「Shopifyで商品以外の販売もできるの?」
「デジタルコンテンツをShopifyで販売できる方法があれば知りたい」
「デジタルコンテンツって商品と同じように販売できるの」
今まで有形の商品を扱ってきたけど、デジタルコンテンツを販売するにはどういう準備が必要なのかわからないとお悩みではないですか。
デジタルコンテンツは実は少ないコストで制作できるので、どのショップでも導入ができ、可能性の大きい商品です。
この記事ではデジタルコンテンツのメリットや、どういう商品を扱えばいいのかについて解説していきます。
自身のショップに合ったデジタルコンテンツの活用法を理解できれば、収益の拡大だけではなくファンの育成もできるようになります。
ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてください。
CONTENTS
Shopifyで出来るデジタルコンテンツ販売とは?
デジタルコンテンツとは、服や食品のような有形商材に対して、オンライン上で販売・配布可能な無形のメディア素材のことです。
在庫の補充や梱包・配送などが必要ないため、リスクを抑えて誰でも簡単に始められる特徴があります。
ユーザーはパソコンやスマホでコンテンツを利用することができるため、手軽さや利便性の上でも注目されている商材です。
具体的にデジタルコンテンツとして販売されている商品は以下のようなものです。
電子書籍・オンライン講座コースなどの教育コンテンツ
電子書籍はAmazonのKindleをはじめとして、紙の本をデジタル化して販売するコンテンツ形式です。
ダウンロードすれば、スマホやタブレットなどのデジタルデバイスでいつでも読書を始められ、保管場所も減らせるため人気です。
既にあるブログなどのコンテンツを書籍としてまとめたり、有料記事として販売したりも可能です。
またUdemyのように、さまざまな学習講座をオンライン上の動画で用意し、学習教材として販売する方法もあります。
あるテーマで1つの動画を売ったり、オンラインコースとして受講のサービスを販売したりもできます。
デジタルコンテンツのライセンス販売
音楽・画像・動画をアップロードし、使用料を得るライセンス販売があります。
PIXTAなどのストックフォトサイトでは、アマチュアの写真家やクリエイターが撮影した画像をアップロードし、個人や企業が使用する際にはライセンス料が支払われます。
他にもイラストや音楽など、素材として使用されることを目的に自身の作品やコンテンツを販売すれば、広く宣伝・露出することにもつながります。
サブスクリプション・会員制コンテンツ
個々のコンテンツを販売する以外にも、サブスクリプションとして継続的な会員制度にして、安定した売上げの仕組みを作ることも可能です。
代表的なものでいうとNetflixのように、月会費を払うことで配信されているコンテンツが見放題になるというサービスです。
最初から大規模なコンテンツ展開でなくても、会員限定で公開されるコンテンツを充実させていければ、熱意あるコミュニティを育成でき、より安定的な収益にもつながります。
コンサルティングなど専門的なサービス
専門的な知識やサービスをデジタルでパッケージにして販売することも可能です。
カウンセリングサービスや、事業のコンサルティングを受けられるサービス自体を時間や期間で区切っての販売などが考えられます。
Street Parkingのように、個別のトレーニングプラグラムをパッケージにして、サブスクリプションで販売し、専門のスキルを提供しています。
ビジネスだけではなく、スポーツや趣味の分野の専門知識も、十分デジタルコンテンツとして有益な商品になります。
フォーマット・テンプレートなどのデータファイル
デザインやアートではなく、書類などのテンプレートをデータファイルとして販売も可能です。
契約書・プレゼン資料・サイトのデザインなど、作業の効率化がはかれて再現性のあるものを販売するとよいでしょう。
ユーザーはテンプレートやフォーマットに沿って必要な作業を加えるだけで、希望の成果物ができるため満足度もあがります。
Shopifyでデジタルコンテンツ販売するメリット
デジタルコンテンツは有形商品の販売とは違ったメリットが沢山あります。
現在は有形商品をメインに扱っている人も、どちらの良さも理解しながら、ぜひデジタルコンテンツの販売も検討してみて下さい。
在庫リスクがない
デジタルコンテンツは、実際の商品を保管して販売する必要がないため、在庫を抱えず必要なく販売が可能です。
