【マーケター必見!】初心者向けガイド ライフサイクルマーケティングガイド

ひとつ一つのブランドや企業が異なるように、顧客もひとり一人で購買行動が異なります。

 

例え属性や好みが似たような顧客だとしても、彼らのバイイングジャーニーは常に異なるため、彼らが反応を示すメッセージも異なります。

 

ということは、ブランド側が1つだけのメッセージを用意するだけでは、不十分だということです。

 

では、どのように彼らの心を掴めば良いのでしょうか?

それには適切なタイミングで、適切なメッセージを適切な顧客に伝えることができるような、優れた戦略が必要なのです。

 

究極のパーソナライゼーションを行うことで、そのブランドは顧客体験を格段に上げることができるとともに、顧客もあなたのブランドに好印象を抱くようになるでしょう。

 

本記事ではそれらを行うために必須となってくる「ライフサイクルマーケティング」についてご紹介いたします。

 

目次​​

・ライフサイクルマーケティングとは?

・ライフサイクルマーケティング戦略の進め方

・ライフサイクルマーケティング戦術

  1. 自社ブランドを知らない見込み客
  2. 新規のサイト訪問者
  3. 新規のメール配信登録者
  4. 比較検討中の見込み客
  5. カートに入れたものの購入を放棄
  6. 初回購入のお客様
  7. 解約されたお客様
  8. VIP

・まとめ

 

 

ライフサイクルマーケティングとは?

ライフサイクルマーケティングとは?

ライフサイクルマーケティングとは、顧客がライフサイクルの進行に応じて、好んでいるコミュニケーションをマッチングさせることです。

 

一般的に、顧客ライフサイクルは、現代のマーケティングファネルと同様に、6つのステージで構成されています。

 

・認知 – 潜在顧客が最初にブランドを知る。

・エンゲージメント – 潜在顧客が実際にブランドと交流し、あなたのブランドや製品についてより詳しく知る。

・検討 – 潜在顧客があなたの販売している製品を評価し、購入に対して適切であるかどうかを判断します。

・購入 – 潜在顧客があなたのブランドから購入することで、顧客になります。

・サポート – 顧客が購入した製品から最大限の価値と満足を得られるようにサポートします。

・ロイヤリティ – 顧客はただ一度商品を購入しただけでなく、何度も購入したり、自ら他の人にあなたのブランドの存在を伝えるなどしてファンとなっています。

 

 

ライフサイクルマーケティング戦略の進め方

ライフサイクルマーケティング戦略の進め方

 

ライフサイクルマーケティング戦略を構築するために使用するフレームワークをこちらではご紹介いたします。

このフレームワークはたった3つで構成されているので、決して難しいものではありません。

 

では、詳しく見ていきましょう。

 

  1. トリガー

トリガーとは、マーケティングメッセージを顧客に提示するタイミングを決定するための、あらかじめ定義された条件のことを言います。

この条件は、顧客ライフサイクルの6つのステージに沿ったものです。

 

顧客ライフサイクルの6つのステージはかなり高度なものなので、トリガーとなる具体的なセグメントに分解してみよう。

 

自社ブランドを知らない見込み客(認知)

新規のサイト訪問者(認知)

新規のメール購読者(エンゲージメント)

比較検討中の見込み客(検討)

カートに入れたものの購入を放棄(検討中)

初めてのお客様(購入)

解約されたお客様(サポート)

アクティブカスタマー/VIP (ロイヤリティ)

 

基本的に、顧客のあらゆるアクションをトリガーにすることができます。

大切なことはその顧客がどの段階で、どのようなアクションを起こそうとしているかを明確に理解することです。

 

  1. メッセージ

メッセージはブランドが顧客とコミュニケーション をとる上で非常に重要かつ、今回のライフサイクルマーケティングでは一番の決め手となる要素です。

 

このメッセージは顧客がそのメッセージがきっかけであなたのブランドがするオファーに興味関心を示すだけでなく、そのメッセージ自体がメッセージを送信したトリガーに関連するものである必要があります。

 

