑的になってきていることも事実です。
「なんで私の好みがここまでわかるの?」「少し怖いような気がする…」
こうなってしまってはソーシャルメディアそのもののユーザー数の減少につながってしまいかねません。
その為、ほとんどのソーシャルメディアプラットフォームがアルゴリズムの「基本的な」仕組みを明らかにするようになったのでした。
TikTokが公開しているアルゴリズムのヒント
ユーザーインタラクション
Instagramのアルゴリズムと同様に、TikTokのアルゴリズムはアプリ上のコンテンツとユーザーのインタラクションを基におすすめを行います。
では、それはどのようなインタラクションなのでしょうか?
For Youのページでは、以下のようないくつかの要素に基づいてコンテンツをおすすめしています。
・あなたがフォローしているアカウント
・非表示にしたクリエイター
・投稿したコメント
・アプリで「いいね!」や「シェア」をしたことがある動画
・お気に入りに追加した動画
・「興味がない」とマークした動画
・不適切な動画として報告した動画
・最後まで視聴した長時間の動画(動画視聴完了率)
・自分のアカウントで作成したコンテンツ
・オーガニックコンテンツや広告とのインタラクションによって示された興味
動画情報
ユーザーインタラクションシグナルは、アプリ上で他のユーザーとどのように交流しているかに基づいていますが、動画情報シグナルは、
あなたが検索タブで探す傾向にあるコンテンツに基づいています。
これには、以下のような詳細が含まれます。
・キャプション
・音
・ハッシュタグ
・エフェクト
・トレンドトピック
デバイスとアカウントの設定
これらは、TikTokがパフォーマンスを最適化するために使用する設定です。
ただし、アクティブなエンゲージメントではなく、1回限りの設定選択に基づくため、ユーザーのインタラクションやビデオ情報のシグナルほど、
プラットフォーム上で表示される内容に影響を与えません。
TikTokアルゴリズムに含まれるデバイスおよびアカウント設定の一部を紹介します。
・言語設定
・国の設定(自分の国の人のコンテンツを見やすくする場合があります。)
・携帯端末の種類
・新規ユーザーとして選択した興味のあるカテゴリ
TikTokのアルゴリズムに含まれないもの
次のようなコンテンツは、アルゴリズムによって推薦されることはありません。
・重複するコンテンツ
・すでに見たことのあるコンテンツ
・アルゴリズムがスパムと判断したコンテンツ
・動揺させる可能性のあるコンテンツ(TikTokは「生々しい医療処置」や「規制対象商品の合法的消費」を例として挙げています。)
そして、TikTokの新規ユーザーや、まだ多くのフォロワーを獲得していないユーザーにとって朗報があります!
TikTokは、フォロワー数や過去の高パフォーマンスのビデオの履歴を基にコンテンツをおすすめすることはありません。
確かに、より多くのフォロワーを持つアカウントは、人々が積極的にそのコンテンツを求めているため、より多くのビューを得ることができるでしょう。
しかし、もしあなたがターゲットオーディエンスに直接語りかける素晴らしいコンテンツを作れば、
過去に動画がバイラルになったアカウントと同じくらい、彼らのFor Youページに載るチャンスがあるのです。
TikTok Proアカウントに切り替える
TikTokには、クリエイターか企業かによって、2種類のプロアカウントが用意されています。
プロアカウントを持っているだけでは、For Youページに動画を掲載することはできませんが、
それでもプロアカウントに切り替えることは、TikTokのアルゴリズムを使いこなす上で重要なポイントになります。
クリエイターまたはビジネスアカウントでは、TikTokの戦略を導くのに役立つ指標やインサイトにアクセスすることができるからです。
またそれらの機能にアクセスできることで、オーディエンスが誰で、いつアプリを使って動画を見ているのか、
どのようなコンテンツを楽しんでいるかなどを理解することができるのです。
そしてそれらを理解することで、更にオーディエンスが好むであろうコンテンツを作成できるようになるのです。
自分のサブカルチャーを探す
すべてのソーシャルプラットフォームにおいて、関わるべき既存のコミュニティを見つけることは非常に重要です。
しかし、TikTokのアルゴリズムの性質上、このステップはアプリ上でさらに重要なものとなっています。
