ビジネスを行う上で新しい顧客を集客したり、新商品の宣伝をしたり…ソーシャルメディアをマーケティングに活用することはビジネスを行う上で欠かせない戦略のひとつです。
考えてみてください。ソーシャルメディアを活用するだけで、
世界人口の48%に相当する37億8,000万人のオンラインユーザーにあなたのビジネスをアピールすることができるのです。
しかも無料で、です!
しかし、ターゲットを定めることもなく、無鉄砲にコンテンツを制作して投稿するだけでは、多くの時間と労力を無駄にしてしまいます。
効果的なマーケティングキャンペーンをデジタルで行うためには、事前のリサーチ、プランニング、そしてそれらを行う時間と忍耐力が必要です。
デジタルは便利な一方、適切な人に適切なタイミングでメッセージを届けるためには、多くのノイズに対抗しなければなりません。
今記事では「いいね!」や「フォロー」で終わらない、
ソーシャルメディアマーケティングに欠かせないポイントやそれらの戦略を構築するために必要なステップをご紹介いたします。
CONTENTS
ソーシャルマーケティング戦略とは?
ソーシャルメディアマーケティング戦略とは?
ソーシャルマーケティング戦略とは、目標を設定したソーシャルメディアマーケティングを実際に、どのように成果を出していくかの方法を考えることです。
73%のマーケティング担当者は、ソーシャルメディアでのマーケティング活動が自社のビジネスに
「ある程度の効果があった」または「非常に効果があった」と考えており、ブランドはソーシャルメディアマーケティングの波に乗り続けています。
TikTok広告でもインフルエンサーマーケティングでも、ソーシャルメディアはブランドに費用対効果の高いマーケティングを提供します。
ソーシャルメディアマーケティングは、以下のようなあらゆる種類のマーケティング機能を果たすことができるのです。
・トラフィックと売上の向上
・インフルエンサーネットワークの活用
・ブランド認知度の向上
・エンゲージメントの高いオーディエンスの獲得
・顧客や見込み客とのつながりを強化、構築
・カスタマーサポートの提供
ここでは、あなたが簡単に始められるようにソーシャルメディアマーケティング戦略を5つのパートに分けて説明します。
1,目標/ゴールの設定:ソーシャルメディアマーケティングの実施にあたり、
どのような成果を得たいですか?また、それらのゴールを図るKPIはどのように設定しますか?
2,ターゲットオーディエンスの設定:どの層の人々にコミュニケーションしますか?狭い範囲ですか?広くターゲットオーディエンスを設定しますか?
3,コンテンツミックスの作成:どのような形式のコンテンツを制作するかを決定。
画像、動画(ロング動画/ショート動画)、文章etc
様々な形のコンテンツがあるので、できるだけ自分のブランドに合うコンテンツ形態を選びましょう。
4,ソーシャルメディアチャンネルの選定:どのソーシャルメディアを使用するかを決定する。
戦略を効率的に実行するためのプロセスとツールを設定します。
5,分析/改善:ソーシャルメディアマーケティングは、コンテンツを作って終了ではありません。
実際に数字として結果がわかるのがデジタルのベネフィットでもあるので、しっかり分析、改善を心がけましょう。
また、これはデジタルマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングを成功させるための処方箋ではなく、基礎を固めるためのフレームワークです。
最終的には、これらの柱がどのように関連し、互いに影響し合っているのかを理解し、
より賢明な判断を下してソーシャルメディア戦略を修正していくことができるようになるでしょう。
ソーシャルメディアマーケティング戦略の組み立て方:目標/ゴールの設定
最終的なゴールはどのブランドも「売り上げを増やす」ことかもしれませんが、
その大きな目標を達成する為にはその前に小さなゴールをきっちり、達成していかなければなりません。
その為にも まずは、ソーシャルメディアマーケティングで考慮すべきポイントの中でも「目標/ゴール」にフォーカスして解説していきます。
1,ブランド認知度を高める:より多くの人にリーチすることで、自社ブランドが適切な人に見られる可能性を高めることができます。
これは、インプレッション、リーチ、いいね!の数、シェア、メンションなど、実際の人があなたの投稿を見たことを示すものを効果測定に使用することができます。
2,自社製品の需要を生み出す:これはあなたの商品の良さや必要性を消費者に知ってもらうことを目的としたゴールになります。
これらを目標に掲げる場合は、教育的なコンテンツや使い方を教えることのできるコンテンツが必須です。
