数年に一度、必ずと言っていいほど新しいアプリの登場とともにソーシャルメディアのマーケットは大きく変化します。
自分のブログを書く事が流行った年もあれば、写真を投稿する年が数年続いたことも…。
このように、新しいソーシャルメディアプラットフォームが文化や時代の流れを作り出し、デジタル上で人々の大移動が起こるのです。
新しいソーシャルメディアプラットフォームへの大移動は、継続的なサイクルで行われています。
2008年はFacebookが全世界で流行り出し、多くの人が自らの個人情報を当たり前のようにインターネットでシェアするようになりました。
そして2014年にはInstagramへと人々は移動を始めます。
たくさんの煌びやかな写真をアップして、この辺りから「インフルエンサー」という言葉が当たり前のように使われるようになってきました。
そして2022年現在、ソーシャルメディアマーケットを支配しているのはTikTokなのです。
海外では爆発的に利用ユーザーが増加しているTikTokですが、日本では多くの若い世代に人気があるものの、
まだ企業がTikTokをマーケティングプラットフォームとして積極的に活用しているわけではありません。
TikTokでのマーケティングに興味があっても、どこから始めればいいのかわからないという方のために今記事では、
TikTok広告、TikTokのユーザー層、広告のさまざまな機能や特徴などをご紹介いたします。
TikTok広告を活用している企業が少ない今がチャンスです!ぜひ、今記事で今のうちにその特性を学んで、TikTok広告を活用してみましょう。
TikTokとは?
TikTokは、ユーザーが音楽やオリジナルのサウンドトラックに合わせて短い動画を作成・投稿・視聴ができるソーシャルメディアアプリです。
ユーザーは投稿せずに他のユーザーのコンテンツをスクロールして見るという受動的な使い方もできますが、
ユーザー自身が動画を作成しそれらをオーディエンスにシェアすることもできます。
TikTokのアプリ自体の特徴を紹介する前に、大人気アプリにまで上り詰めたTikTokの成功までの道のりを少しご紹介いたします。
2014年、全世界でMusical.ly(ミュージカリー)というソーシャルメディアアプリが、ティーンの間で大人気となりました。
画像引用:https://tokyo-indie-band.com/2018/08/musically-tiktok.html
Musical.ly は人気の音楽に合わせた口パク動画を15秒撮影し、それらをアプリ上でシェアできるものでした。
2017年半ばまでに、Musical.lyアプリのユーザー数は2億人を超え、その成長ぶりは凄まじいものでした。
2016年、中国のアプリ開発者であるByteDanceは、Musical.lyのライバルとなるDouyinというアプリを作成。
当初は中国のみでローンチされたこのアプリは、世界のマーケットにアピールするためにTikTokに名前を変えてリブランディングされました。
その後たった1年足らずで、TikTokのユーザー数は1億人を超え、多くの口パク動画やダンス動画などのコンテンツを投稿し始めまたのでした。
2017年末、Musical.lyはByteDance社に8億ドルの手数料で買収され、2018年、Bytedance社はMusical.lyとTikTokのユーザーアカウントを統合し、
2つのアプリを「TikTok」という名前で1つに統合したのでした。
この統一されたブランドとユーザーベースにより、TikTokは他のソーシャルメディアアプリに比べると非常に早く人気を集め、
2018年にはAppleのApp storeで最もダウンロードされたアプリとなり、Instagram、Twitter、YouTubeを上回ったのです。
2022年に知っておきたいTikTokの統計データ
本題に入る前に、2022年に知っておきたいTikTokの統計データをざっとご紹介いたします。
・2021年2月現在、TikTokのユーザー数は世界で11億人と推定されています。
・2021年6月現在、TikTokユーザーの60%は16歳から24歳です
・TikTokの全世界のユーザーの約50%は34歳以下です。
・今、TikTokアプリは全世界で15億回以上ダウンロードされています。
・2020年のTikTokのダウンロード数は8億5000万に達しています