なぜなら、他のソーシャルネットワークでは、人々はすでにフォローしているアカウントのコンテンツを閲覧するのに多くの時間を費やすのに対し、
TikTokユーザーはほとんどの時間を「For Youページ(おすすめページ)」に費やすからです。
既存のコミュニティやサブカルチャーを利用できれば、適切なオーディエンスに増幅される可能性が高くなります。
幸いなことに、TikTokのサブカルチャーはハッシュタグを中心に集まっています。(ハッシュタグについては後ほど説明します)
最も価値のあるサブカルチャーを理解することは、TikTokユーザーと真に結びついたコンテンツを作成し、
より高い信頼性、ブランドロイヤリティ、そしてさらなる露出を生み出すことにもつながります。
最初のフックを大切にする
TikTokはソーシャルメディアの中でも特に動きが速いプラットフォームです。
このプラットフォームでは、Yoiutubeのように動画の本編に入る前にイントロを用意している暇はありません。
ですので、重要なことは動画の最初にフックとして持ってきて、オーディエンスが他の動画を探すためにスクロールするのをやめるように仕向ける必要があるのです。
TikTokは最初の数秒間で注目を集めることが重要なので、そこでオーディエンスに動画の価値を示しましょう。
この統計はTikTokの広告から得たものですが、オーガニックコンテンツでも検討する価値があるかもしれません。
TikTok動画の冒頭で驚きなどの強力な感情を表現すると、中立的な表現で始まるコンテンツに比べて1.7倍ものリフトが発生したのでした。
魅力的なキャプションを書く
TikTokのキャプションには、ハッシュタグを含めて150文字しか書くことができません。
しかし、だからといって「何も書かない」という選択をするのはあまりにも勿体無いのではないでしょうか?
優れたキャプションは、オーディエンスにあなたの動画を見るべき理由を伝え、アルゴリズムへのエンゲージメントと動画完成度のランキングシグナルを増加させることに役立ちます。
ですので、積極的にキャプションを使って、好奇心を刺激したり、コメントで会話を盛り上げるような質問をしたりしましょう。
TikTok専用の高品質な動画を作成する
TikTokの動画形式は他のコンテンツの動画形式と大きく異なります。
今でこそ、Instagramではリール機能が追加されたり、YoutubeでもYoutube Shortsが存在していますが、
それら以外の彼らのメインコンテンツの形式はTikTokの形式とは似ても似つかないようなものなのです。
ですので、TikTokで見た時にきちんと違和感なく、「高品質」に見えるように工夫するようにしましょう。
それを実現するのに、派手な機材は必要ありません。むしろ、本格的なビデオを作成するには、スマホが最適なツールです。
必要なのは、適切な照明、できれば良いマイク、そして、コンテンツを動かし続けるための素早い編集です。
TikTok動画の長さは5秒から3分ですが、オーディエンスの興味を引きつけるために12秒から15秒が動画の尺の目安となります。
また、TikTokは動画の大きさが9:16の縦長フォーマットなので、そのサイズで撮影する必要があります。
TikTokでは縦長で撮影された動画の方が、6秒間の視聴率が平均25%高くなるという結果も出ています。
また、動画には必ず音をつけるようにしましょう。
TikTokユーザーの88%が、このプラットフォームではサウンドが「必要不可欠」だと回答しています。
1分間に120回以上再生される速いテンポの曲は、最も高いビュースルー率になります。
そして、エフェクトやテキスト処理など、TikTokのビルトイン機能をぜひ使ってみてください。
TikTokによると 「これらのネイティブ機能は、あなたのコンテンツがプラットフォームにとってネイティブであることを感じさせ、
より多くのFor Youページに掲載されるのを助けることができます!」とTikTokは述べています。
オーディエンスに合ったタイミングで投稿する
これはすべてのソーシャルメディアプラットフォームにとって重要なポイントなのですが、TikTokでは特に重要なのです。
コンテンツへの積極的な関与は、アルゴリズムへの重要なシグナルとなります。
また、投稿時間のベストタイミングはオーディエンスごとに異なるので、あなたのアカウントを見てくれているオーディエンスにとっても、
あなたのアカウントにとっても最適なTikTokへの投稿のタイミングを見つけることに努めましょう。
