【はじめてのマーケティング】マーケティング用語を徹底解説! カスタマージャーニーとは?

どの業界のプロフェッショナルも最初はみんなビギナーでした。

マーケティングの世界もそうなのです。顧客の動き、マーケットの動きを読み解くため、最初はわからない用語を調べ、学び続けなければなりません。

しかし、用語を理解したとしてもそれらの使い方はひとつではなく、応用させなければならないことがほとんどです。

その為にも用語の意味だけでなく、実際の使い方や応用方法を知っていく必要があります。

今記事では、そんな「学びを深めたいマーケター」の方のために、用語について詳しく解説し、応用方法などもご紹介いたします。

今回の用語はマーケターなら誰でも耳にしたことがある「カスタマージャーニー」です。

では、早速始めていきましょう。

カスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニーとは、顧客があなたのビジネスで経験するすべてのことを示すことが記載された詳細な地図のことを言います。

カスタマージャーニーでは、顧客とあなたのブランドとの間で行われるであろう、すべてのインタラクションを見ることができ、顧客と関わる前と後でも見ることができます。

カスタマージャーニーの段階とは?

カスタマージャーニーの段階とは?

カスタマージャーニーは、顧客が特定の行動を取るように誘導されながら通過する「フェーズ」で構成されています。

どのフェーズを含めるかは、ビジネスの目標によって異なります。

例えば、新しくリリースした新しいアプリをユーザーに使ってもらいたいのか、

ニュースレターの購読を停止しているユーザーにメールもう一度 読んでもらいたいのか、時々商品を購入してくれるユーザーを、常連客にすることが目的なのか。

これらのマーケティング経路にはすべて、顧客を「A地点からB地点に誘導する戦略」が必要になってきます。

多くのカスタマージャーニーでは、通常以下のフェーズを想定しています。

・認知:これは、通常、検索エンジンや広告宣伝活動を通じて、誰かがあなたの会社を発見する方法です。

例えば、あなたが雑貨を売っているお店のオーナーだとしましょう。

未来の顧客がマグカップの最新ラインアップの広告を見て、ブランドと製品についてもっと知るためにあなたのウェブサイトをクリックしたとします。

このとき、彼らの記憶にはあなたのビジネスが刻まれているのです。

・獲得:「認知」で興味を寄せた顧客が実際にマグカップをとても気に入り、購入したとすれば、それは「顧客の獲得」になります。

それだけでなく、彼らはサイト上のフォームからメールリストに登録し、新しい商品について知ることができるようになりました。

これで新しい製品が出たら彼らに周知することは簡単です。

・オンボーディング:新しい顧客を獲得したら、歓迎の気持ちを伝えるために一連のウェルカムメールを送り、彼らが買いたいと思うような他の商品を紹介することが重要です。

もし、その新規顧客が猫の柄のマグカップを購入したのなら、「かわいい猫のコースター」をおすすめに表示したり、メールに特集して送っても良いかもしれません。

・エンゲージメント:お客様に定期的に商品やサービスを利用してもらったり、お店で買い物をしたり、コンテンツを読んでもらうための方法を指します。

Eメール、ソーシャルメディア、製品内のメッセージ、パーソナライゼーションなどを利用して、お客様の体験をより楽しいものにすることを検討してください。

・アドボカシー:お客さまに喜んでいただき、他の人にあなたのブランドを勧めてもらえるようにしましょう。これはおそらく、新規顧客を獲得するための最良の方法のひとつでしょう。

カスタマージャーニーマップが重要な理由

カスタマージャーニーマップが重要な理由

・顧客の動きを正確に把握することで、より効率的なカスタマージャーニーを作成することができます。

あなたの顧客は、あなたが意図した1つの場所に到達するために3つの余分なステップを踏んでいませんか?

それらを見つけるためにも、カスタマージャーニーマップの制作は有効です。

・顧客が商品の購入までに通るルートは、顧客にとって意味のあるものでなければなりません。

消費者はサイトのナビゲーションが少し異なるだけでも、あるものに対して他のものより良い反応を示したりするものです。

それらに気づくことができるのも、カスタマージャーニーマップの制作でカバーできます。

・効果的なカスタマージャーニーを制作、実施するためには、顧客を深く理解する必要があります。

つまり、顧客がどのように行動し、何を求めているか、そして一番大切なのは、「何を求めていないのか」を理解することです。

これは、ビジネスを成功させるための重要な要素ですが、(顧客ではなく)自分たちにとって完璧なジャーニーを作ろうとするあまり、経営者が見落としがちな点です。

・カスタマージャーニーを制作することで、ゴールに向かってより良い目標を作ることができます。

カスタマージャーニーに対してより科学的なアプローチをとることで、ビジネスを成功に導くための真の姿に近づくことができます。

また、変更や改善ポイントの効果をリアルタイムで評価することができるので、それが今後の意思決定や目標達成に関わる大きな原動力となるのです。

・お客様がどのようにビジネスを体験しているかを明確に描くことができれば、新製品をいつ、どこで、どのように販売するかについて、より的確な判断ができるようになります。