3,リードや顧客の獲得:いますぐに顧客にならなかったとしても、興味を持ってもらえたらブランドとしては大きな可能性につながります。
リード顧客をナーチャリングしていくことも必須になってきますが、ここではまず「リードの獲得」が目標とされます。
4,ロイヤル・フォロワーを作る:あなたのブランドからの情報を熱望するファンをソーシャルメディアで育てましょう。
偽のフォロワーや、購入したフォロワーでフォロワー数を膨らませてはいけません。
純粋にあなたのブランドに興味を持ち、あなたのコンテンツや商品を他の人に宣伝してくれる人たちの「本物のコミュニティ」を作ることがここでは最終目的となります
5,顧客からの信頼の獲得:ブランドや企業がソーシャルメディアを利用することで得れるのは、
ファンだけでなく顧客が作成したUGCを活用もしくはそれらを使って新たにマーケティング施策を生み出せるということです。
6,カスタマーサポートの提供:ソーシャルメディアを利用することで、顧客からの質問や苦情、問い合わせを受けれる場を広めることができます。
その分、顧客はコンタクトの幅が広がり、あなたのブランドに対して「わからないことがあれば、すぐに質問することができる信頼のおけるブランドだ!」
という認識につながるかもしれません。
7,ターゲット市場において、会話を始めるリーダーになる:ソーシャルメディアはあなたに声を与え、
顧客があなたのブランドについてしている会話に参加できるだけでなく、社会で話題になっている会話にあなたのブランドなりの見解や意見を示したり、
時には商品についての裏技活用術や新しい使い方などを紹介することもできるかもしれません。
以上がソーシャルメディアを使って行うマーケティングの目標/ゴールの例になります。
ソーシャルメディアマーケティングを行う上で、これらの目標はひとつに絞る必要はありません。
複数が組み合わさる場合もあれば、目標以外のゴールも同時に達成できる場合など、予想できなことが起こるかもしれません。
では、これらの大まかな目標を念頭に置きながら、
次のステップである「ソーシャルメディアマーケティング戦略の組み立て方:ターゲットを定める」について、考えていきましょう。
ソーシャルメディアマーケティング戦略の組み立て方:ターゲットの設定
ターゲットオーディエンスの特定
ソーシャルメディアマーケティングは、理想のお客様を理解することから始まります。
ターゲットオーディエンスの調査に時間をかけ、人口統計学的、心理学的データや観察可能なパターンを探し、あなたから購入しそうな人のインサイトを探り当てましょう。
この作業は戦略に役立つだけでなく、実際にターゲットの心に響くブランドのトーンやメッセージを開発することにも大変役立ちます。
ターゲットオーディエンスがウェブ上でよく集まるソーシャルメディア、
例えばTwitterやInstagram、Youtubeのコメント欄などをチェックすることで、彼らが何を好み、他のコンテンツにどのような感情を抱いているのかが見えてくるはずです。
すべての特徴を記入する必要はありませんが、あなたのターゲットオーディエンスをより具体化するために、以下の項目を埋めてみてください。
埋め終わった後に見返すと、より具体的な人物像が見えてくるはずです。
ペルソナ制作に役立つ想定設問
・居在地
→もし、オンラインショッピングのように、どの場所からでも購入可能ならば、ターゲット顧客の国だけ決めるのでも大丈夫です。
一方であなたのビジネスがローカルビジネス、オフラインのショップ販売なのであれば、ある程度範囲を絞りましょう。
・年齢
→ここではできるだけ細かく○歳~○歳というように、範囲を設定してしまいましょう。
・性別
→男性向け、女性向け、もしくはその両方
・職業/業界
→彼らはどんな仕事をしていますか?雇用形態は?働き方は?
仕事と一区切りに言っても、フリーランスなのか、会社で働くサラリーマンなのか、など。
今では在宅勤務なのか、出勤しているのか など。それらの項目がペルソナを作る上で重要要素ならば、決めてしまう方が人物像が良いでしょう。
・収入
→彼らの予想平均収入はどれくらいでしょうか。また、お金の使い方をこちらで予想してみるのも、次の項目の「趣味、興味」でも大いに役立ちます。
・趣味、興味
→休みの日にどのような時間の過ごし方をしているのか、何に興味があるのか。アクティブなタイプか、インドアなタイプか、など。
・使用するソーシャルメディア
→ソーシャルメディアマーケティングで欠かせないことは、ここにズレがないということです。
実際に素晴らしいペルソナを設定することができたとしても、
ターゲットオーディエンスが使用していないソーシャルメディアを選んでしまうと、全てが無駄になってしまいます。
・購買動機
→ターゲットが何かしらの商品を買う際、彼らは「何が理由」でそれらの商品を購入するのでしょうか?