仕入れや在庫の管理、過剰在庫や在庫ロスによるリスクなど、商品を持つことで発生する作業やリスクがありません。
さらに商品の梱包や発送をする必要もないため、配送料や倉庫の保管料などの間接費もかからず、非常に効率よく販売が可能です。
利益率が高い
デジタルコンテンツの制作にかかるコストは、商品の製造に比べて安くなることが多く、利益率が高くなります。
しかも商品の製造には商品原価が必ず発生しますが、デジタルコンテンツは一度制作すれば複製のコストもかかりません。
在庫管理や梱包などの人件費、配送料などの間接費も発生しないため、売上の大部分を利益にすることができるのです。
自動化できる
注文を受けたら発送作業なしですぐに納品ができるため、商品販売の自動化が期待できます。
一度販売を始めたら在庫補充や入出庫の管理など、商品管理の必要もなく、運用の工数をかけずに自動化できる可能性があります。
キャンペーン施策の展開などの柔軟性がある
デジタルコンテンツの販売は柔軟性が高く、有形の商品に比べてキャンペーンによる施策や販促がしやすくなります。
アパレルなどの商品を割引クーポンや送料無料の販促する場合、商品の原価に加えて割引分のコストが引かれ、利益が少なくなってしまいます。
しかしデジタルコンテンツの場合は利益率も高く間接費がほぼかからないため、大幅な割引やサンプルとして無料プレゼントなども可能です。
さらに限定のデジタルコンテンツにアクセスできる定期購読のサブスクリプションなど、キャンペーンの活用の幅も広いのが特徴です。
将来性がある
近年Eラーニングと呼ばれるオンライン上で講座や教材を通して学習するサービスが非常に注目されています。
市場規模も伸び続けているため、成長している市場の事業を拡大するチャンスにもなります。
Shopifyでデジタルコンテンツ販売をする設定方法
Shopifyでデジタルコンテンツを販売する手順は、管理画面での設定とアプリの導入が必要です。
それぞれの手順を確認して、販売の準備をしてみてください。
STEP1:デジタルダウンロードアプリを導入する
デジタルコンテンツの購入後に、ユーザーへダウンロードリンクを提供するためには、Shopify専用のアプリを導入する必要があります。
デジタルコンテンツ販売に特化したアプリにも様々な種類があるため、後述のおすすめアプリを参考に選んでみてください。
STEP2:商品データのアップロード・配送無効の設定
販売したいデジタルコンテンツの商品を管理画面またはアプリの操作画面からアップロードします。
アップロードしたデジタルコンテンツの販売は、配送が不要なため設定を無効にしましょう。
管理画面の「商品」から対象のデジタルコンテンツを選択し、商品ページの配送セクションにある「配送が必要な商品です」の チェックボックスをオフにします。
保存をクリックすれば、配送の設定が無効になります。
使用するアプリによってダウンロード回数や種類などの設定が可能なので、アプリに合わせて販売に必要な操作をしてください。
STEP3:メールテンプレートを設定する
デジタルコンテンツを購入した後、ユーザーへ商品に関する情報を送るためのメールテンプレートを編集します。
メールテンプレートには以下の内容が含まれている必要があります。
- 購入した商品をダウンロードするためのリンク
- サービスの利用方法を説明する内容
ユーザーが迷わずコンテンツを利用できるよう、購入完了時やダウンロード完了時と分けてメールを作成することをおすすめします。
STEP4:テスト注文する
商品・メールテンプレートの設定が完了したら、正しく動作するかテスト注文をしてみましょう。
Shopifyのテストモードを使って、デジタルコンテンツの注文から購入までを実行し、ダウンロードやメールが問題ないか確認してみてください。
Shopifyのデジタルコンテンツ販売におすすめアプリ
Shopifyでデジタルコンテンツを販売するにはアプリの導入が必須です。
基本的な機能をもったアプリから、目的別に特化した機能をもったアプリまで、おすすめのアプリを紹介していきます。
Digital Downloads:基本的なダウンロードコンテンツ向け
※画像引用:Digital Downloads
■価格
- 無料
■機能
- 購入者へダウンロードリンクのメール自動送付
- ダウンロード数の制限設定
- アップデートの自動送信