・TikTokアプリのリーチは世界中に及びます:インドでは4億6600万人、中国では1億7300万人、そしてアメリカでは1億2300万人です。
・平均的なTikTokのユーザーは1日あたり52分をTikTokアプリに費やしています。
・TikTokを所有するBytedance社の評価額は1,400億ドルで、世界で最も価値のあるスタートアップであり、同社の価値はTwitter社やCoca Cola社よりも高いとされています。
・TikTokの報告によると、アメリカでの月間アクティブユーザー数は8,000万人を超えています。60%が女性、40%が男性です。
TikTokの成長率の凄さと若い世代にどれだけ人気があるかということが、これらの数字からも見て取れると思います。
TikTokのユーザー層について
世界平均を見た時、TikTokの主なユーザーは16~24歳が全体の41%を占めています。
しかし、日本では少し違った結果が見受けられます。
海外企業の日本でのビジネス拡大を助けるマーケティング会社であるedamame Japanが実施た調査によると、
日本でのTikTokユーザーは10代、20代は男女ともに多いのですが、同時に40代男性の割合も同じくらい、高かったのです。
画像出典:https://edamamejapan.com/japanese-social-media/
ユーザー層は国によってさまざまですが、なぜTikTokは幅広い層の心を掴んで離さないのでしょうか?
その理由のひとつとして考えられるのがTikTokのUIの快適さです。
TikTokはアプリ(もしくはサイト)を開くと、自動的に動画が再生されるようになっていることから、見る気がそこまでなくとも自然と流れる動画を見るような仕組みになっています。
スワイプするだけでどんどん動画が次から次へと移り変わるので、ユーザーは刺激を連続的に感じる事ができるのです。
また、ひとつひとつの動画もYoutubeなどと比べるとすごく短いものが多いので、
ユーザーは「面白い」を求めて気付けば何時間もTikTokで時間を消費してしまっているのです。
TikTokをマーケティングに活用するには
-TikTok広告
国内でのTikTok広告は現在、配信面はインフィードのみです。
広告を配信した場合、ターゲティングをベースにTikTok側が使用しているAIのアルゴリズムに基づいて、
おすすめ投稿という、オーディエンスに動画がレコメンドされるフィードに表示されます。
画像引用:https://www.business-tiktok.com/tt4b-official/?
海外では現在、インフィード広告だけでなく様々な形の広告が配信可能です。
プレロール広告(テイクオーバー広告):ユーザーがアプリを開くとすぐに広告が始まる
インフィード広告:ユーザーのスクロールに合わせて表示される
プロモートされたハッシュタグチャレンジ:独自のハッシュタグを使ってUGCを促す
ブランドエフェクト:SnapchatやInstagramと同様に、ブランド特有の情報を盛り込んだカスタムエフェクトフィルターをユーザーが動画に使用することができます。
画像引用:https://www.businessofapps.com/ads/tiktok-ads/?rwpurid=rwp_rating_5f8f1c159c524
もしあなたが何かしらのビジネスをしており、更なる顧客の獲得を目指しているのなら、
2022年 TikTokマーケティングはあなたのビジネスにとって素晴らしいチャネルになる可能性があります。
TikTokで広告を出すことも効果的ですが、TikTokは2022年現在でもプラットフォームに参加している企業が比較的少ないため、
オーガニック投稿でリーチを狙うのも得策かもしれません。
企業がTikTokを使用する際の注意点は売り上げを押し付けるためのコンテンツばかり投稿するのではなく、
あなたの企業らしさ、もっというと投稿している担当者らしさを見せることが他者との差別化になるでしょう。
例えば、あなたのブランドで働いている社員やチームについての楽しい事実や個性を発信することで、そこに「人」との繋がりを生むことができるのです。
-インフルエンサーとのコラボレーションがおすすめ
TikTokで自分のビジネスを売り込むもうひとつの方法は、インフルエンサーと積極的にコラボレーションすることです。
