Shopifyの不正注文とは?対処方法や防止策を解説!

・不正注文とはどんなトラブル?

・不正注文が発生したときの対処方法は?

・ECサイト経営者ができる防止策はある?

 

ECサイトの経営者は、不正注文のリスクが高い注文が発生したときに、適切に対応することが重要です。

確認するポイントや対処方法を知っておくことで、落ち着いて処理でき、被害の拡大を食い止めることができます。

 

今回はShopify(ショッピファイ)での不正注文について、くわしく説明します。

未然にトラブルを防ぐように、防止策についても把握しておきましょう。

 

Shopifyでの不正注文とは?

Shopifyでの不正注文とは?

ECサイトで行われている不正注文とは、「他人のクレジットカードを使用した商品購入」や「購入商品の詐取(だまし取ること)」です。

不正注文は詐欺行為です。近年、クレジットカードの不正利用による被害件数は、年間200件以上発生しています。

参考:クレジットカード不正利用被害の発生状況(一般社団法人日本クレジット協会)

 

不正注文によるトラブルの流れ

ECサイトで不正注文が発生し、ショップ経営者に損害が発生するまでの流れは以下のとおりです。

・悪意のある第三者が他人のクレジットカード情報を不正に取得

その情報を悪用して商品をオンライン決済で購入する

・クレジットカードの持ち主がカード明細などから身に覚えのない請求を発見

クレジットカード会社に報告する

・報告を受けたクレジットカード会社は調査を行う

不正な注文の場合はカード決済を取り消し、カードの持ち主へ返金する(チャージバックという)

・カード決済を取り消されたので、ECサイト経営者には売上金が入ってこない

さらに発送した商品は悪意のある第三者へ奪い取られてしまう

不正注文により、ECサイト経営者は損害を受ける

 

狙われやすい商品

不正注文で狙われやすいのは、換金性の高い商品です。狙われやすい傾向にあるのは、ブランド品、家電製品、ゲーム機、貴金属、時計などです。

不正注文を行う犯人は、入手した商品が詐欺の証拠となるため、すぐに現金へ換金します。

 

Shopifyで不正注文が発生するとどうなるか

Shopifyで不正注文が発生するとどうなるか

Shopifyには不正解析機能があり、過去に起きた不正を機械学習し、不正のリスクを検出します。

不正の疑いがある注文が発生すると、以下の方法で警告を知らせます。

 

注文の不正解析を表示

ベーシックプラン以上を利用している場合に、利用できる機能です。

「管理画面」の「注文」から確認したい注文番号をクリックしてみましょう。

不正のリスクがある場合は、番号の横に「!」マークが表示され、フラグ付けされます。

「注文ページ」には「不正解析」の欄が表示され、解析結果を確認できます。

 

不正勧告(注文ページ横に警告マークの表示)

Shopifyプラン以上のプランを利用している場合や、Shopifyペイメントを利用している場合に受けられる機能です。

チャージバックリスクが「中」または「高」の注文の場合、「注文管理」画面のそれぞれの注文ページの注文番号の横に警告マークが表示されます。

また、個別の注文ページには「不正注文のリスクが高いことが検出されました」という警告文が表示されます。

不正解析であると判断した理由も記載されているので、確認しましょう。

 

不正勧告のメール受信

Shopifyプラン以上のプランを利用している場合や、Shopifyペイメントを利用している場合に受けられる機能です。

注文通知メールの受信に同意している場合に、不正注文のリスクが高い注文があったことを知らせるメールがShopifyから届きます。

チャージバックされる可能性が高いため、メールには取引のキャンセルを勧める内容が記載されています。

 

注文通知メールの受信設定の手順は以下の通りです。

・管理画面の「設定」を選択し、「通知」をクリックする

・「スタッフ注文通知」の欄にある「受取人を追加」をクリックする

・通知方法を選択し、メールアドレスを入力する

・「注文通知を完了」をクリックする

・「テスト通知を送信」をクリックし、テストメールを受信できるか確認する

・追加した受信者のステータスが「有効」になっているか確認する

 

Shopifyで不正注文が発生したときの対処方法

Shopifyで不正注文が発生したときの対処方法

不正利用が判明した場合や不正利用の可能性が高い場合は、ショップ経営者として以下の対処を取りましょう。

 

注文のキャンセル

キャンセルできるのは「支払いが行われていないこと」または「支払いはされたが商品を発送していないこと」が条件です。

Shopifyでは入金取り消しによる補償はされません。

商品を配送してしまった場合は、ショップ経営者側に損害が発生してしまいます。

 

注文のキャンセル方法は以下の手順です。

・管理画面から「注文管理」をクリックし、キャンセルする注文ページを選択する

・右上にある「その他の操作」から「注文をキャンセルする」をクリック

・「キャンセルの理由」を記載し、「注文をキャンセルする」をクリックする

※注文者にキャンセルしたことを通知するかは、このとき選択できる

カード会社へ連絡する

報告を受けたカード会社は調査を行い、不正の事実が確認できればクレジットカードの利用停止措置を行います。

クレジットカード情報悪用による被害の拡大を食い止めることができるので、迅速に報告を行いましょう。

 