Digital Downloadsは、Shopifyが提供するデジタルコンテンツのダウンロード販売を簡単に設定できるアプリです。
デジタルコンテンツを購入した顧客へ、注文後に自動でダウンロードリンクを送信し、購入後の流れについてほぼ自動化できます。
またデジタルデータを更新すると、自動的に購入者へ更新されたダウンロードリンクが送信されるため、いちいち購入者全員にお知らせする手間がありません。
デジタルコンテンツのダウンロード回数は制限することも、逆に無制限にすることもできます。
特典がつくなど、販売するコンテンツのタイプによってダウンロードは1度だけに制限したい際にも自由に設定可能です。
Sendowl:複雑なデジタルコンテンツ事業向け
※画像引用:Sendowl
■価格
- 15米ドル/月から
■機能
- 購入者へダウンロードリンクのメール自動送付
- 期間限定のダウンロードリンク発行
- ライセンスキーの自動発行
Sendowlは、期限付きリンクやライセンスキーの発行など、より複雑なデジタルコンテンツ販売を可能にする機能が備わったアプリです。
商品の注文完了後にダウンロードリンクを自動でメール配信するほか、注文完了ページにリンクを記載したり、注文メールに記載したりと様々な方法を選べます。
購入から半年間といった期間限定のダウンロードリンクも自動で発行が可能です。
ライセンス商品の販売の際は個別ライセンスキーを自動で発行することもできるため、日々の管理をすることなく自動化されています。
Sky-Pilot:ファイルや動画ストリーミングの会員制プログラム
※画像引用:Sky-Pilot
■価格
- 15米ドル/月から
■機能
- デジタルファイルや動画を販売
- アカウントページ機能
- 有形商品にデジタルコンテンツのダウンロードを付けて販売が可能
Sky-Pilotは、ファイルデータの販売や限定動画のストリーミング販売をする会員制プログラム作成に特化したアプリです。
独自のアカウントページを作成できるため、ユーザーは自分のアカウントにログインすれば、購入したファイルや動画などの全ファイルにアクセスできます。
またキッチンツールに使い方やレシピ動画を特典としてつけるなど、有形商品にデジタルコンテンツを付けることも可能です。
割引による訴求だけではなく、商品に付加価値を与える特典として活用ができます。
Thinkific:専門知識を収益化
※画像引用:Thinkific
■価格
- 無料・49米ドル/月から
■機能
- オンライン講座の作成
- 修了ページ・修了証の作成
Thinkificは、動画教材などの専門知識を収益化できるアプリです。
Shopifyでオープンしているショップにオンラインコースを追加して、受講者の育成をします。
受講者の満足度の高い講座を作れれば、他の受講者を紹介することも期待でき、収益の拡大につながります。
コースのカリキュラムはドラッグ&ドロップの直感的な操作で作成可能です。
無料プランでは3コースまでカリキュラムを作ることができるので、お試しで利用してみるのもおすすめです。
ユーザーは受講しているコースの進捗状況の確認や、自動のリマインダーでコミュニケーションが可能です。
またコース教材を無制限でリプレイや、コース完了時には修了ページと修了証で受講生を祝うなどの学習のサポート機能が整っています。
Single – NFTs, Music & Video:音楽の販売に特化したアプリ
※画像引用:Single
■価格
- 無料
■機能
- オリジナルの楽曲を販売
- NFTをストアフロントから販売
- ライブストリーミングイベントの販売
Singleは、ファンへ直接楽曲を販売することのできる音楽販売のためのアプリです。
単にデジタルデータで音楽を販売するだけではなく、視聴用クリップを商品ページに添付することも簡単にできます。
またSingleを使えば、コンサートやリスニングパーティなどのバーチャル会場にもなるのです。
ライブストリームなどファンとのつながりを深めるイベントやチケットの販売で特別な体験を提供できます。
さらに昨今話題のNFTも、Singleを使って販売が可能です。
他の商品同様に、デジタルグッズをShopifyのショップから直接販売できるため、話題性の高いコンテンツを提供できます。
Disable Right Click FREE:コンテンツの盗用を守る
※画像引用:Disable Right Click FREE
■価格
- 無料・1.99米ドル/月から