Instagramなどでも人気のインフルエンサーマーケティングはTikTokでも効果を発揮します。
例えば、ハッシュタグチャレンジなどを開催して数名のインフルエンサーに参加してもらうだけでも、
拡散力は格段に上がり、拡散されるスピードも早くなると考えられます。
他のソーシャルメディアプラットフォームと異なり、TikTokの良いところはユーザー自身もチャレンジやトレンドに参加ができることです。
YoutubeやInstagramではどうしても見て終わりだったコンテンツが、TikTokでは「面白そう!」とユーザーが感じることで、彼らも気軽に参加できるのです。
TikTokのデータによると、50%以上のクリエイターが少なくとも1回はハッシュタグチャレンジに参加しています。
また、TikTokのインフルエンサーのブランドハッシュタグチャレンジの平均エンゲージメントは8.5%という結果が出ていることから、
今後ユーザーが増えていくことを考えると、かなりのマーケティング効果がTikTokではあるのではないでしょうか。
TikTokを活用した事例
1,メイベリン/日本
日本でも有名な化粧品メーカーであるメイベリンは、日本の若い世代の市場シェアとブランド認知度を高めることを目的とした広告を配信。
メイクを始めたばかりの女の子に親しみやすいセレクトマスカラをアピールするため、
まつげを彼氏に例えた動画を制作し、インフィード広告を実施しました。
2,Guess/アメリカ
Guessは、ブランドを新たな高みに引き上げるために、近年人気のファッショントレンドであるデニムを使った米国でのキャンペーンをTikTok上で実施。
「#InMyDenim」というチャレンジを行い、女性たちがブランドのデニムを使った衣装を披露し、Bebe Rexhの曲を使って、明るいメッセージを伝えたのでした。
3,Clean & Clear社/インド
スキンケアブランドのClean & Clear社は、新しい限定ボトルをインドで発売する際に、GenZ世代のコミュニティへの認知度を高めたいと考えていました。
キャンペーンでは「#UnbottleApnaSwag」というチャレンジを行い、
女性たちがボトルに描かれた絵や個性に共感する動画をプラットフォーム上で作成するよう呼びかけました。
各ボトルにはパーソナリティに合った曲が用意されており、オーディエンスは自分に合った、自分だけののボトルを探し出すことができるような施策でした。
4,Amazon Prime/イタリア
イタリアで新番組の認知度を上げるために、AmazonはTikTokで「#beneVSmale(#善悪)」というチャレンジを行い、
ユーザーが番組の筋書きについてどちらのストーリーに投票するかを決めれるキャンペーンを行いました。
5,Colgate
このような「視聴者参加型」のキャンペーンはオーディエンスのエンゲージメントを高めるのに凄まじい効果を発揮します。
コルゲートは、2019年12月12日のブラックフライデーに東南アジアをターゲットにしたキャンペーンを実施。
同社は、ハッシュタグチャレンジとして「#Colgatekiss」を開催し、「キス顔」を使ったクリックができるブランドオリジナルのフィルターを制作。
6,KIA/韓国
韓国の自動車メーカーであるKIAは、自動車業界のトップに立つために、新車を探しているミレニアル世代をターゲットに、
洗練されたスポーティな車のイメージを伝えることのできるキャンペーンを実施。
TikTokのブランドテイクオーバーを2日間利用、加えてインフィード広告を使うことで多くの若い世代に認知を呼びかけました。
また、トップインフルエンサーを招待して、新車発売の認知度と興奮を高めるためのチャレンジを行ったのでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はTikTokの基礎的な部分からマーケティング活用方法まで、盛りだくさんでご紹介いたしました。
TikTokは日本でも徐々に人気を得てきているソーシャルメディアのひとつです。
海外ではスーパースター級のティックトッカーなども誕生してきているくらい、人気のプラットフォームですが、
日本ではまだまだ多くのチャンスが転がっているように見られます。
ぜひ、今回紹介したポイントを活用してTikTokマーケティングの戦略を構築してみて下さいね!