このようにカスタマージャーニーマップの制作は、将来の製品展開の計画にも役立ちます。

・顧客のペインポイントを特定することができます。顧客の痛みは、ビジネスの損失につながる恐れがあるので、

カスタマージャーニーマップの作成を開始する前に、顧客にとって苦痛な点がどれほど多いか、また、それがどれほど深刻なものであるかを認識していないかもしれません。

カスタマージャーニーマッピングの10のヒント

カスタマージャーニーマッピングの10のヒント

カスタマージャーニーという単語を知っているだけでなく、その意味と活用方法を正しく理解することは、非常に重要です。

かつてのビジネスは製品や価格で勝負していましたが、今日のビジネスは顧客体験で勝負していると言っても過言ではないでしょう。

デジタル革命は、この変化に大きく貢献しました。

なぜなら、企業は過去には不可能だった方法で、顧客にシームレスなデジタル体験を提供するツールを持てるようになったからです。

さらに、顧客は購入する企業とこれまでとは異なる関係を持つようになりました。

彼らは、自分が企業にとって貴重な存在であり、お金を使う場所を選択する力を持っていることを理解するようになったのです。

これは、今までもある程度はそうでしたが、ビジネスのグローバル化が進む今日、特に顕著に見られる動きなのです。

インターネットが普及する前、デジタル化される前は、顧客は一部の地元企業か、あるいは全国規模の企業の中から選ぶように制限されていました。

しかし、現在では世界中がビジネスチャンスに溢れています。

このため、デジタル時代のビジネスには熾烈な競争が繰り広げられ、顧客はその力を利用して、企業にさらなる要求をすることができるようになりました。

そのため、カスタマージャーニーを正しくすることが、これらの期待に応えるための鍵となるのです。

こちらではカスタマージャーニーを制作する上で重要な10このポイントをご紹介いたします。

何を達成したいかを知る

カスタマージャーニーマップを制作する上で「何を達成したいか」を決める前に、いきなりカスタマージャーニーマップ制作を始めてしまわないようにしましょう。

それをしてしまうと、制作に当たり非常に重要なことを見逃してしまったり、従業員を混乱させたりする恐れがあります。

チーム間の結束を高めたいのですか?

Webサイトでより多くのユーザーに購入してもらいたいですか?

Eメールマーケティングのクリックスルーを増やしたいですか?

あなたのビジネスが顧客に提供できていないと思う分野はどこですか?

カスタマージャーニーにもっと近いところにいるべきチームはありますか?

これらはすべて、あなたが最初に問いかけるべき質問なのです。

消費者のペルソナの作成

正確なカスタマージャーニーマップを作成し、カスタマージャーニーの改善を実施するためには、消費者のペルソナが必要です。

あなたのビジネスのバイヤーのプロファイルが1つだけである可能性は極めて低いでしょう。

これらの消費者と彼らの購入にあたる動機を文書化し、分析し、理解しましょう。

テクノロジーに精通したミレニアル世代やGenZ世代には、あなたのウェブサイトはうまく機能するかもしれませんが、

テクノロジーやインターネット抵抗感があったり、知識が浅かったりする年配の世代には、あまりうまくいかないかもしれません。

また、1つのタイプの消費者のためだけにウェブサイトをデザインすることはできません。

消費者のタイプが異なれば、同じことをするにも方法が異なり、また目的も異なります。

ペルソナを作成しなければ、これらのグループの期待に応えられない危険性があります。

マップをセクションに分割する

カスタマージャーニー全体を俯瞰するのは良いことですが、カスタマージャーニーの各ステージについて、より詳細なマップを用意することも必要です。

例えば、顧客がWebサイトに来るまでに何が起こっているのか?

カスタマージャーニーは、Google広告から始まるのか?

Twitterのキャンペーンから始まるのか?

購入が完了した後はどうなるのでしょうか?

確認のメールは届くのか?

さらにその先についてはどうでしょうか?

購入後、どのくらいの頻度で顧客にマーケティングメールを送るのか?