不正注文の恐れがあるときに確認すること

不正注文の恐れがあるときに確認すること

不正注文を行う注文者情報には特徴があります。

注文時に架空の氏名や電話番号を入力していたり、住所がレンタル倉庫やレンタルスペースになっていたり。

 

この特徴を把握しておくことで、不審な注文に対して、不正注文が起きる前に詐欺と判断でき、被害を食い止められる可能性が高まります。

 

IPアドレスと住所を比較する

IPアドレスとは、スマートフォンやパソコンなどの機器に割り当てられたネットワーク上の住所です。

Shopifyの「注文管理」から個別の「注文ページ」を開き、「不正解析」の下部にある「追加情報」を確認しましょう。

注文者のIPアドレスを調べることができます。

 

取得したIPアドレスの情報は、「WhatIsMyIp.com」などのツールに入力すると、注文者の国や地域を確認できます。

注文時に入力された住所とIPアドレスが一致しない場合は、不正注文の恐れがあるため、注意が必要です。

 

メールアドレスや電話番号などを検索する

注文時に入力したメールアドレスや電話番号などを、Googleなどで検索してみましょう。

他のECサイトなどで不正注文を行った番号やアドレスの記録が、検索エンジンで表示される可能性があります。

 

請求先住所と配送先住所が同じか確認する

ギフトや代理購入の可能性もありますが、請求先住所と配送先住所が異なる場合も注意が必要です。

とくに、国が異なるなど2つの地点が大きく離れている場合は、不正注文の可能性が高まります。

 

高額注文や大量注文は確認する

不正注文を行う犯人は、高額商品や大量注文することで、リスクに見合ったリターンを得ようとするケースが多いです。

高額注文や大量注文は、一度の被害で損失額が大きくなるため、とくに注意が必要です。

 

Shopifyで不正注文を防ぐ方法

Shopifyで不正注文を防ぐ方法

不正注文によりだまし取られた商品は、換金や転売される可能性が高いです。

雑に扱われ、破損した商品や賞味期限切れの商品などが市場に出回る恐れがあります。

つまり、不正注文が発生すると、金銭的な被害だけではなく、ブランド価値やショップの信頼度の低下にもつながる恐れがあるのです。

 

不正注文は被害にあう前に防止したいものです。

不正注文を防ぐための方法を紹介するので、ECサイト経営者はぜひ参考にしてください。

 

注文時に入力された電話番号へ連絡する

不正注文の可能性が高い場合に有効なのが、注文時に購入者が入力した電話番号へ連絡する方法です。

不正注文の場合は、無効な番号であるケースが多いためです。

 

海外からの注文の場合は、時差や言語などの問題で連絡するのは難しいかもしれません。

しかし日本国内からの注文の場合は、実際に電話をかけてみることをおすすめします。

つながった場合は購入に関する簡単な質問をして、反応に不自然さがないかをチェックしましょう。

 

不正注文の防止アプリをインストールする

Shopifyでは不正注文を防ぐためのアプリが提供されています。

おすすめのアプリは、次の章でご紹介します。

無料でインストールできるアプリもあるので、チェックしてみましょう。

 

ワークフローを作成する

Shopify Plusプランを利用する人は、「Shopify Flow」の利用をおすすめします。

Shopify Flowは、事務的な作業を自動化できる機能です。

不審な注文が発生したときに通知を受け取るようにワークフローを作成することで、不正注文のリスクを軽減することができます。

 

Shopifyの不正注文を防止するアプリ

Shopifyの不正注文を防止するアプリ

Shopifyでは不正注文を防ぐためのアプリが提供されています。

 

Fraud Filter

Fraud Filterは、無料の不正防止フィルターアプリです。

条件を設定し、不正注文が疑われる注文があると警告が通知されます。

他にも不正の可能性が高い注文を自動でキャンセルし、顧客の支払いを無効にする機能もあります。

アプリの利用により、チャージバックによる被害を防げる可能性が高まるでしょう。

 

Beacon 不正管理システム

Beacon 不正管理システム」は、不正注文や悪意のあるユーザーかを分析・検知し、報告するアプリです。

ビッグデータ(さまざまな種類・形式を持つ膨大な量のデータ)を利用し、高額注文などの不審な注文を監視・通知することで、未然に不正注文やチャージバックを防ぎます。

月額0.03米ドル(注文が無い月は無料)、14日間の無料トライアルが可能です。

 

まとめ

まとめ

今回はShopifyでの不正注文について説明しました。

ECサイトを運営する上で、不正のリスクが高い注文への対処方法や防止方法を知っておくことは非常に重要です。

商品が転売されれば、金銭的な被害だけではなく、ショップのブランディングや信頼度の低下にもつながります。

今回紹介した確認するポイントや防止方法、アプリなどを利用しながら、チャージバックが発生しないようにショップ経営しましょう。

 

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著者紹介

フロントエンドエンジニア
1992年生まれ。福井県出身。
得意項目:JavaScriptを用いたフロントエンドの実装や、Google Apps Scriptを用いた業務効率化が主な得意分野です。まだまだ経験が浅いので、日々勉強しております。