価格なのか、質なのか、トレンドなのか…それらを明確にすることはあなたがすべきメッセージコミュニケーションを教えてくれるはずです。
・その他の情報
→必要に応じて想定項目を追加していきましょう。
ソーシャルメディアマーケティング戦略の組み立て方:コンテンツミックスの作成
コンテンツミックスの作成
ソーシャルメディアマーケティングにおいて、チャンネルの運営は自分のテレビを運営することに似ています。
自分が放送したいコンテンツの間に広告を挟むこともできれば、再放送をすることもできるし、顧客を次回のエピソードまで引っ張ることもできます。
全てはあなたの裁量次第です。
コンテンツミックスを作成することは、投稿するコンテンツを制作するプロセスを簡単にするだけでなく、
統一したコンテンツの投稿を見せることでオーディエンスにあなたの「ブランドらしさ」を提示することができるのです。
また、投稿スケジュールにリズムを加えることで、オーディエンスに多様性と一貫性を同時に提供することができます。
また、コンテンツミックスを作成することはコンテンツの質を保つ上でも欠かせないことなのです。
でないと、あなたはいずれ毎日、何かを「発信」するために奔放してしまうようになるでしょう。
ソーシャルメディアマーケティングでは、何を投稿するかだけでなくソーシャルメディアで存在感を示し、維持しなくてはなりません。
また、リソース(時間、資金、クリエイティビティー)をどのように配分するかはとても重要なことです。
コンテンツミックスの中には、事前に計画を立て、再現性があり、定期的に発信することができるアイデアを用意したいものです。
内容は変わりますが、フォーマットさえ一緒であればオーディエンスも「定番のコンテンツ」として楽しむことができます。
例えば、もしあなたがアパレルブランドのソーシャルメディアを担当しているとします。
毎週月曜日は顧客のコーディネート集を投稿、金曜日はブランドからのおすすめコーディネート集もしくはアドバイスなど。
コンテンツのフォーマットを固定してしまうことで、季節の違いやコンテンツの内容そのものの違いがよりハイライトできることも、
コンテンツミックスを作成するベネフィットでもあります。
コンテンツミックスに使えるアイデア
・ニュース:その業界で起きていることに関する情報や、トレンドを取り入れた投稿。
・インスピレーション:あなたのブランドの商品を使用した提案、日常の生活で実践できるミニチャレンジ、世界の著名人の名言など。
・教育:面白い事実や為になる統計データ、ハウツー、レシピなど。
・商品プロモーション:商品の写真や商品に関するもっと詳しい使い方など。
・プレゼント:無料スタンプや無料ダウンロードできるテンプレートなど。
実際の商品でなくてもデジタル上で渡せるものだったら顧客は嬉しいかもしれません。
・顧客/インフルエンサー特集:顧客や、ブランドを代表するようなインフルエンサー、著名人をフィーチャーした投稿。
・コミュニティーイベント: 特に地元企業の場合は、フォロワー同士が集まれるオンラインミーティングや学習会の機会などを提供しても良いかもしれません。
・Q&A:オーディエンスに質問をしたり、「友達にタグをつけて」など。オーディエンスを巻き込むコンテンツは強力な戦略です。
・舞台裏を公開:商品がどのように作られているのか、ビジネスを成長させるために何をしているのかなど、
オーディエンスが共感できる「透明性」を提供することもソーシャルメディアマーケティングでは強力な戦略のひとつです。
ソーシャルメディアマーケティング戦略の組み立て方:ソーシャルメディアチャンネルの選定
Facebook、Instagram、TikTok、Twitter…自分のブランドの存在感を示すのに必ず、正しい場所を選びましょう。
ソーシャルメディアマーケティングを始めたばかりの頃に多くの人々が陥りやすい問題は以下の2つです。
ひとつめは自分が運営できる以上のソーシャルメディアを使おうとするあまり、結果的に全てのプラットフォームで思った以上の結果を生み出すことができない。
ふたつめは全てのソーシャルメディアを同じように扱い、それぞれの長所を生かせていないことです。
ひとつめの解決方法は至ってシンプルです。
あなたのターゲットオーディエンスと扱っている商品の親和性が良い場所を2つ、選ぶ。もし2つ同時に運営することが難しい場合は1つでも大丈夫です。
大切なことは結果を出すことに注力することです。
結果が出るまで、まずは多くても2つんソーシャルメディアにフォーカスしてください。
ふたつめの課題をクリアするには、ソーシャルメディアの特性をしっかりと理解すること。そして、それらにあったコンテンツを制作することです。
Youtubeだと、例えその画像がInstagramでは人気の投稿だったとしても、画像をつなぎ合わせた動画ではオーディエンスは満足しません。
コンテンツの形式によって「魅せ方」は無限大に広がります。
しっかりと、まずはあなたのブランドに合ったソーシャルメディアを選定し、そのソーシャルメディアで機能するコンテンツを制作しましょう。
ソーシャルメディアマーケティング戦略の組み立て方:結果の分析/改善
マーケティング担当者は、ソーシャルメディアへの取り組みが企業の収益に貢献することを期待しています。
そのためには、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのかを分析、理解する必要があります。
そうしないと、実際に制作しているコンテンツがオーディエンスに期待に応えられているかどうかを知ることができません。
また、コンテンツAは結果が良いのに、コンテンツBは結果が悪いということがわかった場合、
「何が原因なのか」を考え、仮定と検証を繰り返すことでコンテンツの質を改善することができるのです。
また、結果に出ている数字、指標を常にモニタリングすることで小さな変化に気づきやすくなり、
戦略を大幅に変更するのではなく、小さな変更を加えるだけで改善を生み出すこともできます。
データはある程度のコンテンツが投稿されないと蓄積されません。ですので、週に1回などのペースで同じ指標を比較して見続けることが重要なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はいいね!やフォローで終わらない、ソーシャルメディアマーケティング戦略の作り方をご紹介いたしました。
ソーシャルメディアの機能は日々、進化を遂げています。しかし、ソーシャルメディアマーケティングの進め方や戦略の構築方法の重要なポイントは同じです。
まずは変わらない大切なポイントを理解して、実践にあなたのソーシャルメディアマーケティング戦略に活用してみてくださいね。