【はじめてのマーケティング】マーケティング用語を徹底解説! A/Bテストとは?

どの業界のプロフェッショナルも最初はみんなビギナーでした。

マーケティングの世界もそうなのです。顧客の動き、マーケットの動きを読み解くため、最初はわからない用語を調べ、学び続けなければなりません。

しかし、用語を理解したとしてもそれらの使い方はひとつではなく、応用させなければならないことがほとんどです。

その為にも用語の意味だけでなく、実際の使い方や応用方法を知っていく必要があります。

今記事では、そんな「学びを深めたいマーケター」の方のために、用語について詳しく解説し、応用方法などもご紹介いたします。

今回の用語はマーケターなら誰でも耳にしたことがある「A/Bテスト」です。

では、早速始めていきましょう。

A/Bテストとは?

A/Bテストとは?

A/Bテストは、広告やソーシャルポストなどを投稿する際に同じトピックで2つのバージョン用意し、

その2つを比較することで、どちらの方が効果があるかを測定する方法のことを言います。

どのようなビジネスでも、どのマーケティング戦略が最も顧客に響くかを判断するのは非常に難しいものです。

A/Bテストは、他のコンバージョン最適化戦略とともに、コンテンツを改善し、最高の顧客体験を提供し、

コンバージョン目標をより早く達成するために、様々なことを試すことができます。

また、A/Bテストでは「何を変えるか」によって測定できるものが異なってきます。

例えば、CTAボタン(Call to action)の効果を測定したい場合はAにはCTAボタン アリのデザインを用意し、

BにはAとほぼ同じデザインですが、CTAボタンが無いものを用意しなければなりません。

その他にも色合いでの比較や、メッセージでの比較も可能です。

このA/Bテストは、デジタルマーケティングの登場とともに生まれた新しいアイデアではありません。

かつてのA/Bテストの主流はダイレクトメールでした。

送られたDMを「バケツ分け」して、どれが最も効果的かを確認していたのですが、

デジタルマーケティングではこのA/Bテストによりスピードと信頼性の高い情報を提供することに成功したのです。

A/Bテストは進化する

1960年代、マーケティング担当者は、このようなA/Bテストが広告の効果を理解するのに役立つと考えるようになりました。

テレビ広告やラジオ広告で、どのようなコミュニケーションがうまく働くのか。

また、ダイレクトマーケティングには、手紙とはがきのどちらが適しているのか。

それらを明確にするのにぴったりのテスト方法だったのです。

また、90年代にインターネットがビジネスの世界で必要不可欠な存在になると、A/Bテストはデジタル化されました。

デジタルマーケティングチームがテクノロジーに強くなるとともに、リアルタイムで、かつより大規模にA/Bテストをするようになったのです。

例えば、画像付きのブログ記事と画像なしの同じ記事を比較したい場合ではどうでしょう?

まずは、確認したい要素を選択、その部分をどのように変更するかを決定しましょう。そして、他の要素は統一した上で、2つのブログ記事をランダムに訪問者に表示します。

また、コンバージョン率やページ滞在時間など、可能な限り多くのデータ記録することで、テスト結果を分析した際に大切な情報を発見できる可能性が大きくなります。

なぜ、マーケティングにおいてA/Bテストが重要なのか?

なぜ、マーケティングにおいてA/Bテストが重要なのか?

A/Bテストは、マーケティング予算を最大限に活用するために必要なデータを集めるのに最適です。

例えば、上司からGoogle AdWordsを使ってサイトにトラフィックを誘導するための予算を与えられたとしましょう。

あなたは、3つの異なる記事タイトルのクリック数を追跡するA/Bテストを設定します。

このテストを1週間行い、特定の日、特定の時間に、各オプションに対して同じ数の広告を出したとしましょう。

このテストの結果、どのタイトルが最もクリックされるかを判断することができるので、今後記事を制作する際は今回のデータをもとに最適な施策を最初から実施することができます。

このように、A/Bテストを活用することで、予算を無駄にすることがなく、ROIを向上させることができます。

小さな発見が、大きな改善につながる

A/Bテストは、比較的低コストで実施可能な変更ポイントを発見することができます。

Google AdWordsキャンペーンを実施するにはコストがかかるため、あらゆる面で可能な限り、最初から効果的であることを誰でも望みますよね。

また、A/Bテストは費用対効果が高いだけでなく、時間効率も良いのです。2つか3つの要素をテストして、何が一番オーディエンスに刺さるのか、答えを出します。

その結果を見てから、実際に変更するかどうかを簡単に決めることができるのです。

A/Bテストは何に効果を発揮するのか?