例えば、カートに商品を入れたものの購入しなかった潜在顧客に対しては、リマインダーのメールを送っても良いかも知れません。

 

  1. チャネル

チャネルとは、メッセージが発信される場所のことを言います。

メール、ソーシャルメディア、YouTubeなど、どのようなマーケティングチャネルでもかまいません。

潜在顧客がその後に行動をしやすい導線であることがベストです。

 

 

ライフサイクルマーケティング戦術

ライフサイクルマーケティング戦術

 

フレームワークができたところで、現実的にそれらをどのように適用していくかを見ていきましょう。

 

ここでは、作成したセグメントを例にして、ライフサイクルマーケティングを実行していく方法をご紹介いたします。

 

  1. 自社ブランドを知らない見込み客

 

トリガー(きっかけ )

→顧客が問題に気づき、その解決策を知るためにGoogleで検索する

メッセージ 

→問題を解決する方法を顧客に伝える

チャネル

→検索エンジン最適化(SEO)

 

いくら素敵な商品を販売していようと、顧客はあなたの存在を知らなければ、あなたから商品を買うことはできません。

そして、「発見」とは通常潜在顧客がまず自身もしくは自身の生活で「解決すべき問題があること」を知ることから起こります。

 

もしかするとそのアプローチは

「〜でお困りではありませんか?」かもしれないし、「〜があればもっと便利!」などといったコミュニケーションかもしれませんね。

 

そしてそれらの問題に気づいた潜在顧客はほとんどの場合、Googleにアクセスし、その問題の解決方法を検索します。

つまり、潜在顧客に見つけてもらうためには、Googleで上位に表示される必要があるのです。

それだけでなく、彼らがどのような問題を抱え、どのような言葉を用いて検索しているのかを把握する必要があります。

 

実際に自分がその問題を解決したいならどのような言葉、方法で検索しますか?

 

それらの言葉を認知するには、キーワードリサーチツールを使うことをおすすめします。

 

  1. 新規のサイト訪問者

 

きっかけ 

→コンテンツを発見し、初めてあなたのウェブサイトにたどり着いた顧客

メッセージ

→ ニュースレターの購読

チャンネル

→メール

 

あなたが発信する何かしらのコンテンツを発見した後、従来ですとほとんどの人はその場を離れ、二度とその場所に戻ってくるということはありません。

 

しかし、もしあなたが顧客とブランドとの関わりを求めるのでしたら、彼らがウェブサイト滞在したり、戻ってきたりしたくなるように仕向ける必要があります。

 

そのためには、ソーシャルメディアをフォローしてもらったり、定期的に発信されるメルマガに登録してもらうなど、さまざまな方法があります。

ソーシャルメディアと比べると、Eメールは直接コミュニケーションが取れるので、ライフサイクルマーケティングを実施するには最適なチャネルだと考えられています。

 

また、多くの消費者はあなたのウェブサイトを訪れたとしても何かしらお得な特典やオファーがないとなかなか自分の個人情報を登録したがらないでしょう。

 

  1. 新規のメール配信登録者

 

トリガー

→お客様がメルマガに登録した

メッセージ

→ブランド、コンテンツ、カタログ/製品などを紹介するウェルカムメール

チャンネル

→メール

 

ニュースレターに登録してもらったら、割引コードや電子書籍など、登録してもらう代わりにオファーしたものを実際に顧客に送信する必要があります。

しかし、それ以上にあなたのコンテンツ(Eコマースストアを運営しているのであれば商品カタログなど)を紹介することで、より多くの人に興味を持ってもらうことのできる絶好の機会なのです。

 

  1. 比較検討中の見込み客

 

トリガー

→顧客がGoogleで商品の比較検討をしている。

メッセージ

→機能比較、製品比較

チャンネル

→SEO

 

顧客は常にベストな商品を求めています。

それは商品の価格、持ち、使い心地など、幅広い点を他の顧客が投稿しているクチコミなどを元に比較しているのです。

 

