ShopifyでECサイトの開設・運営をするとき、問題になってくるのが物流業務です。
受注や在庫の管理をExcelで行ったり、出荷する商品の手配を全部自分たちの手で行ったりするのは、とても大変ですよね。
当記事では、Shopifyの物流業務を助けてくれる便利なシステムやサービスをご紹介します。
物流業務の効率化のために、ぜひお役立てください。
CONTENTS
そもそもShopifyとは?
Shopifyとは、Webサイトに詳しくない人でもECサイト(自社の商品やサービスを販売する通販サイト)を簡単に作成・運営できるサービスです。
テンプレートが用意されているので手軽にECサイトを作れるうえに、カスタマイズの自由度が高く、独自性を出すことができます。
日本国内だけでなく、海外販売にも活用できることも特徴です。
Shopifyにおける物流フローで知っておくべきこと
Shopifyと連携できる物流システム・物流代行サービスを紹介する前に、Shopifyの物流フローで知っておくべきことを解説します。
これをわかっていないと、「物流システムと代行サービスの何が違うのか」や「物流システムと物流代行サービスのどちらを選ぶべきか」などの問題でつまづきかねません。
Shopifyでは自分で物流フローを確立する必要がある
Shopifyの主な機能は、ECサイトの開設や運営、顧客のデータの分析などです。
注文・購入された商品をお客様のもとまで届けるための手配は、自分で行う必要があります。
お客様に商品を届けるための物流フローを、効率的に確立・運用する主な方法は以下の2つです。
物流システムをWebサイトと連携させる方法
物流代行サービスをWebサイトと連携させる方法
物流システムとは、物流フロー(商品の入荷・保管・出荷の流れ)を最適化するシステムです。
アプリで商品の状況確認や倉庫管理などができるようになっているものが多くなっています。
物流システムはあくまでツールなので、ECサイトの運営者がシステムを使いこなさなくてはいけません。
物流代行サービスとは、物流に関する業務を代行してくれるサービスです。
物流に関する業務を外部に代行してもらえるので、サイトの運営者はそれ以外の業務に専念できます。
物流システムと物流代行サービスのどちらが良い?
次のように考えている人は、物流システムを選ぶと良いでしょう。
・物流フローを自分たちで運用したい
・物流業務を自分たちでこなすだけのリソースがある
・外部にすべての物流業務を任せるのは不安がある
物流代行サービスを選ぶと良いのは、次のような場合です。
・物流業務の知識や経験がないので、物流フローの運用に不安がある
・人手が足りないので、物流業務に人や時間を割く余裕がない
・商品開発やマーケティングなど、物流以外の業務に専念したい
Shopifyと連携できる物流システム
Shopifyと連携可能な物流システム6つを紹介します。
mylogi
※画像引用:mylogi
ECサイト関連事業に20年以上携わってきたアートトレーディング株式会社が提供する物流システムです。
人の手を介さなくても良い業務(注文された商品の在庫の確保など)は全て自動化した受注・物流一体化システムや、
ECサイトの多様なニーズに応じた複数倉庫管理システムをそろえています。
Shopifyだけでなく、複数のECモール(楽天市場やAmazonなど)にも同時に連携させることができるのも大きな利点です。
■利用料金(ECサイト向けプラン「mylogyEC」の場合)
初期費用 | 無料 |
月額 | 30,000円 |
備考 | 最長2か月無料 有料オプションあり |
※料金は変動することがあります
SHIPPINNO
※画像引用:SHIPPINNO
EC事業者向けのWebシステム開発などを担ってきたシッピーノ株式会社の物流システムです。
特徴としては以下があります。
・出荷業務の完全自動化(受注確認や注文処理、発送依頼、出荷完了メールの送信など)
・国内800以上の物流倉庫と連携可能
・複数倉庫の一元管理が可能
■利用料金
初期費用 | 無料 |
保守費用 | 15,000円/年 |
月額 | 1ストア(店舗・受注管理システム)との連携につき9,800円 + 自動出荷の合計件数による従量課金 + 全ストアのSKU数(登録商品数)合計に応じての課金 |
備考 | 1カ月無料トライアルあり |
1カ月無料トライアルあり
※料金は変動することがあります。
LOGILESS
※画像引用:LOGILESS
株式会社ロジレスが提供する物流システムです。
受注業務・出荷業務・在庫管理を自動化する機能が搭載。
10分に1回注文情報データが倉庫側の画面に連携され、自動で出荷指示が出されます。
また、倉庫の外部委託や複数拠点からの自動出荷にも標準対応。
条件に応じた自動処理(一定金額以上の購入者におまけを送るようにするなど)の簡単追加が可能なのでオリジナルの業務フローにも対応できます。
月あたりの出荷数によって出荷単価が変わるシステムなので、月あたりの出荷数・出荷数見込みも鑑みて利用の検討が必要です。
たとえば、月間出荷数が501~5,000件の場合の出荷単価は20円、月間出荷数が20,000件以上の場合の出荷単価は2円となっています。
ただし、月間出荷数が500件以内の場合は、出荷数に応じた従量課金は発生しない仕組みです。
■利用料金
初期費用 | なし |
月額 | 20,000円+出荷数に応じた従量課金 |
備考 | 有料オプションあり |
※料金は変動することがあります。
NEXT ENGINE
※画像引用:NEXT ENGINE
ネット通販関連の事業を20年以上営むHamee株式会社が提供する物流システムです。
受注管理・在庫管理・出荷管理の自動化や倉庫連携などの機能を備え、導入実績業界No.1を誇ります。
※2018年7月ネット経済新聞調べ
コストの最適化や高いカスタマイズ性を強みとしています。
メイン機能に、NEXT ENGINEが用意しているアプリで機能を追加することでカスタマイズをすることができます。