A/Bテストは何に効果を発揮するのか?

顧客向けコンテンツに関して言えば、A/Bテストで評価できることは非常に多くあります。

一般的な対象は以下の通りです。

・メールキャンペーン

・個別での顧客へのメール

・メディアマーケティング戦略

・有料オンライン広告

・ニュースレター

・ウェブサイトデザイン

など

また、これらはただの異なるコンテンツ形態ですが、ひとつのコンテンツでも比較できるポイントはたくさんあります。

例えば、サイトのデザインをテストする場合、以下のような様々なオプションを試すことができます。

・カラースキーム

・レイアウト

・画像の数・種類

・見出しと小見出し

・製品価格の表示方法

・割引の表示方法

・CTAボタンのデザイン

基本的に、顧客と接する項目のスタイルやコンテンツは、ほとんどすべてテスト可能です。

どのようにA/Bテストを行うか?

どのようにA/Bテストを行うか?

A/Bテストの有用性について学んだあとは、A/Bテストの実施方法について見ていきましょう。

ステップ1. 問題を特定する。

例えば、「コンバージョン数が少ない」という問題はあまりにも一般的すぎるでしょう。

そのコンバージョンはどこからのコンバージョンを指しますか?また、その媒体ではどのようなコミュニケーションをしていますか?

Webサイトの訪問者が顧客になるかどうか、Eメールの受信者がサイトをクリックするかどうかには、あまりにも多くの要因があります。

ですので、まずは「なぜ」コンバージョンが上がらないのかを知る必要があるのです。

例)あなたはあるレディース服の販売会社に勤めています。

その会社はオンラインでの売上は多いのですが、メールキャンペーンからの売上はほとんどありません。

アナリティクスのデータを見てみると、ユーザーの多くが特典付きのEメールを開き、読んでいることがわかりますが、

実際にコンバージョンに至っている人はほとんどいません。

ここまで「どこのコンバージョン」なのかを明確にし、その上で何を調べたいかを決定しましょう。

ステップ2. ユーザーデータを分析する。

技術的には、顧客がメールを開いたときに目にするものすべてについてA/Bテストを実施することも可能ですが、その全てを確認するには多くの時間がかかります。

彼らが目にするデザインやコンテンツには、おそらく関連性のない要素がたくさんあるので、どの要素をターゲットにするかを見極めましょう。

例)メールの開封率は高いので、件名の書き方には問題はないと推測。

しかし、メールを読むのに時間がかかっているため、即座にサイトへクリックされるようなことがない。

また、他からあなたのウェブサイトを見つけたユーザーの多くは、最終的に購入に至っているため、商品の見せ方にも問題がないことが分かります。

このことから、あなたの「メール自体は魅力的だけど、実際にクリックしようとすると何か迷いが生じている」ことがわかります。

この「何か」を明確にするために次のステップに行きましょう。

ステップ3.検証するための仮説を立てる。

次のステップは、何をどのようにテストするかを決めることです。

まずは明確にしたい「未知のもの」を1つか2つに絞り込みます。

そして、その要素を変更することで、直面している問題がどのように解決されるかを判断することができます。

例)オンラインショップにアクセスするためのボタンが、メールの下部、折り返しの下に隠れていることに気づきました。

この発見をもとに仮説として、これを画面上部に持ってくれば、より効果的にサイトへの来訪を促すことができるのではないかと考えた。

ステップ4.仮説検証を行う。

あなたのアイデアを実装した新バージョンのテスト項目を開発します。

そして、そのバージョンと現在のバージョンの2つでターゲットユーザーを対象にA/Bテストを実施します。

例)ボタンを折り目の上に配置したバージョンのメールを作成。

デザインは変更せず、位置だけを変更します。24時間テストを行うことを決定し、その時間をパラメータとして設定し、テストを開始します。

ステップ5.データを分析する。

テストが終わったら、結果を見て、新しいバージョンのアイテムがもたらした変化を分析してみましょう。

もし、結果があまりみられない場合は、新しい要素でテストしてみましょう。

例)新しいメールによってコンバージョンが少し上がったが、上司は何かもっと良い方法がないか知りたがってい様子です。ボタンの位置を、他の2つの場所に配置してみることにしました。