ですので、彼らが例えあなたのブランドをよく知っていたとしても、比較検討は必ず行うはずです。

その方法のひとつが、Googleであなたのブランドと競合他社を比較検索することです。

その他にもInstagramやTwitterなどで他の購入者が投稿しているUGCを閲覧したり、Youtubeなどで投稿されている商品紹介動画などを閲覧していることが多いです。

 

  1. カートに入れたものの購入を放棄

 

きっかけ

→商品をカートに入れたが、購入が完了されなかった。

メッセージ

→チェックアウトプロセスを完了してください

チャンネル

→メール、リターゲティング

 

購入プロセスにおいて、顧客は直前でしばしば購入をやめてしまうことがあります。

最初はショッピングカートに商品を入れていても、他のサイトに飛んでしまったり、別の用事があったり、合計金額に驚いてしまったり…。

 

さまざまな理由が原因で購入を悩み、途中で放棄してしまうのです。

 

実際、Statistaが2021年3月に行った調査では、オンラインショッピングの注文の約80%が放棄されていることが分かっています。

 

放棄されたカートは、その顧客が戻ってくれば問題ありません。

しかし、その多くがそうではありません。

 

つまり、これらの問題には「顧客を取り戻す方法」が必要なのです。

 

最も一般的な方法は、「カートに商品が残っていることを知らせる」メールを送信することです。

 

そのメールを受信したことで顧客は自分が購入したかったものを再度確認し、もう一度考えた上で購入に踏み出すかもしれません。

 

  1. 初回購入のお客様

トリガー

→顧客が商品を購入した

メッセージ

→商品の良さを最大限に引き出す方法

チャンネル

→メール、アプリ内、ライブチャット、ソーシャルメディア、動画、コンテンツマーケティング

 

新規のお客さまに素晴らしい体験を提供すれば、そのお客さまはあなたのブランドのVIPになるはずです。

そのための1つの方法は、サポートと教育を提供することです。

製品の最適な使用方法を教えることで、顧客がさらにあなたのソーシャルメディアやウェブサイトに滞在したり、更なる商品の購入の動機付けになるのです。

 

  1. 解約されたお客様

きっかけ

→一度商品を購入した後、二度と商品を購入しない顧客

メッセージ

→返品割引

チャンネル

→リたーげてぃんぐ広告

 

上記のトリガーは、解約を防止するためのものです。

しかし、いくらやっても、離脱する顧客は離脱しますし、買わなくなったりする顧客はいます。

 

しかし、そのうちの何割かは説得して戻すことが可能なのです。

 

ここではリターゲティングが効果的です。

広告を使用して、しばらく購入していないことを思い出させ、もう一度あなたのブランドをチェックするように誘います。

 

  1. VIP

トリガー

→繰り返し、頻繁に商品を購入するお客様

メッセージ

→VIPプログラムへの参加

チャンネル

→メール、アプリ内、店頭

 

商品を気に入ってくれたお客様には、再度購入する機会、頻繁に購入する機会を増やすことが必要です。

もしあれば、ロイヤルティプログラムやVIPプログラムに招待するのがよいでしょう。

 

例えば、セフォラのビューティーインサイダーは、最も成功したロイヤルティプログラムの一つです。会員数は2500万人を超え、現在Sephoraの年間売上の80%近くを占めています。

 

ビューティーインサイダープログラムには階層があり、ロイヤルティの高い顧客がより高い階層にアップグレードできるように、より多くの購入を促すようになっています。

 

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はライフサイクルマーケティングガイドについてご紹介いたしました。

顧客に対して適切なタイミングで、適切なメッセージを発信することは彼らをあなたのブランドのファンにする上では欠かせないことであり、現代のパーソナライゼーションには必須の要素なのです。

また、このようなコミュニケーションを継続して行うことで顧客はさらにロイヤリティの高いあなたのブランドの「ファン」となってゆくことが期待できるのです。

ファンを作ることはあなたのビジネスを成功させる上でも欠かせないことなので、ぜひ今回ご紹介したライフサイクルマーケティングを活用してみてくださいね。

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著者紹介

代表取締役CEO
1985年生まれ。岩手県出身。
SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。