■利用料金
初期費用 | なし |
月額 | 10,000円+受注数に応じた従量課金 |
保守費用 | 15,000円/年 |
備考 | 有料アプリを利用する場合、アプリごとの利用料金が発生 |
ロジクラ
※画像引用:ロジクラ
株式会社ロジクラが提供する物流システムです。
基本機能は以下の3つとなっています。
・入荷・入庫(入荷・入庫業務の効率化・改善)
・在庫管理(在庫管理の効率化・改善)
・出荷・出庫(出荷・出庫業務の効率化・改善)
上記の効率化・改善の具体的な内容は以下になります。
・入荷情報をアプリで正確に管理することで、入荷のズレやミスをなくします。
・パソコンやスマホで、いつどこにいても在庫を確認できます。
・出荷にあたって、納品書や送り状などを手軽に作成することができます。
基本機能だけの利用は無料になっていますが、Shopifyと連携させるためには有料プランの契約が必要です。
■利用料金
初期費用 | なし |
月額 | プランによる。 Shopifyと連携可能なのはStandardプラン(25,000円/月)とPremiumプラン(40,000円/月)。 ※年間契約の場合 |
保守費用 | 契約から1年経過時より、前年分の年間保守・活用支援サポート費用30,000円 |
備考 | 有料オプションあり。 出荷数が契約プランの上限出荷数を超えた場合、超えた分の出荷数の従量課金が発生します。 |
物流システムの選び方
物流システム選びで注意したいポイントは、次の3点です。
商品のターゲット層に対応している物流システムか
個人の一般消費者に直接商品を販売するのであれば、個人の消費者向けの配送が可能な物流システムと連携する必要があります。
同じように、企業向けの商品販売なら企業への配送が可能な物流システムが必要です。
無料トライアルがあるか
有料の契約をする前に、無料トライアルなどを活用して操作のしやすさを確認するようにしましょう。
操作しにくいシステムは、ミスが起こりやすかったり業務にかかる時間が長くなったりしがちです。
「パソコンで操作するものなのか、スマホで操作するものなのか」なども確認しておきましょう。
毎月の出荷数がどのくらいか
出荷数によって、自社にはどんな料金体系が合っているかが変わってきます。
ECサイト対応の物流システムの月額は、主に次の2種類です。
・月額固定制
・基本料金+従量課金(月の出荷数や登録商品数による)
わかりやすく混乱しにくい料金体系は、月額固定制です。
ただし、出荷数が少ない場合、「基本料金+従量課金」の方が安く済む可能性があります。
逆に月の出荷数が多い場合は、月額固定性の方がお得になる可能性もあります。
月の出荷数の見込みなどを考慮し、料金体系もチェックして物流システムを選びましょう。
Shopifyで使える物流代行サービス
Shopifyで使える物流代行サービスとしては、次のようなものがあります。
オープンロジ
※画像引用:オープンロジ
株式会社オープンロジが提供する物流代行サービスです。
固定費ゼロの従量課金制のため、「在庫も出荷数も少なく、サービスの利用量と固定費が見合っていない」などのことになりにくいのが大きな利点です。
■利用料金
初期費用 | なし |
月額 | 倉庫利用料金(従量課金)+配送料金(従量課金) |
備考 | 有料オプションあり。 |
※金額は変動することがあります。
NEOlogi
※画像引用:NEOlogi
株式会社ネオ・ウィングが提供する物流代行サービスです。
日本全国はもちろん、世界150か国以上に配送可能。海外への出荷が多いECサイトにとくにおすすめのサービスとなっております。
■利用料金
初期費用 | なし |
月額 | 出荷数に応じた従量課金制 |
備考 | 有料オプションあり |
※金額は変動することがあります。
スピードロジ
※画像引用:スピードロジ
トランスコスモス株式会社が提供する物流代行サービスです。
「Shopify専用物流」をうたっており、Shopifyとの連携に特化したかたちになっています。
Shopifyアプリストアでアプリが配信されており、Shopifyと合わせて使いやすくなっています。
■利用料金
初期費用 | なし |
月額 | 月額パレット利用料金(1パレットあたり6,000円)+配送料金(従量課金) |
備考 | 追加対応料金あり 有料オプションあり |
※金額は変動することがあります
※パレット:輸送したり保管したりする荷物を乗せる台
物流代行サービスの選び方
商品のターゲット層に対応している物流システムか
物流システムと同じく、商品のターゲット層(個人の一般消費者なのか、企業向けなのか、
その両方なのか)への配送が可能な物流代行サービスなのか、確認が必要です。
自社の類似した商品を取り扱ったことがあるか
類似した商品の取り扱い経験がない物流代行サービスだと、商品の取り扱い方をめぐるトラブルが起こる恐れがあります。
できるだけ、自社の類似商品の取り扱い経験がある物流代行サービスが望ましいでしょう。
一度の出荷でどのくらいの数まで対応してくれるか
販売している商品やターゲット層によっては、1度に大量の出荷が発生することもあるでしょう。
一度の出荷でどのくらいの数まで対応可能なのかも確認が必要です。
Shopifyに対応している配送業者
Shopifyに対応している配送業者は、以下の6社です。
■日本国内
・日本郵便
・ヤマト運輸
・佐川急便
■海外
・FedEx(米国に本社を置く、世界最大手の運送会社)
・UPS(世界200か国以上の国と地域を結ぶ貨物運送会社)
・DHL(世界最大の国際輸送物流会社)
まとめ
Shopifyを物流システムや物流代行サービスと連携させて使うことで、物量業務を効率化したり、物流業務以外のタスクに専念しやすくなったりします。
出荷数が多くなると、自分たちで商品の在庫管理や発送業務をこなすのは難しくなってくるので、ぜひ活用したいところですね。