これらを明確にするためにも、マップを細かく分割して内容を詰めていきましょう。

カスタマータッチポイントの特定

これはカスタマージャーニーの基礎となるものです。

タッチポイントとは、お客様があなたのブランドと接するあらゆる場所のことです。

実店舗、ウェブサイト、カスタマーサービスライン、ライブチャット、オンラインレビュー、広告などがあげられます。

調査によると、タッチポイントの数と、お客様がその企業から購入する可能性には、直接的な相関関係があります。

より多くのタッチポイントを持つ企業は、より多くの顧客を獲得しています。

カスタマージャーニーマップを作成する前に、まずすべてのタッチポイントを特定することで、顧客がどのようにビジネスを経験するかを正確に把握することができます。

そうすることで、お客様がどのようにビジネスを体験しているのかを正確に把握することができます。

また、タッチポイントを増やす必要があるかどうか、増やす必要がある場合はどこに増やすかを決めるのにも役立ちます。

オンステージとオフステージのアクションを分けて提示する

カスタマージャーニーをマップ化する場合、オンステージとオフステージの両方の体験を記録する必要があります。

マップの中でこれらの要素を分けて、読み手に分かりやすくすることが重要です。

オンステージ体験とは、顧客の目の前で行われる体験、つまり顧客が見たり体験したりするものです。

例えば、お客様がオンラインニュースレターを読み、新しいニュースレターが発行されるたびに通知されるように、メールリストに登録することを決めたとします。

ニュースレターを読んで登録することは、オンステージイベントと呼ばれます。

オフステージイベントとは、顧客が目にすることのない舞台裏で起こるアクションのことです。

ニュースレターの例では、ユーザーがニュースレターフォームに詳細を送信すると、メーリングリストに追加するオフステージのアクションがトリガーされます。

カスタマージャーニーマップの制作は一人ではできない

正確なカスタマージャーニーマップを作成するためには、ビジネス上のあらゆる立場の人を巻き込む必要があります。

ビジネスのさまざまな分野の人々は、さまざまなタッチポイント、その仕組み、そしてお客様がそれらをどのように体験するかについて、あなたより数倍詳しいのです。

例えば、カスタマーサービスチームは、毎日お客様と話し、お客様の不満を明確に理解しているため、マップを作成する上で非常に貴重な存在となります。

多くの人々に意見を聞き、それらを反映させましょう。

顧客の感情について考える

カスタマージャーニーマップには、顧客の感情を書き込むとよいでしょう。

これは、お客様がジャーニーを移動するときに感じる感情を、簡単な絵文字や簡単なスケッチにすることができます。

お客様が苦痛を感じる部分や摩擦が大きい部分にはネガティブな感情を、購入後に確認メールを受け取ったときなど、

ユーザーの行動に対して報われたときにはポジティブな感情を割り当てることができます。

消費者が関わるものをデザインする際には、顧客の感情を第一に考えなければなりません。

顧客志向の市場においては、ポジティブな感情を最大化し、ネガティブな感情を最小化することで、他社との差別化を図る必要があります。

顧客は、あなたのビジネスが頭痛の種であったことを記憶し、次に同じような製品が必要になったときには、別の選択肢を選ぶようになるのです。

現実的な目標を設定する

カスタマージャーニーマップを制作することは、ビジネスの目標を明確にするための素晴らしい方法です。

時には、必要な改善をするために、1つのエリアに焦点を移す必要があります。時には、もっと焦点を当て、修正する必要があるエリアがたくさんあることもあります。

カスタマージャーニーマップを作成し、焦点を当てるべき領域を決めたら、現実的な目標を設定することが重要です。

一度にすべてを行おうとしないこと!一度に多くの変更を行うと、顧客にとって混乱した体験になる可能性があります。

また、これらの新しい変化が、新たな予期せぬ問題を引き起こすかもしれません。

さらに、カスタマージャーニーマップは将来を見据えたものであることが望まれます。

カスタマージャーニーの進化に合わせて、何年もかけて追加・変更できるようなものでなければなりません。

一度に多くのことを変更すると、最初のマップを作成した後、すぐにまったく新しいマップを作成しなければならなくなるでしょう。

設定する目標は、明確でわかりやすくタイムリーなものであるべきです。「何を、いつまでに達成したいのか」を明確にしましょう。

各タッチポイントの強度を明確に示す

すべてのタッチポイントは重要ですが、すべてが同じというわけではありません。

あるタッチポイントは、お客様が旅の途中で体験する重要な瞬間であり、お客様の体験を左右するため、より重要な意味を持ちます。

それらを明確にするために、各タッチポイントに目盛りをつけ数字を割り当てることで、強度をマークすることができます。

ほとんどのビジネスでは、1~5または1~10の尺度が有効でしょう。

ビジュアル的に理解しやすいカスタマージャーニーマップを

カスタマージャーニーマップのは、エクセルシートやワープロ文書、派手なビジュアル、あるいはホワイトボードに貼った付箋などで作成することができます。

どのような方法で作成するにしても、それを使う人自身が納得できるものでなければなりません。

また、そのカスタマージャーニーマップを他の社員に見せる場合、彼らが理解できるようにしておく必要があるので、

一度作ったカスタマージャーマップが見にくい場合は一度情報を整理して、配置を整えましょう。

まとめ

まとめ

いかでしたか?今回はカスタマージャーニーについてご紹介いたしました。

カスタマージャーニーは顧客を理解するためにも、そしてビジネスを成功に導くためにも欠かせないものです。

現代では顧客が商品だけでなく、購入プロセスの簡易さや、アフターケアの良さなどといった「顧客体験」を更に重視するようになってきました。

だからこそ、どのポイントでも顧客があなたが提供する顧客体験が「素敵な体験だった」と感じてもらわなければなりません。

それらを創造するためにも、カスタマージャーニーマップの制作は必須なのです。

今回ご紹介したカスタマージャーニーマップの制作ポイントを活用して、あなたのブランドにしか作ることができない、素敵な顧客体験を創造してみてくださいね。

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著者紹介

代表取締役CEO
1985年生まれ。岩手県出身。
SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。