皆さんはコピーライティングという言葉を耳にしたことがありますか?
ほとんどの人はコピーライティングと聞くと、「そうだ、京都へ行こう」や「目の付け所がシャープでしょ」などといった広告コピーを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、コピーライティングはインターネットの世界でも、現実世界でも、さまざまな場所で使われています。
例えば、企業のInstagramやLinkedInなどといったソーシャルメディアの投稿に書かれている文字もコピーライティングですし、
カタログなどにある文字もコピーライティングのひとつです。
今記事では、コピーライティングについての基礎的な知識をご紹介いたします。
コピーライティングとは?
コピーライティングとは、製品やサービスを販売し、見込み客に行動を起こしてもらうためのコピー
(Webページや広告、ソーシャルメディアなどに使われる言葉)を書く技術のことを言います。
通常の営業だと、1人が時間をかけてお客様にアプローチをかけていきますが、コピーライティングは一文で多数のお客様を動かすことを目的にしています。
もちろん、もしその広告やソーシャルメディアの投稿の目的がセールスでなく、ブランディングだとするならば、直接セールスに繋がるような言葉を書くことはありません。
しかし、基本的には企業が掲げる何かしらの目的を「言葉」で簡潔かつ見る手の心に届くように表現する技術なのです。
デザイン、コンテンツマーケティング、SEOは、デジタルマーケティングプランの一部ですが、コピーライティングはそれらすべてを結びつける接着剤のようなものです。
コピーは、デザインに意味を与え、コンテンツマーケティング、SEOなどの基礎を作ります。
そして、あなたがコピーライティングを活用して説得力のあるストーリーを伝え、お客様に製品やサービスの必要性を納得させることができれば、あなたのビジネスの成長は止まることを知らないでしょう。
コピーライティングにおける商品理解の重要性とは
コピーライティングの最初のステップは、販売する商品、コピーを担当する商品について十分に理解することです。
伝説のコピーライター、デビッド・オグルヴィは、ロールスロイスの広告のコンセプトを決めるために、3週間もの時間をかけて綿密な調査をしたことで有名です。
「100キロで走る新型ロールスロイスの車内で、一番の騒音は電子時計の音でした」
これがデイヴィッド・オグルヴィがロールスロイスの広告用に書いたのコピーなのですが、
このコピーが評価されるポイントは「優雅さ」をその言葉を使うことなく表現できているからなのです。
現代では、100キロのスピードのスピードで走る車でも騒音は少ないかもしれませんが、当時は時速100キロものスピードを出して走ると、相当音がしていたのでしょう。
広告業界でこれほどに有名なオグルヴィでさえ、コピーを書く前に商品についてリサーチを重ねていたのだとしたら、
コピーを書く全ての人がどのような特徴がお客様の目を引くのかを知るために、リサーチに時間をかける価値があるはずだということが分かるはずです。
コピーを書き始めるための第一歩目のステップは、ベネフィットや情報をまとめておくということです。
もし、あなたが自分のブランドやビジネスに関する商品やWebサイトのコピーを書きたいのなら、あなたは既に大きなアドバンテージを持っていることになります。
なぜなら、その商品のオーナーであるあなたは、他の誰より自分の提供しているサービスや商品を知り尽くしています。
特徴や仕組みを理解し、お客様に提供するベネフィットが頭に入っているということは、リサーチを行う時間をカットすることができるということです。
しかし、より良いコピーを書くためには常にこのベネフィットが出てくるようにまとめておくべきです。
例えば、商品の説明や特徴、ベネフィットなどをすべて紙に書き出しておくなどして、いつでも参照できるよう情報を保存しておくことがおすすめです。
そうすることでコピーを書き出す時にすぐに作業に取り掛かることができるようになるでしょう。
商品説明の作成
ベネフィットや商品についての詳細をまとめるために、まずは以下の質問に答えてみましょう!
もし、あなたのビジネスが商品を販売するのではなく、サービスを提供する場合は、質問の内容を少し変更する必要があります。
質問1:あなたは商品をどのように説明しますか?
2~3文の短い文章で、あなたの商品やブランドについて簡潔に説明してみましょう。
この文章は長文である必要もありませんし、商品に関して詳しく述べられている必要はありません。
質問2:あなたの商品/ブランドのユニークな点は何ですか?
ここではあなたの商品の「売り」を見つけ出しましょう。
他社と何が違うのか、類似品の中でも何がどう優れているのか、日本製なのか、貴重な素材を使用しているのか、など。
あなたが思う「ユニークポイント」を書き出しましょう。
これは業界用語で「USP」と言います。USPはUnique Selling Propositionの略で、
他社や競合が提供していない価値で尚且つあなたのブランドが提供できているポイントのことを指します。
質問3:お客様にどのようなメリットがありますか?
商品の特徴だけでなく、その商品がお客様にどのようなメリットをもたらすのかも明確にしておきましょう。
多くの企業は、商品の説明にばかりフォーカスし、その商品を実際に使用することで得られるメリットをあまり伝えていません。
質問4:お客様のどのような痛みを和らげることができますか?
消費者は基本的に喜びを増大させるため、もしくは痛みを最小限にするたかの2つの理由で購入します。
他の質問では「喜びを増大させる」というベネフィットにフォーカスしていましたが、この質問では、
その商品を使用することによってどのような痛みが最小化されるかにフォーカスしています。
このような消費者が知らずに抱えている悩み(痛み)をペインポイントと呼びます。
質問5:どのような機能が搭載されていて、それぞれのメリットは何ですか?