ステップ6.チャンピオンの新しい挑戦者を見つける。

A/Bテストの世界では、「チャンピオン」と「チャレンジャー」を、現在の最良の選択肢と新しい可能性を指す言葉として使うことがあります。

2つ以上のオプションが競合し、1つが著しく成功した場合、それはチャンピオンと呼ばれます。

そして、その勝者を、チャンピオンと呼ばれる選択肢を他の選択肢とテストすることができます。

その結果、新しいチャンピオンが生まれるかもしれないし、元のチャンピオンが本当にベストであったことが明らかになるかもしれません。

勝ちパターンを見つけることは、デジタルマーケティングの世界において大きな資産となるのです。

例)あるランディングページの2つのバージョンをA/Bテストし、両者の間でチャンピオンを見つけたとします。

しかし、そのページには3番目のバージョンもあり、1番目のテストのチャンピオンと比較したいと思います。

3つ目のバージョンは、前回のチャンピオンと比較する新たなチャレンジャーとなります。

6つのステップをすべて終えたら、改善度が十分であるかどうかを判断し、テストを終了して必要な変更を加えることができます。

また、別のA/Bテストを実施して、ボタンのサイズや配色など、別の要素の影響を評価することもできます。

A/Bテストをより効果的に実施するためのヒント

A/Bテストをより効果的に実施するためのヒント

ここでは、A/Bテストをより有益なものにするためのポイントをご紹介します。

ユーザーを代表するサンプルを使用する。

科学者なら誰でも、実験を行うなら参加者グループができるだけ似ていることを確認する必要があると言うでしょう。

ウェブサイトのテストであれば、自動テストツールを使って、無作為に選んだユーザーに各バージョンを見てもらうことができます。

グループのサイズはできるだけ同じにし、データにアクセスできる場合は、性別、年齢、地域に応じてターゲットを均等に配置します。

そうすれば、これらの要因のばらつきが結果に与える影響を最小限に抑えることができます。

サンプル数を最大にする。

より多くの人にテストすればするほど、結果の信頼性は高まります。

これは、統計学者が「統計的有意差」と呼ぶ概念と関連しています。

簡単に言うと、もし結果が統計的に有意であれば、それは偶然に発生したとは考えにくいということです。

例えば、あるメールの新バージョンを50人に、コントロールバージョンをさらに50人に送った場合、

クリックスルー率が5%上昇しても、5人が新バージョンに反応したことを意味するだけです。

この差は非常に小さいので、偶然の産物として説明することができ、同じテストを再度行えば、異なる結果が得られる可能性が高いのです。

言い換えれば、あなたの結果は統計的に有意ではなかったということです。

もし、500人のグループに同じメールを送ることができれば、5%の増加は50人があなたの新しいバージョンに反応したことを意味し、より有意である可能性が高くなります。

よくある失敗を避ける。

新しいフォント、新しい文字サイズ、新しいボタンサイズ、新しいボタンカラーでポップアップボタンを作りたくなるものです。

しかし、新しい要素を増やせば増やすほど、結果は泥沼化します。

上記の例で言うと、新しいポップアップがオリジナルと全く異なるデザインの場合、全く偶然の相関が見られる可能性が高いのです。

変更を加える前に、テストを終了させる。

A/Bテストでは、変更の効果をリアルタイムで確認できるため、結果が出たらすぐにテストを終了して、すぐに新しいバージョンを実装したくなります。

しかしそうすると、結果が不完全になり、統計的に有意である可能性が低くなります。

テストの時間が終わってから、変更を咥えましょう。

テストは複数回実施する。

ユーザーの行動は千差万別なので、どんなに優れたA/Bテスト・ソフトウェアでも、誤検出があります。

結果が正確であることを確認する唯一の方法は、同じテストを同じパラメータで再度実行することです。

新バージョンの改善幅が小さい場合は、特に再テストが重要です。

すべてのテストを再実行する余裕はないかもしれませんが、たまに再テストを行えば、エラーを発見できる可能性は高くなります。

まとめ

まとめ

いかでしたか?今回はA/Bテストの概要とその実地方法について詳しくご紹介いたしました。

A/Bテストはデジタルマーケティングで最適化を図るために欠かせない手法のひとつでもあります。

また、限られた予算を効率よく使うためにも、A/Bテストを実施して「勝ちパターン」を見つけていくことは賢いアプローチでもあります。

今回ご紹介したA/Bテストの実施方法を参考に、あなたの「勝ちパターン」を見つけてみてくださいね。

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著者紹介

代表取締役CEO
1985年生まれ。岩手県出身。
SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。