アプリ上でオーディエンスが最もアクティブな時間帯は、ビジネスまたはクリエイターアカウントのアナリティクスで確認することができます。
また、TikTokは公式に1日に1〜4回投稿することを推奨しています。
他のTikTokユーザーとエンゲージする
TikTokユーザーの21%は、「他の人の投稿にコメントするブランドに対してより親近感を覚える」と回答しています。
自分の動画へのコメントを常に把握することも、アルゴリズムへのエンゲージメントシグナルを構築する上で重要です。
TikTokは、スティッチ、デュエット、コメントへのビデオ返信など、他のTikTokクリエイターと交流するためのユニークな方法をいくつか提供しています。
スティッチは、他のTikTokerのコンテンツから瞬間を切り取って自分のコンテンツに統合することができるツールです。
デュエットは、あるユーザーが他のユーザーと「デュエット」する際に、元のクリエイターの動画の横にリアルタイムでコメントすることができるツールです。
TikTokのデフォルト設定では、他のユーザーがあなたのコンテンツを使用してデュエットやスティッチのビデオを作成することができます。
アカウント全体でこれらの機能をオフにすることもできますが、その場合、他のTikTokユーザーがあなたのコンテンツを活用してコンテンツを作ったり、
コラボに参加する機会が制限されるため、他のユーザーから発見される可能性が減少するでしょう。
適切なハッシュタグを使用する
いくつかのタイプのハッシュタグは、TikTokのアルゴリズムでコンテンツを後押しするのに役立ちます。
-For Youページのハッシュタグ
#foryoupage、#fyp(for you pageの略)などのタグは、For Youページに掲載されるためによく使用されます。
TikTokはこれらが有効かどうかを確認しませんが、これらを使用しているアカウントの数を考えると、この投稿でChipotleが行っているように試してみる価値はあるかもしれません。
-トレンドのハッシュタグ
トレンドのハッシュタグを見つけるには、「発見」タブに移動し、画面上部の「トレンド」をタップします。
チャレンジに関連するハッシュタグに注目してみてください。
ハッシュタグチャレンジは、アルゴリズムに良いトレンドの波動を送りながら、コンテンツの新しいアイデアを思いつくのに良い方法です。
また、TikTokユーザーの61%が、TikTokのトレンドに参加したり、自ら作成したりすると、ブランドのことをより好きになると答えています。
TikTok Creative Centerでは、地域別のトレンドハッシュタグを検索することもできます。
インスピレーションを得たい場合は、過去7日間または30日間の地域別トップトレンドのTikTokを見ることもできます。
トレンドの効果音や音楽を使用する
TikTokユーザーの67%もの人々が、人気曲やトレンド曲を使ったコンテンツを制作するブランドビデオを好むと回答しています。
そして、すでに述べたように、For Youページへの登場を狙う場合、あらゆる種類のトレンドに参加することは良い賭けとなるでしょう。
では、どのような曲やサウンドがトレンドなのかを知るにはどうすればいいのでしょうか?
TikTokのホーム画面で、下部の+アイコンをタップし、ビデオの録画ページで「サウンド」をタップします。
すると、トレンドのトップサウンドのリストが表示されます。
どのサウンドがあなたの特定のオーディエンスの間でトレンドになっているかを知るには、TikTok Analyticsを確認する必要があります。
このデータは、[フォロワー]タブで確認することが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は2022年に知っておくべきTikTokのアルゴリズムの仕組みとその活用法をご紹介いたしました。
TikTokは年々、ユーザー数も増え続け他のソーシャルメディアに影響を及ぼすほどのトレンドがどんどん生まれる場所にもなりつつあります。
しかし、InstagramやTwitterなどといったソーシャルメディアと比較すると、多くのブランドが参入していないソーシャルメディアプラットフォームでもあるため、
今のうちにTikTokに参加することは、あなたに優位性をもたらしてくれるかもしれません。
TikTokを活用される際はぜひ、今回ご紹介したポイントを参考にしてみてくださいね!