この質問に答えるために最初にすべきことは、商品の各機能を全て書き出すことです。
全ての機能的な面に関する表現をコピーに使うことはないかもしれませんが、少なくとも、必要なときにすぐに使えるように、すべての機能を記録しておきましょう。
基本的にお客様は機能そのものよりも、機能によってもたらされるメリットを重視する傾向にあります。ただし、コピーの中で機能を記載する必要がある場合もあります。
お客様を理解する
コピーライティングで最も重要なのは、商品を理解することに加えて「誰に売るのか」を知ることです。
何をどう売るかは、誰に売るか、その人が何を買いたいか、何がその人を納得させるかで決まります。
ビジネスは常にお客様のためのものだからこそ、お客様を理解することが欠かせないのです。
主婦に売るのと、大企業のエグゼクティブに売るのとでは、コピーで行われるコミュニケーションが変わることから、コピーそのものの書き方が違ってきます。
なぜかというと、ターゲットは異なる価値観を持っているからです。
お母さんと経営者を比較して考えてみてください。
一家を束ねるお母さんは、お金を節約することを重視しますが、会社を運営しなければならない経営者は時間を節約することを重視します。
このような違いは、文章の書き方や商品の売り方に大きく影響します。だからこそ、ターゲットにとって何が魅力的なのか、彼らの価値観が何なのかを知る必要があるのです。
では、どのようにしてお客様を理解すれば良いのでしょうか?
まず、相手の立場に立って考えてみましょう。自分を相手の立場に置いて考えることはコピーライターにとって欠かせない技術でもあります。
もし、自分が頻繁に使用している商品のコピーを書く場合は比較的簡単かもしれません。
しかし、自分では使わない商品やサービスのコピーライティングを担当している場合は、その業界、商品についてより多くの知識を得る必要があります。
その商品の基礎的な知識から、実際に使用している人の声まで。少しずつ、実際に使用している人の感覚に近づく作業を行うのです。
もしくは、実際に使っている人に聞いてみるのも良いかもしれません。
彼らが何に不満を持っていて、何を期待しているのか。そのような調査をすることでコピーで訴求しなければならないポイントが見えてくるでしょう。
また、お客様理解を深めるために以下の4つの質問に答えてみるのも良いかもしれません。ただし、こちらもサービス業に関してのコピーの場合は質問内容を若干変更する必要があります。
質問1:現在、誰があなたの商品を購入していますか?
最初の質問は、現在のお客様が誰であるかを特定するものです。
もし、まだ何も売り始めていない場合は、この質問を飛ばして次の質問に進んでください。
質問2:あなたの商品を誰に買ってもらいたいですか?
2つ目の質問では、誰に商品を販売したいのかを明らかにしましょう。ターゲットを絞ることで、潜在顧客に刺さりやすいようなコピーを書くことができるようになります。
誰に売るのか、誰がターゲットなのかを正確に把握することをこの段階で明確にしましょう。
質問3:お客様はどのような方ですか?
この質問の目的は、お客様の詳細なイメージを作ることです。
他の質問では、お客様の大まかな概要を捉えるためのプロセスでしたが、この質問では個々のお客様にフォーカスすることです。
質問4:お客様が好きな商品のポイントは?
お客様が誰であるかを知ることに加えて、商品のどのような点を喜んでいるのかを知る必要があります。
それらは、そもそもなぜ買ってくれたのか、なぜリピートしてくれるのかの理由に繋がるのです。
オーディエンスの注目を集めるヘッドラインを書く
見出し(ヘッドライン)は、コピーの良し悪しを左右します。
広告、ウェブサイトのリニューアル、Facebookへの投稿、ランディングページなど、どのような文章であっても、見出しが一番重要といっても過言ではありません。
あなたがどれほど良い記事を制作できたとしても、見出しでオーディエンスの注目を集められなければ何も始まりません。
では、注目を集める見出しを書くにはどうすればいいのでしょうか?
注目を集める見出しを書くポイントは3つあります。
見出しはオリジナルかつユニークなものを用意。
インターネットや広告の世界には、模倣者や他人のコンテンツを盗用することで成功している人がたくさんいます。
しかし、彼らの仲間入りをしてはいけません。オーディエンスの注目を引いて商品を売りたいのであれば、ユニークで彼らの意識をこちらに向けるような見出しが必要なのです。
見出しは具体的なものを使用する。
見出しはそれを読んだオーディエンスが、あなたの商品やサービスから何を得られるかを瞬時に理解できるようなものでなければなりません。
抽象的な表現や曖昧な表現は避け、潜在的な顧客が得られるものを簡潔且つ具体的に説明しましょう。
緊急性を見出しで感じさせる
あなたの商品やサービスをすぐに利用しないと、何を失うのかをオーディエンスに喚起できる言葉を見出しに使用しましょう。
あまりにもオーバーすぎる表現だと「恐怖訴求」と言われ、オーディエンスに嫌悪感を与えてしまうかもしれません。
しかし、締め切りやカウントダウンなどは嫌悪感を生み出すことなく、オーディエンスを急がすことができるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はソーシャルメディアでも、Webサイトでも活用できる、コピーライティングについての基礎的な知識をご紹介いたしました。
コピーライティングを学ぶことで、
あなたのソーシャルメディアやメルマガなどマーケティングで活用している沢山のプラットフォームでのメッセージの効果を最大限に引き出すことができます。
ぜひ、今回紹介したコピーの書き方をあなたの施策でも試してみてくださいね!