■機能
- 画像やテキストのコピー阻止
- AndroidとiOSにも対応
- プログラミング不要
Disable Right Click FREEは、デジタルコンテンツを盗用から守るためのアプリです。
画像やテキストにロックを掛けて、無断保存やコピーをできなくします。
盗用を阻止する機能はパソコン・モバイルの両方で使用でき、AndroidとiOSにも対応しているため多くのデバイス上で有効になり安心です。
設定はプログラミングもいらず簡単で、必要な機能だけを無効化できるのでユーザーに迷惑をかけることはありません。
盗用されているのを見つける前に、阻止することで自分たちのデジタルコンテンツを守ります。
Shopifyでデジタルコンテンツを販売する際の注意点
デジタルコンテンツは利益率が高いなどのメリットも多い商材ですが、販売において注意点もあります。
トラブルの回避のためにも、しっかりと認識しておきましょう。
盗用や著作権侵害のリスク
デジタルコンテンツはコピーもしやすく、誰でもダウンロードできる場合は盗用されるリスクが発生します。
画像の盗用をチェックするツールを使うなど、商品の著作権を守るためにリスクを軽減する必要があります。
プラットフォームにより制限がある
デジタルコンテンツの販売を多チャネルで展開する際に注意したいのが、一部のプラットフォームではデジタルコンテンツの販売が制限されているということです。
FacebookやInstagramのコマースポリシーでは、有形の商材販売のみが許可されているためデジタルコンテンツの販売はできません。
他にもデジタルコンテンツ販売が許可されていないプラットフォームはあるので、事前に販売可能かを確認しましょう。
無料コンテンツとの競合
デジタルコンテンツは手軽に作れるというメリットを活かし、無料のコンテンツも多く存在します。
無料のコンテンツとの差別化や付加価値を明確にしなければ、有料のコンテンツ販売は難しくなるでしょう。
しっかりとしたブランド構築とデジタルコンテンツの価値を明示する必要があります。
Tips:売れるデジタルコンテンツの作り方
オリジナルの価値あるデジタルコンテンツを作りたいと思った際、競合しないだけではなく、自社にあったコンテンツを用意することも大切です。
デジタルコンテンツを制作する際には、以下の点を意識して進めてみてください。
目的を決める
まずはどういった目的でデジタルコンテンツを制作するのかという点はしっかりと固めておきましょう。
集客やブランディングのためのマーケティング目的であれば、サービスの良さを知ってもらう導入になる内容や、会員登録をしてもらう仕掛けが必要です。
販売によって売上げを狙うのであればデジタルコンテンツそのものが、ユーザーにとって価値のある内容にしなければいけません。
また売上げを継続できるように、定期購入などの仕組み化も考える必要があります。
系統を決める
エンタメ系や学習系など、どういった内容のデジタルコンテンツにするのかを決めましょう。
エンタメ系とは、ゲームや音楽、イラストなどをデジタルで作成したコンテンツです。
自社で用意できない場合は外注費用は発生しますが、すでにあるデザインや画像を活用することも可能です。
ノウハウ情報などを提供する学習系のコンテンツでは、ビジネスや学問以外にも、日常的なノウハウやコツ、趣味の教材など多岐にわたります。
学習系のデジタルコンテンツもアイディア次第で非常に幅のあるコンテンツにできます。
調査・分析をする
制作する目的や内容が決まったら、ターゲットにするユーザーに満足してもらえるコンテンツにするためにも調査・分析が必要です。
競合他社の商品レビューやユーザーからの問い合わせメールなど、コンテンツ・自社ユーザーに満足されるかの両面で調査しましょう。
また推測や憶測、事実に反することやユーザーが批判的に感じる内容が含まれていないかなどをしっかりと検証することも大切です。
まとめ
Shopifyでデジタルコンテンツを販売することはメリットだけではなく、収益化の面でも非常に可能性のある商品です。
従来の商品を販売しながら、デジタルコンテンツによってより多くのユーザーや既存顧客へこれまで以上のサービスを提供できるのです。
自社のサービスや商材に適したコンテンツや目的を決めて活用できれば、収益化だけではなくキャンペーンやファンの育成にも利用できます。
今後の時代の流れをつかみ、ぜひショップの売上げ拡大やブランディングに有効活用してみてください。